FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:米国のインフレピーク期待から買い優勢に

NYダウは268.91ドル高の33973.01ドル、ナスダックは189.04ポイント高の10931.67ポイントで取引を終了した。12月消費者物価指数(CPI)でインフレピーク達成が証明されるとの期待に買われ、寄り付き後は上昇した。また、ソフトランディング期待を受けた買いも手伝い、終日堅調に推移した。その後、ボストン連銀のコリンズ総裁が12月連邦公開市場委員会(FOMC)での一段の利上げペース減速支持に傾斜しているとの報道で長期金利が一段と低下するとハイテクの買戻しが加速した。終盤にかけて、上げ幅を拡大して終了した。VIX指数は20.58から21.09へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米12月CPI発表を控えドルは全般もみ合い相場

ユーロ/ドルは、前日のシュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事に続き、本日はビルロワドガロー仏中銀総裁やレーン・フィンランド中銀総裁が利上げ継続の必要性を強調したため、全般ユーロ買いが先行した。欧米株価の上昇が投資家のリスク選好意欲を強め、ユーロ買い・ドル売りを誘った面もあった。前日の高値1.0759ドルや9日の高値1.0761ドルを上抜けると、一時1.0776ドルと昨年6月以来約7カ月ぶりの高値を更新した。ただ、明日の12月米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて、金融政策に影響を与えるインフレ動向を確認したい投資家は多く、積極的に上値を試す展開にはならず、1.0736ドル付近まで伸び悩む場面があった。 

 

ドル/円は、欧米株価の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いが出て一時132.87円と日通し高値を付けた。ただ、米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りが入ると伸び悩んだ。前日はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で金融政策について踏み込んだ発言をしなかった。米利上げが長期化するとの懸念が和らいだこともドルの重しになった。 

 

NY原油先物市場は5日続伸:中国での経済再開期待から買い優勢に

NY原油先物市場は74.31ドル-77.84ドルのレンジ相場となった。中国での新型コロナ規制撤廃で経済再開期待から買いが優勢となった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計で原油・ガソリンともに大幅な積み増しとなったが、市場の反応は鈍かった。アジア市場で74.31ドルまで下げたが、ロンドン市場で75ドル台を回復した。ニューヨーク市場では米長期金利の低下や株高を受けて需要増加の思惑が強まり、77.84ドルまで一段高となった。通常取引終了後の時間外取引でも77ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は小反発:米長期金利低下を好感した買い

NY金先物市場は1870.90-1890.90ドルのレンジ相場となった。中国のゼロコロナ政策緩和を受けて、金消費大国である同国の需要増を期待した買いが入った。半面、上値では利食い売りが出るなど買いは続かなかった。ロンドン市場の序盤で1890.90ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では利食い売りが優勢となり、一時1870.90ドルまで下げた。ただ、米長期金利の低下を意識した買いが入ったことで1880ドル台を回復し、通常取引終了後の時間外取引では1880ドルを挟んだ水準で推移し、下げ渋った。 

 

米国債券市場は反発:米利上げの長期化懸念が後退した買い

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)4.21%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%低い3.54%で終了した。12月米消費者物価指数(CPI)の発表を明日に控える中、インフレ緩和により米利上げが長期化するとの懸念が後退し債券買いが優勢となった。

 

次回FOMCでは25bp利上げがコンセンサス:US Dshboard

米ボストン連邦準備銀行のロリンズ総裁は、1月31日~2月1日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ幅について『25bpないしは50bpが妥当と考えるが、私自身は現時点で25bpに傾いている」と米紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューで述べた。米金利先物の値動きから市場が織り込む利上げ予想を算出する『Fed ウオッチ』では25bp利上げして政策金利の誘導目標が『4.50%~4.75%』となる確率が77%となっている。12日発表の12月の米消費者物価指数(CPI)が上振れしなければ、25bpの利上げがコンセンサスになりそうだ。

 

12営業日連続売買代金3兆円割れ:日銀会合に警戒感

日本株の売買にこう着感が出ている。11日までに東証プライム市場の売買代金は12営業日連続で3兆円を下回り、11日の日経平均株価の日中値幅(高値と安値の差)も今年に入り最小となった。来週に日銀の金融政策決定会合を控え、投資家の様子見姿勢が強まっている。

22年12月の前回会合では政策を据え置くという市場予想に反して『サプライズ』で事実上の利上げに踏み切り、日本株は急落した。市場では、「国内物価にも上昇圧力がかかり一段の政策修正に踏み切るとの警戒感がくすぶるなか、当面は積極的に買いにくい地合いが続く」との見方もある。

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