FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:複数の連銀メンバーのタカ派発言を嫌気

NYダウは112.96ドル安の33517.65ドル、ナスダックは66.36ポイント高の10635.65ポイントで取引は終了した。主要株価指数は続伸して取引を開始した。グロース主導で上昇し、正午付近にはナスダック指数が2%以上上昇する場面もあった。しかし、先週の12月の雇用統計とISM非製造業景況指数を受けてFEDのピボット(政策転換)への期待が高まり、株式市場がラリーしているのを警戒してか、複数の連銀メンバーがタカ派色の強いコメントを出すと午後には失速した。VIX指数は21.13から21.97へ上昇した。

 

NY外国為替市場:FRBの金融引き締め長期化への懸念後退でドル売り

ユーロ/ドルは、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締め長期化への懸念が和らぐ中、全般ドル売りが先行。欧州株相場の上昇を背景にリスク選好のドル売りも出た。米ニューヨーク連銀が発表した12月の消費者期待調査で、1年先のインフレ期待が5.0%と前回の5.2%から低下し、2021年7月以来の低水準を記録すると、米10年債利回りが3.50%台まで低下した。全般ドル売りが活発化し、一時1.0761ドルと昨年6月以来約7カ月ぶりの高値を付けた。 

 

ドル/円は、欧州時間に一時132.66円と日通し高値を付けたものの、NY勢参入後は上値の重さが目立った。NY連銀が発表した1年先のインフレ期待が21年7月以来の低水準を付けたことが分かると、米10年債利回りの低下とともにドル売りが優勢になり、131.54円付近まで下押しした。 

 ブラジルレアルは軟調だった。対ドルでは一時5.30レアル台まで下落したほか、対円では24.84円付近まで値を下げた。ブラジルでは8日、大統領選の結果を不満とするボルソナロ前大統領の支持者らが議会や大統領府などを襲撃する事件が発生。政治リスクを警戒する売りが広がった。

 

NY原油先物市場は3日続伸:中国のゼロコロナ政策撤廃を好感した買い

NY原油先物市場は73.47ドル-76.74ドルのレンジ相場となった。中国のゼロコロナ政策撤廃を背景に原油需要を意識した買いが優勢となった。一方、上値では利食いが出るなど、一巡後は伸び悩んだ。アジア市場の序盤で73.47ドルまで下げたが、中国株高を好感して76ドル台に上昇した。ニューヨーク市場の中盤にかけて76.74ドルまで一段高となった。ただ、利食い売りが増えたことで上げ幅は縮小した。通常取引終了後の時間外取引では主に74ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は続伸:ドル安を意識した買い優勢に

NY金先物市場は1869.30-1886.40ドルのレンジ相場となった。外国為替市場でユーロに対してドル安が進んだ影響から、ドル建てで取引される金に買いが入った。アジア市場の序盤で1869.30ドルまで下げた後、1880ドル台まで上昇した。ロンドン市場ではドル高を意識して上げ渋ったが、ニューヨーク市場でユーロ高・ドル安に振れたことから、一時1886.40ドルまで買われた。ただ、利食い売りが増えたことによって1873.60ドルまで下げており、通常取引終了後の時間外取引では1880ドル近辺で上げ渋った。 

 

米国債券市場は続伸:FRBの金融引き締め長期化懸念が後退

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い3.53%で終了した。NY連銀が発表した1年先のインフレ期待が2021年7月以来の低水準を付けたことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの観測が後退し、債券買いが進んだ。

 

ISM非製造業指数が急低下して50割り込む:US Dashboard

米サプライズマネジメント協会(ISM)が6日発表した2022年12月の米非製造業景況感指数は49.6と11月の56.5から急低下し、2年7ヵ月ぶりに好不況の節目である50を割り込んだ。製造業に続いて堅調だった非製造業も50を割り込み、米国の企業活動の悪化が鮮明になった。

 

世界の主要株価指数の4つの重要サイクルが集中:SMBC日興

SMBC日興証券の6日リポートで、2023年は米国景気の悪化が見込まれることから、米国株についても『昨年に続き、厳しい状況が続く公算が大きい』とみた。NYダウについて、22年12~1月は重要な天底に影響を繰り返している243カ月サイクルをはじめ、世界の主要株価指数に共通の84カ月サイクル、122カ月、485カ月サイクルなど4つの重要サイクルが集中していることから、大きな基調変化が生じる可能性があると指摘した。景気状況などを勘案した上で、「このまま急激に下落して早期に下げのエネルギーを出し切るような展開は考えにくい』とし、「この1月中に適度な調整を交えて中間反騰が延長するか、もしくは1月を境に下落圧力が強まって、その後に下げが拡大するか、いずれかの道筋をたどる公算が大きい」との見方を示した。

日経平均株価について2022年11月で戻り天井を打ち、大発会での下げで9月安値を割り込んで、22年8月からの調整が継続していることが確認されたと指摘した。2万5710円処から2万5100円処のサポートまでで下げ止まることで、21年9月以来の持ち合い相場が「辛うじて継続する」とした一方、その後の反騰が2450円幅を超えられずに頭打ちとなることで、2段目の下落は同へ移行することが「避けがたくなろう」とも見込んだ。

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