FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:1年期待インフレ率の大幅低下を好感し買い

NYダウは112.64ドル高の34302.61ドル、ナスダックは78.05ポイント高の11079.16ポイントで終了した。銀行の最高経営責任者(CEO)が軽度の景気後退を想定していると慎重な見通しを示したため警戒感から売られ、寄り付き後は大きく下落した。その後発表された1月ミシガン大消費者信頼感指数速報値が予想以上に改善したため景気への悲観的見方が後退し下げ止まった。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策決定する上で注視している同指数の1年期待インフレ率が大幅に低下したため金利先高観がさらに後退しハイテクが買われ相場をプラス圏に押し上げた。終盤にかけ上げ幅を拡大し終了した。VIX指数は18.83から18.35へ低下した。

 

NY外国為替市場:日銀の金融政策修正の思惑から円買い優勢に

ドル/円は、日銀の金融政策修正への思惑を背景に、この日も円を買う動きが続いた。米インフレ減速で米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが鈍化するとの見方も引き続き相場の重しとなり、一時127.46円と昨年5月以来の安値を更新した。米ミシガン大学が発表した1月消費者態度指数(速報値)は64.6と予想の60.5を上回ったものの、併せて発表された1年先の期待インフレ率が4.0%と予想の4.3%を下回り2021年4月以来の低水準となったこともドル売りを誘った。なお、日銀は17-18日に開く金融政策決定会合で、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を再び見直すとの思惑が浮上している。また、会合後に公表する「経済・物価情勢の展望」では2023-24年度の物価見通しを引き上げるとの見方がある。

 

ユーロ/ドルは、米インフレ鈍化でFRBが利上げペースを緩めるとの見通しが強まる中、アジア市場では一時1.0868ドルと昨年4月以来の高値を付けた。ただ、NY市場に入るとダウ先物の下落などを背景にリスク回避のユーロ売り・ドル買いが入り一時1.0781ドルと日通し安値を付けた。米国の3連休を控えた週末とあって、ポジション調整目的の売りも出た。もっとも、前日の安値1.0731ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。ミシガン期待インフレ率の下振れも相場の下支えし、1.0839ドル付近まで下げ渋った。 

 

NY原油先物市場は7日続伸:中国の需要期待から買い優勢に

NY原油先物市場は77.97ドル-80.01ドルのレンジ相場となった。中国の新型コロナ規制緩和を背景とした、同国の需要増期待が引き続き原油相場を支えた。アジア市場で77.97ドルまで下げたが、ロンドン市場で79ドル台に上昇した。ニューヨーク市場ではドル安を意識した買いが優勢となり、通常取引終了後の時間外取引で80.01ドルまで買われた。 

 

NY金先物市場は3日続伸:米利上げペースの鈍化を意識する買い優勢

NY金先物市場は1895.10-1925.30ドルのレンジ相場となった。昨年4月以来の高値水準まで上値を伸ばした。米利上げペースの鈍化が意識されるなか、金利を生まない金への投資が見直され、この日も堅調に推移した。アジア市場で1895.10ドルまで下げた後、米インフレ緩和への期待が高まっていることから、ニューヨーク市場で1925.30ドルまで上昇した。ただ、利食い売りが増えたことで上昇一服となり、通常取引終了後の時間外取引では主に1924ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反落:連休控えポジション調整の売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)して終了した。米2年物国債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)4.21%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い3.50%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの見通しが強まる中、債券買いが先行したものの、NY午後に入ると下落に転じた。米国の3連休を控えた週末とあって、ポジション調整目的の売りが出たようだ。 

 

今週の日本株見通し:日銀金融政策会合を意識した展開

17~18日に日銀金融政策決定会合が開催される。12月会合では、不意打ちの金融政策修正があったことで、日銀に対する信認が大きく揺らいだ。12月では長期金利の許容変動幅をプラスマイナス0.5%程度まで拡大することが決まったが、足元の金利はその上限水準で推移しており、再度の修正を余儀なくされるのではとの警戒感も強い。2会合連続で金融政策の修正や変更があれば株式市場は混乱するし、現状維持であったとしても、政策不透明感はくすぶる。米国では金融株などを中心に決算が公表されるほか、経済指標の発表も多くなる。足元では、米国のインフレに対する警戒が大きく後退しており、これらを確認することはグローバル市場には安心材料になると思われる。ただし、日本株は日銀リスクが強く意識され、弱い材料に敏感に反応する地合いが続きそうである。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ