FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:経済の悪化を警戒した売りが優勢に

NYダウは365.85ドル安の32875.71ドル、ナスダックは139.94ポイント安の10213.29ポイントで取引を終了した。中国や香港のコロナ規制緩和が買い材料となり寄り付き後は上昇した。しかし、来年の景気後退入りを織り込む売りが上値を抑制した。さらに、長期金利が上昇し、10年債利回りは11月以来の高水準となるとハイテク株の売りに押され、NYダウも下落に転じた。終盤にかけ本年の税金絡みの売りが加速、さらに、政府が中国からの渡航者に対し、コロナ陰性証明を義務付けると発表すると経済の悪化を警戒した売りにも拍車がかかり、下げ幅を拡大して終了した。VIX指数は21.65から22.14へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇がドルの支援材料

ドル/円は、米10年債利回りが3.80%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行し、一時133.40円付近まで値を下げた。ただ、アジア時間に付けた日通し安値133.38円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢になった。米10年債利回りが3.89%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、134.50円と日通し高値を更新した。なお、この日発表の12月米リッチモンド連銀製造業景気指数は予想を上回った一方、11月米住宅販売保留指数は予想を下回るなど強弱入り混じる結果となった。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下を受けてユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.0674ドルと日通し高値を付けた。ただ、米長期金利が上昇に転じると一転下落した。6時過ぎには1.0607ドルと日通し安値を付けた。 

 

NY原油先物市場は小幅続落:中国の感染拡大が嫌気され売り優勢に

NY原油先物市場は77.30ドル-79.92ドルのレンジ相場となった。中国の新型コロナウイルス対策緩和が経済・社会活動の活発化につながり、エネルギー需要が回復するとの期待がはく落してきた。行動規制の緩和が感染拡大へつながっている状況に着目して、むしろエネルギー需要に悪影響を与えるリスクを懸念する向きもある。見直しの売りが入り、原油相場を重くした。アジア市場の序盤に79.92ドルまで買われたが、その後はさえない値動きとなり、ニューヨーク市場の中盤にかけて77.30ドルまで売られた。米長期金利の上昇などが嫌気された。ただ、通常取引終了後の時間外取引で79.11ドルまで戻しており、主に78ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は3日ぶりに反落:米長期金利の上昇を嫌気

NY金先物市場は1804.20-1822.80ドルのレンジ相場となった。調整でやや低下気味に推移していた米10年債利回りが上昇を強める動きとなったことから、金利が付かない資産である金の性質を意識した売りが入った。米金利上昇によるドル強含みも、金相場のドル建て換算値の押し下げに寄与した。ドルの代替資産としての金の相対的な価値が低下するとの見方も重しとなった。アジア市場の序盤に1822.80ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて1804.20ドルまで反落した。米長期金利の上昇を意識した売りが観測されており、伸び悩んだ。通常取引終了後の時間外取引では主に1815ドルを下回る水準で推移した。 

 

米国債券市場はまちまち:年末のポジション調整の売買が中心

米国債券市場で中期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)4.35%で終了した。また、長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)3.88%で終了した。年末を控えたポジション調整目的の売りが優勢となった。 

 

米リッチモンド連銀製造業景況指数は4月以来のプラス:US Dashboard

米リッチモンド連邦準備銀行が発表した12月の製造業景況指数は市場予想のマイナス8.5を上回り、4月以来のプラス(拡大)圏に改善した。11月はマイナス9だった。出荷、新規受注、雇用の主要3項目がすべて改善し、出荷は11月に25から37へと大きく伸び、10月の34も上回った。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ長期化観測を後押しする材料となり得る。

1月4日に米ISMが発表する12月の製造業景況感指数は49.0から48.0への悪化が見込まれている。リッチモンド連銀の製造業景況指数をISMベースに換算すると48.1と改善するものの50を割り込んだままで、ISMに対する市場予想を見直す必要まではなさそう。

 

大統領選挙前年の1月の米国株には強いジンクス

28日の米国市場でNYダウが3営業日ぶりに反落し、ナスダック総合指数は年初来安値を更新して終えた。その年の最後の5営業日と年明けの2営業日まで7営業日の間、米国株が強含むという『サンタクロース・ラリー(SCR)』のアノマリーがあるものの、SCRへの期待感が急速にしぼんでいる状況である。しかし、相場のアノマリー分析に詳しいトレーダーズ・アルマナックによれば大統領選挙前の年の1月の米国株には強いジンクスがあるという。NYダウとS&P500指数は1950年以降、上昇したのが共に16回で、下落は2回のみ。ナスダックは1971年以降で上昇11回に対して下落は2回だった。平均上昇率はナスダックが6.8%で最も高い。

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