FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続落:景気後退懸念が相場の重し

NYダウは162.92ドル安の32757.54ドル、ナスダックは159.38ポイント安の10546.03ポイントで取引を終了した。先週大きく下げていたため、寄り付きこそ小幅に上昇したものの、終日軟調に推移した。連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ継続が景気を冷やすとの景気後退懸念が相場の重しとなったほか、厳しいマクロ環境への警戒から企業業績への懸念も生まれた。長期金利が上昇しハイテク株が売られた一方、原油価格の上昇でエネルギー銘柄には買いが入った。VIX指数は22.62から22.42へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇からショートカバーのドル買いが優勢に

ドル/円は、欧州序盤には一時135.76円まで下落したものの、時間外の米10年債利回りが上昇したことでショートカバーが優勢となり、NY時間に入ってもその流れが継続した。日銀の金融緩和修正観測から東京市場と欧州序盤に売りを進めた向きの反対売買を誘ったほか、市場では『ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測された』との声も聞かれ、一時137.16円と日通し高値を更新した。ドル買いが一巡すると136.70円台まで伸び悩む場面も見られたが、取引終了にかけて137円台を再び回復するなど下値は堅かった。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇を背景に売りが強まった。欧州連合(EU)エネルギー相会合で天然ガス価格の上限を、欧州委員会の提案よりも大幅に引き下げとなる1メガワット時(MWH)当たり180ユーロにすることで合意されると、原油先物価格が下落し、資源国通貨売りが進んだ影響も受けて1.0576ドルまで下落した。ロンドンフィキシング通過後は急速に買い戻しが入り1.0630ドル前後まで持ち直したものの、戻りは限られた。 

 

NY原油先物市場は続伸:ポジション調整的な売買で方向感のない展開

NY原油先物市場は74.03ドル-76.64ドルのレンジ相場となった。中国のウイルス規制緩和や、ドルが比較的に軟調な動きを見せていたことで76ドル手前まで上昇する場面もあった。しかし、欧州連合(EU)エネルギー相会合で天然ガス価格の上限を1メガワット時(MWH)当たり180ユーロにすることで合意したと伝わると、74ドル前半まで一転急落した。ただし、売りも長続きはせず、ロンドンフィックスが通過すると再びドルの頭が抑えられると76.41ドルの日通し高値を更新するなど方向感のない動きを繰り返した。ロンドン市場の序盤に74.03ドルまで売られたが、ニューヨーク市場で76.64ドルまで反発した。供給増加の思惑は広がっていないことから、ポジション調整的な買いが入った。通常取引終了後の時間外取引では76ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

NY金先物市場は続伸:ドル高を嫌気した売り優勢に

NY金先物市場は1793.20-1808.60ドルのレンジ相場となった。堅調地合いを維持していた金先物価格だが、ロンドンフィキシングにかけてドル買いが強まるとドルで取引される金先物は、割高感から一転売りが優勢となった。その後も先週末に大幅に買われて引けたこともあり、上値が重く推移し小反落して引けた。ロンドン市場の序盤で1808.60ドルまで買われたが、ニューヨーク市場ではドル高が意識され、換金目的の売りが増えた。通常取引終了後の時間外取引では1800ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:FRBの金融引き締め長期化を意識した売り

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)4.24%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.10%高い3.59%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め長期化が意識され、売りが優勢となった。欧州債が大きく下落したことにつれた面もあった。 

 

米景気サプライズ指数(びっくり指数)は3ヵ月ぶりにマイナス圏に沈む

経済指標の予想値と実績値のかい離を指数化した米シティグループの米国エコノミック・サプライズ指数は先週16日、9月以来、約3ヵ月ぶりにマイナスに転じた。米経済指標は下振れが相次いでおり、市場の米景気の先行き懸念も高まっている。米FRBの金融引き締め姿勢は当面続く見込みだが、景気後退懸念から、米長期金利は上がりにくくなっている。

 

マスク氏のツイッタートップ退任の期待からテスラーが一時3%高

19日の米国株式市場で電気自動車のテスラ株が反発し、一時前週末3.3%高の155.25ドルを付けた。ツイッターを買収したイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がツイッター上で実施したアンケート結果を受け、マスク氏がツイッターのトップを退くとの観測が強まった。このところツイッターに注力してきたマスク氏がテスラの経営に集中できるとの期待から買いが優勢となった。マスク氏は18日に「ツイッターのトップを退くべきか?投票結果に沿う」とツイッターに投稿した。19日朝時点で1750万超の投票があり、『はい』との回答が57.5%と『いいえ』の42.5%を上回った。ただ、マスク氏は同日、「誰もツイッターを生かすための仕事をしたがらない。後任者はいない」とも投稿しており、トップ退任を巡る不透明感は残る。

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