FITS エコノミックレポート

★米国株式市場は下落：景気後退の高まりから売り優勢に

NYダウは10.88ドル安の33136.37ドル、ナスダックは79.50ポイント安の10386.99ポイントで終了した。朝方は買い優勢で取引を開始したが、景気後退懸念が高まる中で買いは続かず、寄り付き後まもなくマイナスに転じた。アップルが製品需要の鈍化を受けて部品供給業者に生産削減を要請したというニュースや、証券会社の投資判断下げを受けて－3.7％と大幅安し、主要指数の重しとなった。同株の時価総額は2兆ドルを割り込んだ。テスラも－12.2％でS&P500種指数とナスダック指数の下げ要因になり、それぞれ－0.4％、－0.76％で取引を終了した。NYダウは引けにかけて下げ幅を縮めたが－0.03％で終了した。VIX指数は21.67から22.90へ上昇した。

★NY外国為替市場：米長期金利の低下幅縮小でドル買い戻し

ドル/円は、日銀が金融緩和のさらなる修正を迫られるとの観測を背景に、アジア市場では一時129.52円と昨年6月2日以来約7カ月ぶりの安値を付けたものの、欧米市場では買い戻しが優勢となった。連休明けのロンドン勢がドル買いで参入したことで、一時131.19円付近まで上昇した。アジア時間に付けた日通し高値131.40円がレジスタンスとして働くと再び弱含み、130.06円付近まで下押ししたものの、米長期金利が低下幅を縮小すると131.10円付近まで切り返した。 

ユーロ/ドルは、欧州時間に一時1.0520ドルと昨年12月12日以来の安値まで売られた影響が残ったものの、同日安値の1.0506ドルが目先サポートとして意識されると1.0597ドル付近まで下げ渋る場面があった。

★NY原油先物市場は反落：世界経済の減速を警戒した売り

NY原油先物市場は76.60ドル-81.50ドルのレンジ相場となった。この日発表の12月Caixin中国製造業PMIは5カ月連続で節目の50を割り込み、前月からも悪化した。同国の景気減速懸念から売りが優勢となり、一時は76.60ドルまで下押しした。ロンドン市場の序盤にかけて81.50ドルまで買われたが、が、ニューヨーク市場では世界経済の減速を警戒した売りが強まり反落した。通常取引終了後の時間外取引で一時76.60ドルまで売られた。 

★NY金先物市場は3日続伸：米長期金利の低下を好感した買い

NY金先物市場は1831.30-1856.60ドルのレンジ相場となった。米長期金利が低下したことを受け、金利がつかない金の投資妙味が相対的に高まった。昨年6月以来の高値を更新し、一時は1856ドル台まで上昇する場面も見られた。アジア市場で1831.30ドルから1856.60ドルまで戻した。主要通貨に対するドル買いが優勢となり、ニューヨーク市場の中盤にかけて1833.40ドルまで反落した。しかしながら、米長期金利の低下を意識した買いが入ったことで通常取引終了後の時間外取引では主に1845ドルを挟んだ水準で推移した。

★米国債券市場は上昇：独国債買いに連れた買い優勢

米国債券市場の中長期ゾーンは上昇（利回りは低下）した。米2年物国債利回りは前営業日比0.05％低い（価格は上昇）4.370％で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.13％低い3.74％で終了した。12月独消費者物価指数（CPI）速報値が予想を下回ったことで、インフレ圧力が緩和するとの観測から独国債相場が上昇した。米国債にも買いが波及した。

★米建設支出は予想外の増加：US Dashboard

3日に発表された2022年11月の米建設支出（季節調整済み）は前月比0.2％増と市場予想の0.4％減に反して10月の0.3％からプラス（増加）に転じた。前年同月比では8.5％増と10月の9.2％増から鈍化した。非住宅建設が前月比で0.9％増え、住宅建設の同0.5％減を上回った。住宅ローン金利の上昇を背景に一戸建て住宅の建設は前月比で2.9％減少し、前年同月比でも10.2％減った。一方、代替的な賃貸住宅需要の旺盛さから集合住宅は前月比で2.4％増加し、前年同月比でも10.7％増えた。

★日本企業の業績悪化は続く：ジェフリーズ

ジェフリーズは3日付リポートで日本企業の業績について、2022年は急速な円安が進行したが、企業の収益モメンタムは減速していると指摘した。今後も過去最高の在庫水準と高い営業費用が業績悪化に拍車をかけると見込んでいる。リポートでは日本企業全体で売上高のピークアウト感が鮮明となる中、過去10～20年にわたり一貫して売上高を伸ばした銘柄に注目。