FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反発:欧州株に連れた買い優勢に

NYダウは133.40ドル高の33269.77ドル、ナスダックは71.78ポイント高の10458.76ポイントで取引を終了した。中国の経済活動の正常化への期待やユーロ圏のインフレ指標鈍化を背景に、欧州株相場が大幅に上昇すると米国株にも買いが波及した。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月13-14日分)公表後に下げに転じる場面もあったが、反応は一時的だった。VIX指数は22.90から22.01へ若干低下した。

 

NY外国為替市場:良好な米労働指標を受けドル買い優勢に

ドル/円は、欧州株相場が大幅に上昇したことでリスク選好による円売りが先行した。12月米ISM製造業景気指数は48.4と予想の48.5を若干下回ったものの、11月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数が1045.8万件と予想の1005.0万件を上回ったことも相場の支援材料となった。ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円売りのフローも観測された。米連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月13-14日分)で「インフレリスクを重要なファクターとして認識」「利上げ減速によって、引き締め姿勢が緩んだとみられることを警戒」「引き続き、FF金利の継続的な引き上げが適切」との見解が示されたこともドル買いを促し、一時132.72円まで上値を伸ばした。 

 

ユーロ/ドルは、NY市場に限れば1.0600ドルを挟んだもみ合いに終始した。欧米株高に伴うユーロ買い・ドル売りが入った半面、良好な米労働指標を手掛かりにユーロ売り・ドル買いが出たため相場は方向感が出なかった。 

 

NY原油先物市場は大幅続落:世界的な景気悪化懸念から売り優勢に

NY原油先物市場は72.73ドル-77.42ドルのレンジ相場となった。中国で新型コロナウイルス感染再拡大への懸念が広がるなか、同国の景気減速懸念を背景にした売りが先行した。また、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ長期化思惑が強まっていることも景気悪化につながるとして、相場の重しになった。一時72.73ドルまで下落し、5%超の大幅安となった。アジア市場の前半で77.42ドルまで戻したが、ポジション調整的な売りが強まり、ロンドン市場の前半で75ドルを下回った。その後75ドル台前半まで戻したが、ニューヨーク市場において世界経済の減速を警戒した売りが再び強まり、一時72.73ドルまで一段安となった。通常取引終了後の時間外取引では主に73ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は4日続伸:ドル高で上げ幅縮小

NY金先物市場は1842.00-1871.30ドルのレンジ相場となった。外国為替市場でドル売りが進んだことを受け、時間外取引ではドル建てで決済される金の割安感に着目した買いが入った。もっとも、その後は利益確定売りなどに押されて上げ幅を縮小した。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の内容を見極めたいとの思惑も広がるなか、持ち高を傾けにくくなった。アジア市場の序盤で1842.00ドルまで下げたが、米長期金利の伸び悩みを受けてロンドン市場で1871.30ドルまで一段高となった。ただ、ニューヨーク市場の中盤にかけてドル高が進行したため、上げ幅は縮小した。通常取引終了後の時間外取引で1853.00ドルまで反落した。 

 

米国債券市場は上昇:欧州債買いに連れた買い優勢に

米国債市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)米2年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)4.34%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い3.68%で終了した。ユーロ圏のインフレ圧力が緩和するとの観測から欧州債相場が上昇すると、米国債にも買いが波及した。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月13-14日分)公表後に債券売りが強まる場面もあったが、反応は一時的だった。 

 

米12月ISM製造業景況指数は50割れ

米12月ISM製造業景況指数は48.4と、11月49.0から予想以上に低下し、2カ月連続で50割れとなった。特に支払い価格は39.4と、3カ月連続の50割れで、さらに、9カ月連続で低下。低下は1974-75年来で最長となる。

 

12月FOMCでは利上げ規模について選択肢を残す:ゴールドマン

米連邦準備理事会(FRB)が4日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(ミニッツ、12月13~14日開催分)を公表した。この中で「23年中の利下げを想定する参加者は1人もいなかった」との見解が示され、市場の利下げ期待がけん制された。ゴールドマン・サックスは4日付のリポートで「ミニッツでは利下げ幅を会合ごとに決定するとの見解が示され、今後の会合での利上げ規模について選択肢を残していた。我々は、2月FOMCで利上げペースを25bpに減速するとの予想を維持する」との見解を示した。リポートでは、23年中に利下げを行うことが適切だと予想する参加者は『いない』と記されたことについて「参加者は最近のインフレ軟化を歓迎したが、『実質的なさらなる証拠』が必要だと強調した」とも指摘。また、ミニッツで「金融情勢の不当な緩和は物価安定を回復するためのFOMCの努力を複雑にするだろう」と注意を促したことも着目したが、「会合までの間に起きた金融情勢の緩和に対する懸念は表明していない」とし、足元の株高を明確にけん制しなかったことにも関心を寄せていた。

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