FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:米FRBの利上げペース緩和期待から買い優勢

NYダウは216.96ドル高の34189.97ドル、ナスダックは69.44ポイント高の11001.11ドルで終了した。12月米消費者物価指数(CPI)が市場予想通り前月から鈍化したことが伝わると、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの見通しが強まった。米金融引き締めが長期化するとの懸念も和らぎ、買い安心感につながった。VIX指数は21.09から18.83へ低下した。20割れとなったのは12月5日以来となった。

 

NY外国為替市場:米FRBの利上げペースの鈍化観測からドル売り

ドル/円は、アジア時間に伝わった『日銀は17-18日に開く金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策に伴う副作用を点検する』との観測報道を受けて、日銀が政策を修正するとの思惑が高まった。NY勢参入後も円買いの流れが継続した。注目の12月米消費者物価指数(CPI)は前年比6.5%上昇、コア指数が前年比5.7%上昇とほぼ市場予想通りの結果となった。米インフレが落ち着きつつあることが確認され、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの観測が強まった。指標発表直後は131.20円付近まで買い戻される場面もあったがすぐに失速し、一時128.87円と昨年6月1日以来約7カ月ぶりの安値を更新した。 

 

ユーロ/ドルは、米重要指標の発表を控えて、しばらくは1.07ドル台半ばでのもみ合いが続いていたが、米CPIの結果が伝わると一時1.0731ドルと日通し安値を付けた。ただ、下押しは限定的だった。市場では『米インフレの鈍化は予想されていたが、重要イベントを無難に通過し、改めてドル売りが優勢になった』との声が聞かれ、1.0867ドルと昨年4月以来の高値を更新した。米長期金利の指標である米10年債利回りは一時3.4199%前後と約1カ月ぶりの低水準を付けた。このところ欧州中央銀行(ECB)高官による利上げ継続の必要性を強調する発言が目立っており、ユーロ買いが入りやすい面もあった。ユーロ/ポンドは一時0.8896ポンドと昨年9月以来の高値を付けたほか、ユーロ/スイスフランは一時1.0080スイスフランと昨年6月以来の高値を更新した。 

 

NY原油先物市場は6日続伸:米長期金利低下とドル安を好感

NY原油先物市場は77.10ドル-79.16ドルのレンジ相場となった。米インフレ鈍化が確認されたことで利上げへの警戒感が緩んだことが買い材料視された。中国からの需要増期待も引き続き相場を押し上げた。アジア市場で77.10ドルまで下げたが、ロンドン市場で78ドル台に上昇した。ニューヨーク市場では米長期金利の低下やドル安を受けて、79.16ドルまで一段高となった。通常取引終了後の時間外取引では主に78ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は続伸:米利上げ期待が後退したことで買い優勢に

NY金先物市場は1872.40-1906.50ドルのレンジ相場となった。4月下旬以来、約8カ月ぶりの高値を更新した。12月米消費者物価指数(CPI)が鈍化したことで米利上げ期待が後退し、金利を生まない金に対する需要が高まった。ニューヨーク市場の序盤で1872.40ドルまで下げた後、米インフレ緩和を受けて1906.50ドルまで上昇した。ただ、利食い売りが増えたことで1882.80ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に1900ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場は続伸:米FRBが利上げペースを緩めるとの見通しから買い

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.09%低い(価格は上昇)4.12%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.10%低い3.44%で終了した。12月米消費者物価指数(CPI)が市場予想通り前月から鈍化したことが伝わると、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの見通しが強まった。米金融引き締めが長期化するとの懸念も和らぎ、債券買いを誘った。利回りは一時3.4199%前後と約1カ月ぶりの低水準を付けた。 

 

米CPIは市場予想通り鈍化へ:US Dashboard

12日に発表された12月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比+6.5%と市場予想の+6.5%に合致した。6ヵ月連続で伸び率は鈍化し、1年1カ月ぶりに7%を割り込んだ。『瞬間風速』を示す前月比は横ばいの0.0%予想に反して-0.1%低下した。前月比でマイナスとなるのは20年5月以来2年半ぶりである。内訳では、ガソリン価格が前月比で-9.4%下落し、11月の-2.0%下落から下げを加速したことが効いた(前年同月比では+0.4%の上昇)。中古車・トラックも前月比で-2.5%下落した(前年同月比では-8.8%の大幅下落)。食品価格も前月比+0.3%上昇と11月の+0.5%上昇から鈍化した。一方、CPIの約3分の1を占める住居費は前月比+0.8%上昇と11月の+0.6%上昇から加速した。(前年同月比では+7.5%上昇)。

 

米失業保険申請件数は予想外の減少

12日に発表された1月1~7日の週間の米新規失業保険申請件数は20万5000件と市場予想の22万件を下回った。予想に反しての前週比1000件減で、2週連続で減少した。4週間移動平均でも21万2500件と前週比で1750件減少し、減少傾向が維持された。しかし、調整前の実数では33万9286件と前週比で6万799件増加しており、年明けの季節変動による調整の難しさを反映している。2022年12月25~31日の週の総受給者数は163万4000人と前週比で6万3000人減少した。総受給者は9月から増加基調にあったが、2週連続で減少した。

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