★米国株式市場は大幅反発:米長期金利が大幅低下すると買い強まる
NYダウは700.53ドル高の33630.61ドル、ナスダックは264.05ポイント高の10569.29ポイントで取引を終了した。12月雇用統計が労働市場の過熱緩和を示唆したため金利先高観が後退し寄り付き後は上昇した。また、12月ISM非製造業景況指数が予想外にパンデミック以来の活動縮小域に落ち込んだため金利ピークの思惑に長期金利が一段と低下すると、ハイテク株の買いも強まり、株式相場全体を一段と押し上げた。また、ドル安で企業収益回復期待も広がり終盤にかけて一段高となり終了した。VIX指数は22.46から21.13へ低下した。
★NY外国為替市場:米金利低下とともにドル売りが優勢
ドル/円は、前日の12月ADP全米雇用報告など、今週発表の米雇用指標が良好な内容となったことを受けて、この日も米長期金利の上昇とともにドル買いが先行した。アジア時間に伝わった『日銀はイールドカーブコントロール(YCC)の再修正は急がない。12月決定の影響と効果を見極める』との報道も相場の支援材料となり、一時134.77円と日通し高値を更新した。ただ、米労働省が発表した12月米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比22.3万人増と予想の20.0万人増を上回ったものの、平均時給が前月比0.3%/前年比4.6%と予想の前月比0.4%/前年比5.0%を下回ったことが伝わると一転下落した。賃金インフレの減速が確認され、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの懸念が和らいだことで、米金利の低下とともにドル売りが優勢となった。その後発表の12月米ISM非製造業指数が予想を大きく下回り、好況と不況の分かれ目とされる50を割り込んだこともドル売りを促し、一時132.00円まで値を下げた。米長期金利の指標である米10年債利回りは3.74%台から3.54%台まで大幅に低下した。
ユーロ/ドルは、前日までに発表された米経済指標が軒並み良好な内容だったことから、この日もドル買いが先行した。NY序盤には一時1.0484ドルと日通し安値を更新した。ただ、12月米雇用統計で平均時給が予想を下回り、12月米ISM非製造業指数が低調だったことが伝わると、米金利の低下とともにドル売りが活発化し、一時1.0648ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.87まで低下した。
★NY原油先物市場は続伸:ドル売り強まり割安感から買い優勢に
NY原油先物市場は73.24ドル-75.47ドルのレンジ相場となった。外国為替市場でドル売りが進んだことに伴い、ドル建てて取引される原油の割安感が意識された。一時は75.47ドルまで上昇した。もっとも、弱いISM非製造業指数などを受けて米国の景気後退懸念も意識されたため、引けにかけては上げ幅を縮小した。米雇用統計発表前に73.24ドルまで売られたが、雇用統計の改善を好感して一時75.47ドルまで買われた。しかしながら、その後発表された12月ISM非製造業景況指数の低下を受けて利食い売りが強まり、73.25ドルまで売られた。通常取引終了後の時間外取引では主に73ドル台で推移した。
★NY金先物市場は反発:米長期金利の低下とドル安を好感した買い
NY金先物市場は1835.20-1875.20ドルのレンジ相場となった。外国為替市場でドル売りが進んだことを受け、ドル建てで決済される金の割安感に着目した買いが入った。また、米長期金利が大幅に低下したことも金利がつかない金の買いを誘った面がある。アジア市場の序盤で1835.20ドルまで下げた後、1845ドル近辺まで反発。ドル高を意識して上げ渋ったが、米長期金利の低下やドル安を好感した買いが強まり、一時1875.20ドルまで上昇。通常取引終了後の時間外取引では1870ドルを上回る水準で推移した。
★米国債券市場は大幅反発:FRBによる金融引き締め長期化への懸念後退
米国債券市場で中長期ゾーンは大幅反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.18%低い(価格は上昇)4.28%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.16%低い3.56%で終了した。12月米雇用統計では賃金インフレの減速が確認されたほか、12月米ISM非製造業指数は予想を大きく下回り、好況と不況の分かれ目とされる50を割り込んだ。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締め長期化への懸念が和らぎ、債券買いが優勢となった。
★米国の景気後退懸念強まる
米12月ISM非製造業景況指数は49.6と、予想外に50を割り込んだ。活動の縮小を示す50割れはパンデミックによる経済封鎖直後の20年5月来で初めて。景気後退懸念が強まった。米11月製造業受注は前月比-1.8%と、7月来のマイナスに落ち込んだ。パンデミック直後の20年4月来で最大の伸び鈍化。耐久財受注改定値は前月比-2.1%と、速報値から修正無し。国内総生産(GDP)の算出に用いられる製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)改定値は前月比-0.1%でやはり速報値から修正はなかった。
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