FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:NYダウは利益確定売りに押された

NYダウは39.02ドル安の34053.94ドル、ナスダックは384.50ポイント高の12200.82ポイントで取引を終了した。主要各国中銀の利上げが停止に近づいたとの安心感から買われ、寄り付き後は上昇した。金利先高観の後退やメタ・プラットフォームズ(META)の好決算を好感した買いがけん引しハイテク株の買戻しに拍車がかかり、ナスダック総合指数は大幅高となった。一方で、NYダウはヘルスケアなどディフェンシブ株が利食い売りに下落し相場の重しになった。まちまちで終了した。VIX指数は17.87から18.73へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ラガルドECB総裁発言後にユーロ売り優勢に

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日の定例理事会で、市場予想通り政策金利を0.50%引き上げることを決めたと発表。声明では『金利は依然として安定したペースで大幅に上昇する必要がある』と指摘し、次回3月の理事会でもさらに0.50%の利上げを実施する意向を表明した。ただ、『その時点でその後の金融政策の道筋を評価する』とした。また、ラガルドECB総裁は理事会後の会見で『物価上昇圧力は依然として強い』としながらも、『インフレ見通しに対するリスクはより均衡した』『3月の0.50%利上げ後は経過をみていく』と発言した。市場では『ECBが3月以降の利上げ停止、もしくはペース減速の可能性に道を開いた』と受け止められ、欧州債利回りの大幅低下とともに全般ユーロ売りが広がり、一時1.0886ドルと日通し安値を更新した。
もっとも、ラガルド氏は『利上げは完了していないと認識』『インフレを2%の目標に回帰させるため、路線を維持する』と述べ、この日の決定は利上げサイクルが終わりに近いことを意味するという解釈を否定している。

 

ポンド/ドルは軟調だった。英中銀(BOE)はこの日、市場予想通り政策金利を0.50%引き上げると発表。声明では前回の『一段のインフレ圧力の兆候に対し必要に応じて強力に対応する』としていた表現を『今後はより持続的なインフレ圧力の証拠があれば、一段の金融引き締めが必要になる』に修正した。また、世界的にインフレは高止まりしているものの、英国を含め多くの先進国でピークに達した可能性があると指摘した。市場では『BOEの積極的な利上げサイクルが終了に向かっている可能性が示唆された』と受け止められ、ポンド売りが優勢になった。取引終了間際には一時1.2223ドルと日通し安値を更新した。

 

ドル/円は、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて、米連邦準備理事会(FRB)が今年後半に利下げに転じるとの観測が強まる中、円買い・ドル売りが先行した。米長期金利の低下も相場の重しとなり、一時128.09円と日通し安値を付けた。ただ、対ユーロ中心にドル高が進むと円に対してもドル買いが入り128.91円付近まで下げ渋った。

 

NY原油先物市場は続落:米国経済の停滞が引き続き警戒され売り優勢

NY原油先物市場は74.97ドル‐77.24ドルのレンジ相場となった。昨日発表された米エネルギー省(EIA)が積み増しとなったことで上値が重く推移していたが、欧州債利回りの低下によりユーロ売り・ドル買いが進むと、ドルで取引される原油先物は割高感から下げ幅を広げた。もっとも、EIAが本日発表した天然ガスが取り崩しとなり、天然ガス先物価格に買いが入ると、原油先物も連れ高となる面もあり下げ幅を縮めた。アジア市場で77.24ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の前半にかけて74.97ドルまで反落した。米国経済の停滞が引き続き警戒されており、売りが優勢となった。ただ、売り一巡後は押し目買いも観測されており、76.92ドルまで反発。通常取引終了後の時間外取引では76ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は続落:ユーロ安・ドル高で利益確定売り強まる

NY金先物市場は1925.60‐1975.20ドルのレンジ相場となった。金先物は、欧州中央銀行(ECB)の結果発表までは堅調に推移していた。しかし、ECBの声明文やラガルドECB総裁の会見が前回よりもタカ派色が薄まったことで、欧州金利の低下に伴うユーロ売り・ドル買いが進むと、ドルで取引される金先物は割高感から徐々に上げ幅を縮め、引けにかけては続落して引けた。アジア市場の後半にかけて1975.20ドルまで買われたが、米長期金利の低下を受けた買いは一巡し、ニューヨーク市場の前半までに利益確定を狙った売りが強まる展開となった。通常取引終了後の時間外取引で1925.60ドルまで下落した。

 

米国債券市場は続伸:欧州債買いに連れた買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年国債利回りは前営業日比低い(価格は上昇)4.10%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い3.40%で終了した。欧州債相場の大幅上昇(利回りは低下)を受けて、米国債にも買い(利回りは低下)が入った。ただ、米国株が底堅く推移したことで上値も限られた。

 

米新規失業保険申請件数は低水準:US Dashboard

2日に発表された新規失業保険申請件数は18万3000件と前週から3000件減った。市場予想の20万件を大きく下回り、2022年4月以来の低水準となった。4週間移動平均は19万1750件と前週から5750件減り、総受給者数も165万5000人と前週から1万1000人減った。失業保険の申請件数は米企業の解雇動向が反映され、米労働市場の堅調さが示された。消費者物価指数(CPI)など米国の物価指標は伸びが鈍化しているが、米連邦準備理事会(FRB)は賃金インフレへの懸念を緩めていない。FRBの利上げペースは鈍化しても利下げ転換を織り込むのは時期尚早なのかもしれない。

 

1月米雇用統計でNFPは市場予想を上回ると予想:ゴールドマン

ゴールドマン・サックスは2日付のリポートで「非農業部門の新規雇用者数(NFP)を市場予想を大きく上回る30万人増と予想する。市場では企業の大量解雇が雇用統計の重しになるとみているようだが、失業保険申請件数はさらに減少しており、大量解雇の際に30日前の通達を規定したカリフォルニア州のWARN法の通知は、これらの大量解雇の大部分がまだ実施されていないことを示唆している」との見解を示した。リポートでは、強気にみている理由として労働需要が強いことや、ストライキ中の教育関係者の復帰による3万6000任の押し上げ要因も反映したという。マイナス面では、オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)の全米雇用リポートで冬の天候とカリフォルニアの洪水による混乱の可能性が指摘されているという。失業率は3.5%、平均時給は前月比0.4%上昇と予測した。

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