FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

キング牧師の誕生日で米国市場は休場

米国株式、NY原油先物市場、NY金先物市場、米国債券市場は休場

 

NY外国為替市場:米市場休場でポジション調整の売買中心

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが鈍化するとの見方や日銀の金融政策修正への思惑を背景に、アジア市場では一時127.23円と昨年5月下旬以来の安値まで値を下げた。ただ、欧州市場に入るとショートカバーが優勢となり、一時128.87円の本日高値まで持ち直した。NY市場では米国がキング牧師誕生日で休場となる中、市場参加者が少なく狭いレンジ取引に終始した。なお、日銀は17-18日に開く金融政策決定会合で、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を再び見直すとの思惑が浮上している。また、会合後に公表する『経済・物価情勢の展望』では2023-24年度の物価見通しを引き上げるとの見方がある。

 

ユーロ/ドルは、本日はNY市場が休場とあって、市場参加者が少なく1.08ドル台前半で動意が薄かった。

 

「政策変更の有無と理由」「物価見通し」に注目集まる:日銀会合

17~18日に日銀会合における政策変更の有無に関して、市場の見方は分かれている。12月の会合で長期金利の変動許容幅を拡大したばかりであり、経済や物価動向に目立った変化のない状況で、追加の変更は想定しにくい。黒田日銀総裁も会見で、長期金利の変動許容幅について「さらなる変動幅の拡大は必要ないし、今のところ考えていない」と述べている。仮に政策変更が行われれば、日銀総裁の発言に対する信頼が失われるだろう。一方、12月の会合以降、国債買い入れが急増しており、市場機能が一段と悪化したとの指摘は多い。日銀が本気で「市場機能の改善」を目指すなら、1月の会合で政策変更をしないと整合性が取れないとの声も聞かれる。政策変更の有無にかかわらず「その理由」が注目される。

政策変更の有無に加え「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」における物価見通しも注目されている。前回10月の展望リポートでは、消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く)の上昇率の見通しは、22年は2.9%、23年度は1.6%、24年度は1.6%だった。各メディアは22、23年度に関して小幅の上方修正、24年度の見通しでは2%近い水準に引き上げる可能性があると報じている。日銀はこれまで物価上昇は「一時的」として、金融緩和策を維持してきた。中長期的に2%程度の物価上昇が維持されるとの見通しが示されれば、本格的な政策転換の思惑が広がる可能性もある。

 

欧州ガス指標は良好な供給見通しから1年4ヵ月ぶり安値

欧州の天然ガス指標価格は、供給見通し改善を手掛かりに売りが加速、2021年9月以来の安値に下落した。中国のガス在庫が十分な量となり、同国のガス輸入業者は購入分を欧州へ振り向けざるを得ない状況だ。16日の取引で指標の天然ガス先物価格は一時15%安となった。年初来これまでに27%値下がりしている。輸入業者は中国でのガス価格が下落し、在庫が積み上がっていることから、2月と3月の出荷分を欧州へ回そうと試みている。中国の経済再開が需要を押し上げ、欧州から中国へガスが流れていくとの懸念は緩和された。
エネルギー価格が記録的に高騰し、各国経済に打撃を与えた激動の2021年を経て、今年のガス相場は落ち着きを取り戻しつつある。インフレが減速し始め、リセッション(景気後退)不安も後退する中で、最悪期を脱した可能性があるとの楽観的な見方も欧州で浮上している。これは長期にわたる暖冬が大きな要因である。気象予報によれば、欧州では今週は寒波が見込まれているものの短期的な寒さで終わり、ガス在庫を大幅に減らすほどではなさそうだ。欧州ガス在庫は需要が抑制されている一方で液化天然ガス(LNG)の輸入が順調なことから、この1カ月ほとんど手つかずとなっている。

 

今週は4Q米企業決算発表と米12月PPIなどの経済指標に注目

NY市場は本格化する第4四半期決算発表と米12月生産者物価指数(PPI)などの経済指標に注目。先週は注目された米12月消費者物価指数(CPI)が予想通り鈍化したことなどで米連邦準備理事会(FRB)による利上げの減速期待が高まった。米10年債利回りの低下も追い風に昨年に大きく下落したハイテク・グロース株を中心に買い戻しが強まり、ナスダック総合は4.8%高と大幅に2週続伸した。3連休明けの17日にゴールドマン・サックス、モリガン・スタンレー、ユナイテッド・エアラインズが発表されるほか、18日にプロロジス、チャールズ・シュワブ、19日にプロクター&ギャンブル(P&G)、ネットフリックス、20日にSLB、ステート・ストリートなどが発表予定で、決算やガイドラインが注目される。経済指標ではインフレ動向を巡り18日の米12月PPIが注目されるほか、12月小売売上高、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、12月住宅着工件数、12月中古中タウ販売件数などが発表される。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ