FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:重要イベント前の利益確定売り優勢に

NYダウは260.99ドル安の33717.09ドル、ナスダックは227.90ポイント安の11393.81ポイントで取引を終了した。足もとで相場上昇が続いたあとだけに、2月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に利益確定目的の売りが優勢となった。『今週はアップルやアマゾン・ドット・コムなどハイテク大手の決算発表も多く、このところ買われていたハイテク株などに利益確定売りが出た』との声も聞かれた。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落した。VIX指数は18.51から19.94へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇と米国株安によりドル買い優勢に

ドル/円は、アジア市場では129.21円まで売り込まれる場面もあったが、海外市場に入るとじりじりと下値を切り上げた。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが出たほか、米国株相場の下落を背景にリスク回避のドル買いが入った。アジア時間の高値130.29円を上抜けると一時130.57円まで上値を伸ばした。ウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者が29日、『米連邦準備理事会(FRB)当局者は労働市場が非常に逼迫しているため、ディスインフレが短命に終わるのではないかと不安を表明している』『賃金上昇や低い失業率がインフレを再び助長させるのかどうかを議論している』と報じ、ややタカ派的な見方を示したことも引き続きドル買いを促した。

 

ユーロ/ドルは、欧州市場ではスペインの1月消費者物価指数(CPI)速報値が予想を大幅に上回ったことで、欧州中央銀行(ECB)が大幅な利上げを継続するとの観測が高まり一時1.0914ドルと日通し高値を付けた。ただ、26日に付けた約9カ月ぶりの高値1.0929ドルがレジスタンスとして意識されると徐々に弱含む展開になった。NY市場に入ると、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たほか、米国株安を背景にリスク回避のドル買いが入った。市場では『月末が近づく中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売りのフローが観測された』との声が聞かれ、一時1.0839ドルと日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は続落:米FOMCを控えて利食い売り

NY原油先物市場は77.66ドル‐80.49ドルのレンジ相場となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に利食い売りが優勢で続落して引けた。NY午後にかけるとドル高が進んだことで、下げ幅を広げた。アジア市場の序盤で80.49ドルまで買われたが、まもなく反落し、ニューヨーク市場の終盤にかけて77.66ドルまで下げた。需要増加の思惑は後退し、ポジション調整的な売りが活発となったようだ。通常取引終了後の時間外取引で78ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は3日続落:米長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1936.20‐1950.10ドルのレンジ相場となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え様子見姿勢が強く方向感がなかったが、米債利回りが上昇していることもあり、金利のつかない金先物は小幅ながら3日続落して引けた。アジア市場で1950.10ドルまで買われ後、1936.20ドルまで反落。その後は下げ渋り、ロンドン市場で1946.60ドルまで戻した。ただ、ニューヨーク市場ではドルの値動きを意識した売りが強まり、1946.30ドルから1936.30ドルまで下げている。通常取引終了後の時間外取引では主に1938ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:欧州債売りに連れた売りが波及

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)4.29%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い3.54%で終了した。欧州中央銀行(ECB)が大幅な利上げを継続するとの観測を背景に欧州債相場が下落すると、米国債にも売りが波及した。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えたポジション調整目的の売りも出た。

 

米大統領と下院議長が会談するも債務上限の進展とは考えない:ユーラシア

バイデン大統領とマッカーシー下院議長が2月1日にホワイトハウスで会談する予定である。共和党が下院を奪還し、マッカーシー氏が議長に就任してからバイデン氏と会談するのは初の機会となる。ユーラシア・グループは30日付レポートで「この最初の会談が実質的な進展につながるとは考えていないが、今後の交渉についてホワイトハウスがどのようなメッセージを発するか注目したい」との見解を示した。リポートでは、今回の会談は米国人が政治的リーダーに対して期待する形式的なイベントのはずだが、年内に債務上限を引き上げる必要があり、共和党が他の政策譲歩のために法案を活用しようとする計画に直面し、そうするための明白な道筋がないため、会談は特に重要性を帯びていると指摘した。正式な話し合いを始める意思を示せば、債務上限に関する責任の一旦をマッカーシー氏からそらせることになるが、「代わりに交渉しないとの方針を固めれば、マッカーシー氏に民主党と話し合う前に、共和党を計画に沿って団結させる圧力がかかることになろう」と指摘。短期的な裁量支出削減や長期的な予算管理の支出の増加ペースを緩めるか、移民や支出に関する他の妥協が必要となる可能性がある」とし、政治に迅速な対応を求めていた。

 

モルガンとJPモルガンも株売り勧める

モルガン・スタンレーのストラテジストによると、株式相場上昇に群がる投資家は米連邦準備制度に真っ向から歯向かっているため、失望する結果になる公算が大きい。
マイケル・ウィルソン氏らストラテジストはリポートで『株式の好調を受けて多くの投資家が乗り遅れたと感じ始め、これがより積極的な参加を投資家に強いている』と分析した上で、『最近の値動きについて当社はむしろ、1月の季節的要因と昨年12月の厳しい終わり方とひどい1年の後のショートカバーを反映したものだと考えている』と説明した。現実には企業利益、特に利益率は予想より悪いと指摘。さらに『投資家はドント・ファイト・ザ・FED(金融当局と闘うな)という鉄則を忘れてしまったようだが、恐らく今週、思い出させられることになるだろう』ともコメントした。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ