FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米FRBの利上げ最終局面に近づきあるとの思惑

NYダウは254.07ドル高の33629.56ドル、ナスダックは223.98ポイント高の11364.41ポイントで取引を終了した。決算を警戒し、NYダウは寄り付き後は下落した。しかし、中国経済の活動再開を期待し世界経済への見通しが若干改善したため上昇に転じた。また、ウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者が「来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、労働力需要や支出、インフレがあとどれくらい鈍化すれば今春に利上げを一時停止できるか議論を開始する可能性がある」と伝えたことで、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが最終局面に近づきつつあるとの見方が強まり、株買いを誘った。指数は一時400ドル超上昇する場面があった。ハイテクの買戻しがさらに相場を支援し、主要株式指数は終日堅調に推移した。VIX指数は19.85から19.81へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:日米金利差拡大から円売り優勢に

ドル/円は、日銀が初めて5年物の『共通担保資金供給オペ(公開市場操作)』を実施すると、円債金利が低下し円を売る動きが終日優勢となった。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いも出て、前週末の高値130.61円を上抜けると一時130.89円まで上値を伸ばした。NY午後に入ると、米長期金利の上昇が一服した影響でドル円も伸び悩んだが、下押しは130.44円付近にとどまった。

 

ユーロ/ドルは、欧州市場では一時1.0927ドルと昨年4月以来約9カ月ぶりの高値を付けたものの、NY時間に入ると利食い売りなどが優勢となった。米長期金利の上昇に伴うドル買いも優勢となり、一時1.0846ドル付近まで下押しした。ただ、週明け早朝取引で付けた日通し安値1.0841ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。なお、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁はこの日、『0.50%の利上げガイダンスは引き続き合理的』と述べたほか、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は『欧州のインフレは高すぎる』『金利はなお大幅に引き上げる必要がある』と述べ、大幅利上げ継続の必要性を改めて強調した。

 

NY原油先物市場は3日ぶり反落:米長期金利の高止まりを意識した利食い売り

NY原油先物市場は81.05ドル‐82.64ドルのレンジ相場となった。米ゴールドマン・サックスが2023年はコモディティーの年になると予想し、原油市場については『ロシアの生産減少や、中国の経済再開による需要増を織り込んでいない』と指摘したことが伝わった。週明け買いが先行した原油先物は、約1カ月半ぶりの高値圏まで上昇した。しかしながら、一巡後は持ち高調整の売りに押されて上値を切り下げた。ロンドン市場の序盤に81.05ドルまで下げた後、ニューヨーク市場の前半で82.64ドルまで反発した。中国経済活動の再開で需要減少の懸念は後退しており、底堅い動きとなった。ただ、米長期金利の高止まりを意識した利食い売りも観測されており、通常取引終了後の時間外取引では82ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場はほぼ横ばい:米中長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1912.50‐1936.70ドルのレンジ相場となった。高値警戒感から伸び悩んでいたところに米・中長期金利が上昇すると、金利を生まない金は売り戻し優勢となった。ただ米金利への上昇圧力が緩むと、金も下値を切り上げた。アジア市場で1936.70ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて1912.50ドルまでじり安となった。ただ、ユーロ・ドルが下げ渋ったことを意識した買いも入っており、通常取引終了後の時間外取引では1928ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:複数の米国債入札控え需給悪化の警戒による売り

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)4.21%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い3.51%で終了した。今週予定されている2・5・7年債入札を前に、需給悪化を警戒した売りが優勢となった。米国株相場の上昇も安全資産とされる米国債の売りを誘った。

 

Fedウォッチは米利上げ0.25%を確実視:US Dashboard

1月31~2月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、米連邦準備理事会(FRB)高官が金融政策に関する情報発信を控えるブラックアウト期間に入った。FRB高官発言などから、同会合における利上げ幅は0.25%が確実視されており、市場の注目は3月以降の利上げペースに移っている。米金利先物の値動きから市場が織り込む利上げ予想を算出する『Fedウォッチ』では、さらなる利上げは0.25%程度にとどまり、23年中の利上げ転換が見込まれている。一方、FRBは金融引き締め姿勢を堅持しており、市場とギャップが生じている。今回のFOMCでは金融成句の先行きに関して、どのようなメッセージが発せられるか注目される。

 

ドル買い比率は3カ月ぶり低水準:前週のFX概況

QUICKが23日に算出した20日時点の外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、円に対するドルの買い比率は58.2%と前の週末から10.8ポイント低下した。2022年10月中旬以来およそ3カ月ぶりの低水準を付けた。日銀が18日まで開いた金融政策決定会合で現行の金融政策維持を決めたことを受け、円相場は一時1ドル=131.58円に急落した。ただ、その後は米経済指標の悪化などから127円台に戻しており『円相場の方向感を見極めたいとの動きからドルの買い持ち高を中立方向に戻す動きが出た』との見方から、持ち高調整目的の円買い・ドル売りが優勢になった。個人投資家は円相場の方向感を見極めたいとの動きから、ドル以外の通貨の取引でも買い持ち高を減らした。『ユーロ/円』取引の買い比率は前の週から6.6ポイント低下の30.0%、『ポンド/円』は同14.3ポイント低下の51.2%、『豪ドル/円』は同6.3ポイント低下し62.8%だった。

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