FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:FOMC結果発表後に主要指数は売り優勢に

NYダウは142.29ドル安の33966.35ドル、ナスダックは85.93ポイント安の11170.89ポイントで取引を終了した。朝方上昇した後は、米連邦公開市場委員会(FOMC)結果発表まで上げ幅を維持していたが、結果発表後に下落して主要指数はそろってマイナス引けとなった。市場の予想通り50bpの利下げで、声明文は前回とほぼ変わらずインフレリスクに対するFEDの用心深い態度にも変わりはないことが示された。注目のドットプロットでは2023年末の政策金利予想が前回の4.6%から5.1%へと上昇し、インフレ予想も上昇した。パウエル議長の記者会見でも、まだ景気抑制的な政策は維持する必要があるとした。主要指数は下落した後で上下したが結局下落して終了した。VIX指数は22.55から21.14へ低下した。

 

NY外国為替市場:パウエル議長の発言受け米長期金利低下でドル売りに

ドル/円は、『日銀は来年4月に発足する新体制下で金融政策の点検や検証を実施する可能性がある』との一部報道を受けて、欧州市場では一時134.54円と5日以来の安値を付ける場面があった。NY市場に入ると、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとの思惑から様子見ムードが強まり、しばらくは小幅な値動きが続いた。注目のFOMCでは市場予想通り50bpの利上げが実施され、同時に公表された政策金利見通し(ドット・チャート)では2023年末時点の中央値が5.125%(5.00-5.25%)と前回の4.625%(4.50-4.75%)から引き上げられ、市場の想定である5%近辺を上回った。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が改めて意識されると、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となった。パウエルFRB議長が会見で『我々にはまだやるべきことがある』『今回の決定後も政策スタンスはまだ十分に抑制的ではない』と発言したこともドル買いを促し、一時135.99円と日通し高値を付けた。ただ、そのあとはパウエル議長が『政策決定はすべて最新のデータ次第』『十分抑制的な金利水準に近づきつつある』と発言したと伝わり、米長期金利が低下した。一転ドル売りが優勢となり、134.81円付近まで押し戻された。 

 

ユーロ/ドルは、FOMCメンバーの政策金利見通しが市場の想定より若干高めとなったことを受けて、公表直後は米金利上昇とドル高が進行し、一時1.0622ドル付近まで値を下げた。ただ、日本時間夕刻に付けた日通し安値1.0619ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢になった。パウエル議長の会見後に米長期金利が低下に転じたこともユーロ買い・ドル売りを促し、1.0695ドルと日通し高値を付けた。 

 

NY原油先物市場は3日続伸:来年の需要見通し上昇修正を好感

NY原油先物市場は74.90ドル-77.75ドルのレンジ相場となった。国際エネルギー機関(IEA)月報では来年の石油需要見通しが上方修正された。買い安心感が広がるなか、一時77ドル台乗せに成功した。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で原油が大幅積み増しとなり一旦上げ幅を縮めたが、結局は下値の堅さを確認することになった。一巡後は再び買い優勢となり、77ドル後半まで上値を伸ばしている。アジア市場で74.90ドルまで下げたが、ドル安を意識して77.75ドルまで買われた。米国の追加利上げが発表されたことから、一時77ドルを下回ったが、需給緩和の思惑は後退しており、通常取引終了後の時間外取引では主に77ドル台で底堅く推移した。

 

NY金先物市場は反落:米追加利上げを受けやや売り優勢に

NY金先物市場は1806.20-1825.40ドルのレンジ相場となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控え、持ち高調整が中心の取引となった。引け後の時間外取引では、米金融政策を受けて売られる場面があったものの、1800ドル手前では下げ渋った。米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の結果判明を待つ状況となり、戻り売りがやや優勢となった。50pbの追加利上げを受けて1806.20ドルまで下げたが、政策金利見通しを巡って1825.40ドルまで買われた。その後は再び上げ渋り、1820ドルを下回る水準で推移した。 

 

米国債券市場はまちまち:パウエルFRB議長発言後に長期ゾーンに買い

米国債券市場で中期ゾーンは変わらずで終了した。米2年物国債利回りは前日比と変わらずの4.21%で終了した。また、長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)3.48%で終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの政策金利見通しでは、2023年末の予想が9月の4.6%から5.1%に引き上げられ、市場の想定を若干上回った。当初は債券売りで反応したものの、すぐに買い戻しが入り持ち直した。パウエルFRB議長の会見でもタカ派的な発言が見られたが、長期債には買いが入った。米国株相場の下落などが相場を下支えした。

 

12月のFOMCはタカ派的:ジェフリーズ

米FRBが13~14日に開いた米FOMCで、市場予想通り50bpの利上げが決まった。一方で、四半期経済見通し(SEP)の23年末見通しでFF金利の誘導目標の中央値が5.125%(5.00~5.25%)となり、9月の4.625%(4.50~4.75%)から引き上げられ、FF金利先物市場の織り込みより強めの水準が示されたことでNYダウは下げ幅を404ドルに広げる場面もあった。ジェフリーズは14日付のリポートで『FOMCの予想よりややタカ派的な内容となった。SEPは来年末のFF金利を5.1%と予想したが、これはFOMC前の先物市場が示唆するよりも高いものであった。さらに、参加者の40%はさらに高い金利水準を予想しており、予想中央値である5.1%を下回ったのは10%のみであった。このことは、タカ派がハト派を依然大きく上回っていることを示唆している』との見解を示した。リポートでは、パウエル議長は、利上げ局面の最終的なFF金利の到達水準であるターミナル・レートの5.1%への道筋について、『スピードは軽視し、目的地に焦点を当てた』と指摘した。FOMC参加者の4割がターミナル・レートを5.1%超と見ていることを踏まえ、『23年2月FOMCで50bpの追加利上げが行われると予想する』とみていた。

 

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