FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米景気後退懸念から売り優勢に

NYダウは391.76ドル安の33910.85ドル、ナスダックは15.96ポイント高の11095.11ポイントで取引を終了した。1月NY連銀製造業景気指数が予想外にパンデミックにより経済封鎖した20年5月来で最低に落ち込んだため景気後退懸念に売られ、寄り付き後は下落した。金融のゴールドマンサックスの低調な決算内容も重しとなりNYダウは終日軟調に推移した。終盤にかけ下げ幅を拡大した。一方、金利先高観の後退でハイテクの買戻しが続き、ナスダックは小幅高で終了した。VIX指数は19.49から19.36へ低下した。

 

NY外国為替市場:日銀の金融政策修正への思惑から円買い先行

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の1月独ZEW景況感指数が予想を上回ったことで、NY市場でもユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.0869ドルと日通し高値を付けた。ただ、前日に付けた昨年4月以来の高値1.0874ドルがレジスタンスとして働くと失速した。『欧州中央銀行(ECB)は2月の理事会では依然として0.50%利上げの公算が大きいものの、3月の理事会では利上げ幅を0.25%に縮小する道筋への支持が高まっている』との観測報道が伝わると、全般ユーロ売りが優勢となり一時1.0775ドルと日通し安値を更新した。

 

ドル/円は、『国債の元利払いに充てる国債費の増加を受けて、財務省は足元の長期金利を加味し利払い費の見積もりに使う10年債の想定金利を1.6%に引き上げた』との報道を受けて、明日の日銀金融政策決定会合を前に、金融政策修正への思惑が高まると円買い・ドル売りが先行した。1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が▲32.9と予想の▲8.7を大幅に下回ったことも相場の重しとなり、一時127.99円と日通し安値を更新した。その後の戻りも128.44円付近にとどまった。

 

NY原油先物市場は8日続伸:エネルギー需要への期待根強く買い優勢

NY原油先物市場は78.68ドルー81.23ドルのレンジ相場となった。為替市場でドルが対ユーロで強含み、ドル建ての原油は割高感が生じ、昨日まで7日続伸したこともあり利益確定売りに押される場面もあったが、エネルギー需要への期待が根強く、8日続伸して取引を終えた。石油輸出国機構(OPEC)が発表した月報では、中国の石油需要はコロナ規制緩和により回復し、世界需要の増加をけん引するとの見通しを示した。アジア市場で78.68ドルまで下げたが、ロンドン市場で80ドル台に上昇。ニューヨーク市場の前半にかけて81.23ドルまで一段高となった。通常取引終了後の時間外取引では81ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は4日ぶりに反落:ドル高・ユーロ安を意識した売り

NY金先物市場は1906.20-1931.80ドルのレンジ相場となった。ドルが対ドルで上昇し、ドル建ての金は利益確定の売りに押された。ただ、米金融引き締めの長期化懸念が後退し、金利を生まない金を買う意欲は根強く下値は限られた。米インフレ緩和への期待はあるものの、ユーロ安を意識して利食い売りが増えたことで反落し、通常取引終了後の時間外取引で1906.20まで下げている。

 

米国債券市場はまちまち:重要指標の発表を控えポジション調整の動き

米国債券市場で中期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)4.20%で終了した。また、長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)3.55%で終了した。明日の12月米小売売上高や12月米卸売物価指数(PPI)など重要指標の発表を前にポジション調整目的の売りが優勢となった。この日発表の1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ったことを受けて買いが強まる場面もあったが、反応は一時的だった。

 

12月のYCC修正は持続的な政策転換の始まりとみる:JPモルガン

JPモルガンは顧客を対象に毎週実施しているアンケート結果を公表した。日銀が12月の金融政策決定会合で長短金利操作(YCC)の許容変動幅を拡大したことについて、『持続的な政策転換の始まりである』との比率は86%となり、『一過性のもの』であるとした14%を大きく上回った。JPモルガン証券は金利上昇と円高がもたらす日本株への影響について、デフレ脱却が裏打ちされることでアウトパフォームする可能性が高いとみていた。

 

市場機能の低下変わらず:日銀は今日会合結果公表

日銀の国債購入が膨らんでいる。1月の購入額は17日時点で17兆1374億円となり、2カ月連続で過去最大を更新した。長期金利の上昇圧力が強く、0.5%程度とする上限以下に抑えるため、連日、大規模な買い入れに動いている。18日には金融政策決定会合の結果を公表する。三井住友信託銀行が起債を見送るなど、前回会合で政策修正の理由とした市場機能の低下には改善がみられていない。長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは17日、一時0.505%を付け、3営業日連続で日銀が設定する上限を超えた。日銀が国債を買い入れ、終値で0.5%に戻った。ただ、10年債近辺の利回りが8~9年利回りを下回るゆがみが顕著だ。その影響が、企業が資金を調達する社債市場に及んでいる。三井住友信託銀行は17日、準備していた10年物社債の起債を見送った。発行予定額は50億円程度で18日の起債を予定していた。一段の政策修正で債券価格が下落することを警戒し、投資家の社債への投資意欲も低い、オリエントコーポレーションも17日までに2年債と5年債の起債を延期した。

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