FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反発:来年に向けたポジション調整買いが優勢に

NYダウは345.09ドル高の33220.80ドル、ナスダックは264.80ポイント高の10478.09ポイントで取引は終了した。投資家の本年の税金対策終了で、来年に向けた買戻しが先行し、寄り付き後は上昇した。週次新規失業保険申請件数も予想通り増加したため金利低下が手伝いハイテクも買い戻され、相場全体を押し上げた。主要株式指数は終日堅調に推移して終了した。VIX指数は22.14から21.44へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク選好のドル売り優勢に

ドル/円は、米10年債利回りが一時3.81%台まで低下したことなど手掛かりに円買い・ドル売りが先行した。米国株相場の上昇を背景にリスク選好のドル売りも出て、アジア時間の安値133.47円や前日の安値133.38円を下抜け、一時132.88円と日通し安値を更新した。なお、この日発表の前週分の米新規失業保険申請件数は22.5万件と市場予想通りの結果となった。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ると、一時1.0690ドルと15日以来2週間ぶりの高値を更新した。NYダウが一時410ドル超上昇するなど、米国株相場が堅調に推移したこともリスク選好のドル売りを誘った。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.78まで低下した。 

 

NY原油先物市場は小幅3日続落:エネルギー需要の先行き懸念が重し

NY原油先物市場は76.79ドル-78.82ドルのレンジ相場となった。中国の経済・社会活動活発化への期待を高める要因とされていた新型コロナウイルス対策緩和が、むしろ感染者の拡大を招いているとの見方が、エネルギー需要の先行きに対する懸念を高めた。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(12/23時点)で、原油在庫が+71.8万バレル(前週 -589.5万バレル)と積み増しへ転じたことも重しとなったが、ガソリン在庫は-310.5万バレル(前週 +253.0万バレル)、原油受け渡し地点オクラホマ州クッシングの在庫も-19.5万バレル(前週 +85.3万バレル)と取り崩しへ転じたこともあり、原油相場へのネガティブな反応は限定的だった。アジア市場の序盤に78.82ドルまで買われたが、その後は伸び悩み、ロンドン市場で76.79ドルまで売られた。ただ、ニューヨーク市場ではドル安や株高を意識した買いが入ったことで78.71ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では主に78ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は反発:米金利低下やドル安を好感した買い

NY金先物市場は1811.20-1827.30ドルのレンジ相場となった。米10年債利回りは昨日同様に3.88%付近で戻りが鈍く、3.81%台へ失速した。米金利低下やドル安を受け、金利がつかず、ドルの代替資産と見なされることもある金への投資妙味が相対的に高まり、目先の上値めどだった27日高値1841.9ドルを上回った。一時1842.7ドルまで上昇した。ロンドン市場で1811.20ドルまで売られたが、ドル安を意識した買いが入ったことによって、ニューヨーク市場の後半にかけて1827.30ドルまで上昇した。通常取引終了後の時間外取引では主に1824ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場はまちまち:長期ゾーンに押し目買いとポジション調整買い

米国債券市場で中期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)4.36%で終了した。また、長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)3.81%で終了した。足もとで相場下落が続いたあとだけに押し目買いなどが入った。市場では『月末・期末の機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入った』との声も聞かれた。なお、米財務省が実施した7年入札には平均的な需要があった。 

 

GPIFや3共済は日本株への売り越し余地へ転じる:大和証券

大和証券は29日付のリポートで、9月末以降の資産価格の変動のみを考慮すると年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と3共済の売り越し余地の合計を約3000億円と推計した。前週から他の資産価格が低下したことなどにより、国内株式の資産構成割合は相対的に上昇し、『日本株への買い越し余地は売り越し余地に転じた』とみられるという。また、年金の売買を反映するとみられる信託銀行が東証の投資主体別売買動向で現物株を6週連続で売り越したことも着目していた。

 

Fedウオッチは1月利上げ幅は0.25%に鈍化:US Dashboard

米金利先物の値動きから市場が織り込む利上げ予想を算出する『Fedウオッチ』によると、2023年の1月31日-2月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利の誘導目標が『4.5~4.75%』となる確率は7割を超えた。次回FOMCにおける利上げ幅は12月の0.50%から0.25%に鈍化するとみられている。

 

米失業保険申請件数は予想を上回る

29日に発表された米新規失業保険申請件数は22万5000件と前週から9000件増加し、市場予想の22万3000件も上回った。4週移動平均線は22万1000件とほぼ横ばいだった。継続受給者数は前週比4万1000件増の171万件と2月以来の高水準となった。継続受給者数は10月以降の増加傾向が続いている。

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