FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:金融引き締めの長期化懸念から売り優勢

NYダウは339.69ドル安の32930.08ドル、ナスダックは153.52ポイント安の10305.24ポイントで取引を終了した。12月ADP全米雇用報告など、この日発表の米経済指標が軒並み予想を上回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの懸念からハイテク株などに売りが広がった。指数は一時450ドル超下げた。VIX指数は 20.01から22.46へ上昇した。

 

NY外国為替市場は良好な米経済指標受けドル買い優勢に

ドル/円は、12月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が23.5万人増と予想の15.0万人増を上回ったことが分かると全般ドル買いが先行した。その後発表された11月米貿易収支や前週分の米新規失業保険申請件数などが予想より強い結果となったこともドル買いを促し、一時134.05円まで上値を伸ばした。ただ、134円台では戻りを売りたい向きも多く、徐々に上値が重くなった。ブラード米セントルイス連銀総裁の『インフレは依然として高すぎるが、緩やかになっている』『2023年にはインフレが緩和するだろう』との発言が『タカ派色を弱めた』と受け止められたこともドルの重しとなり、一時132.96円付近まで下押しした。

 

ユーロ/ドルは、しばらくは1.0600ドルを挟んだもみ合いの動きが続いていたが、良好な米経済指標が相次ぐと、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。1時前に一時1.0515ドルと日通し安値を更新した。ただ、ブラード氏の発言を受けて米長期金利が上昇幅を縮めると1.0543ドル付近まで下げ渋った。

 

NY原油先物市場は3営業日ぶりに反発:続落後の押し目買いが優勢

NY原油先物市場は72.46ドル-74.92ドルのレンジ相場となった。昨日まで大きく値を下げていた後とあって買い戻しが先行。米最大級のコロニア・パイプラインがメンテナンスで一時稼働停止となっていることも買いを誘った。ロンドン市場の序盤にかけて74.92ドルまで買われた後、ニューヨーク市場で72.46ドルまで反落した。ただ、米雇用関連指標の改善を意識した買いも観測されており、74.91ドルまで反発し、取引終了後の時間外取引では主に73ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は5営業日ぶりに反落:ドル高と米長期金利上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1829.90-1864.30ドルのレンジ相場となった。外国為替市場でドル買いが進んだことを受け、ドル建てで決済される金の割高感が意識された。また、米長期金利が上昇したことも金利がつかない金の重しになった。アジア市場の序盤で1864.30ドルまで買われたが、ドル高を意識した売りが強まり、ニューヨーク市場の中盤にかけて1829.90ドルまで反落した。その後、1842.50ドルまで戻したが、通常取引終了後の時間外取引では主に1840ドルを下回る水準で推移した。 

 

米国債券市場は下落:良好な米経済指標結果を受け売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。で米2年物国債利回りは前営業日比0.12%高い(価格は下落)4.46%終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い3.72%で終了した。この日発表の米経済指標が軒並み予想を上回ったことで、米利上げが長期化するとの見方から債券売りが進んだ。ただ、ブラード米セントルイス連銀総裁から『インフレは依然として高すぎるが、緩やかになっている』『2023年にはインフレが緩和するだろう』との発言が伝わると、買い戻しが進み下げ幅を縮めた。

 

12月ADPは強い成長に沿ったもの:ゴールドマン

昨日発表された22年12月ADPの全米雇用リポートで民間部門の就業者数が23万5000人増となり、市場予想の14万4000人増を上回った。ゴールドマン・サックスは5日のレポートで『サービス業の雇用は、レジャー・サービス業の12万3000人増にけん引されて21万3000人増となった。11月分は5万5000人増の18万2000人増に上方修正された』との見解を示した。ただ、ADPが労働市場の強い成長に沿ったものとしながらも、6日の12月雇用統計の非農業部門の新規雇用者数(NFP)予想は22万5000人増で据え置いた。市場予想の20万人増は上回るが、前月の26万3000人増からは鈍化するとの見立てだった。

 

米失業保険申請件数は市場予想を下回る:US Dashboard

5日に発表された2022年12月15~31日の週間の米新規失業保険申請件数は20万4000件と市場予想の23万件を下回った。前週比で1万9000件減少し、22年9月以来3ヵ月ぶりの低水準となった。4週間移動平均も21万3750件と前週比で6750件減り、米労働市場がなおひっ迫していることが示された。一方、調整前の申請件数は27万5552件と前週比で5703件増加した。12月18~24日の週の総受給者数は169万4000人と前週比で2万4000人減少したが、9月以降の増加基調は維持されている。

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