FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米長期金利の上昇を警戒した売りが重し

NYダウは37.63ドル高の33241.56ドル、ナスダックは15.57ポイント安の10353.23ポイントで取引は終了した。中国政府が1月8日から入国時の強制隔離撤廃を発表、規制緩和を好感したアジア、欧州市場の流れを継いで、寄り付き後は上昇した。しかし、長期金利の上昇を警戒した売りに押され一時下落に転じた。同時に、エネルギーセクターの上昇が下値を支え、NYダウはプラス圏を維持して終了した。ナスダック総合指数は金利高が重しとなり終日軟調だったVIX指数は20.87から21.65へ上昇した。

 

NY外国為替市場:強い米経済指標結果から米長期金利上昇でドル買い優勢

ドル/円は、英国市場が休場で商いは低調だったが、米10年債利回りが3.85%台まで上昇したことなどを手掛かりに円売り・ドル買いが進み、一時133.60円と日通し高値を更新し、その後の下押しも133.18円付近にとどまった。この日発表の11月米卸売在庫が前月比1.0%上昇と予想の0.4%上昇を上回り、10月米ケース・シラー住宅価格指数が前年比8.6%上昇と予想の8.0%上昇より強い内容となったことも相場を下支えした。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利が大幅に上昇したことでユーロ売り・ドル買いが先行し、一時1.0612ドルと日通し安値を付けた。ただ、前日の安値1.0604ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが入り上げに転じた。もっとも、NY市場に限れば大きな方向感は出なかった。市場では『英国勢と同様に4連休を取っているNY勢も多く、商いは低調だった』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は小反落:米長期金利上昇が重しに

NY原油先物市場は79.16ドル-81.18ドルのレンジ相場となった。中国の新型コロナウイルス対策緩和が経済・社会活動の活発化につながり、エネルギー需要が回復するとの期待が買い材料となった。米寒波によるエネルギー需要や供給の停滞も支援要因となり一時81.18ドルと5日以来、約3週間ぶりの高値をつけた。しかし、米金利上昇が重しとなって、NYダウの上昇が頭打ち、他の主要米2株価指数がマイナス推移となるなど、米株が重い動きになった。金利上昇が株価や景況に与える影響が嫌気され、原油相場も上昇幅を帳消しにした。ニューヨーク市場の後半にかけて81.18ドルまで買われたが、米長期金利の上昇を嫌気した売りが強まり、一時79.16ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に79ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は続伸:米株価の重い展開にリスク回避の買い優勢に

NY金先物市場は1808.00-1841.90ドルのレンジ相場となった。米株価の重い動きをにらんで、リスク回避資産とされる金が買われた。米金利上昇を嫌気してNYダウが上昇幅を縮小し、他の主要2株価指数はマイナス推移した。英国など休場となる市場もあり取引が薄いなか、金価格の上昇が加速した。アジア市場で1808.00ドルまで下げたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて1841.90ドルまで上昇した。ただ、米長期金利の上昇を意識して買いは一巡し、通常取引終了後の時間外取引では1826ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:中国政府の防疫措置緩和を受け債券売りが優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)4.40%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.10%高い3.84%で終了した。中国政府が新型コロナウイルスの感染拡大対策で導入した厳しい防疫措置を緩和する方針を打ち出したことで、同国経済への先行き懸念が後退した。相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。

 

日米金利差は縮まず円高・ドル安に一服感:US Dashboard

日銀は20日に金融政策決定会合で、長期金利の許容変動幅を広げる『事実上の利上げ』を決めた。日本の長期金利は上昇し、外為市場では1日で5円以上の円高・ドル安が進んだ。しかし、米長期金利も上昇したことで日米金利差はちぢまらず、円高・ドル安の流れも一服している。日銀の黒田総裁は26日の講演で、長期金利の許容変動幅を拡大したことは『出口の一歩では全くない』と述べ、金融緩和の維持を強調した。一方、米連邦準備理事会(FRB)は金融引き締め姿勢を堅持している。米長期金利の動向次第では、再び円安・ドル高に向かう可能性もある。

 

上海工場の減産長期化観測でテスラが一時9%安

27日の米株式市場で電気自動車(EV)のテスラが7日続落し、一時は前営業日比9.4%安の111.60ドルを付けた。中国・上海工場での減産を2023年1月も続ける計画だとロイター通信が27日に報じた。新型コロナウイルスの感染拡大で生産や販売への悪影響が一段と強まっているとの見方から、売りが膨らんだ。報道によると、テスラは1月3~19日に上海の工場を稼働させ、20~31日に旧正月(春節)の休みを取る。春節期間にあわせ眺めの休みを取るのが通常通りかどうかは明らかではない。前週末にも上海工場の稼働を24日から1月1日まで止めるとの報道があった後で、不透明感が意識されている。

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