FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:米FRBの利上げ長期化への警戒感後退で買い

NYダウは103.60ドル高の34108.64ドル、ナスダックは113.08ポイント高の11256.81ポイントで取引は終了した。11月米消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ長期化への警戒が和らぐと買いが先行した。寄り付き直後に一時700ドル超上昇した。ただ、そのあとは急速に伸び悩み、下げに転じる場面もあった。明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表に注目が集まる中、不安定な相場展開となった。VIX指数は25.00から22.55へ低下した。

 

NY外国為替市場:11月CPI結果受け米長期金利低下でドル売り優勢に

ドル/円は、米労働省が発表した11月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.1%/前年比7.1%と予想の前月比0.3%/前年比7.3%を下回り、エネルギーと食品を除くコア指数も前月比0.2%/前年比6.0%と予想の前月比0.3%/前年比6.1%より弱い内容だったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが鈍化するとの観測が強まった。米長期金利の低下とともに全般ドル売りが優勢になると、一時134.66円と5日以来の安値を付けた。市場では『米国のインフレ圧力は緩和し、来春にはさほど引き締めの必要がなくなるという期待が高まっている』との声が聞かれた。ただ、売り一巡後は買い戻しがじわりと強まり135.65円付近まで下げ渋った。一時は3.41%台まで低下した米10年債利回りが3.52%台まで低下幅を縮めたことが相場を下支えした。

 

ユーロ/ドルは、米CPIの下振れをきっかけに全般ドル売りが先行すると一時1.0673ドルと6月9日以来約半年ぶりの高値を付けた。市場では『明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表に注目が集まる中、米国のインフレがピークアウトしつつあるとの見方が広がった』との声が聞かれた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.59と6月16日以来の低水準を付けた。ただ、NY午後に入ると1.0611ドル付近まで伸び悩んだ。米長期金利が低下幅を縮小したことなどが相場の重しになった。

 

NY原油先物市場は大幅続伸:供給懸念の高まりが支援材料

NY原油先物市場は73.21ドル-76.37ドルのレンジ相場となった。エネルギー消費大国である中国の経済回復期待が支えとなり、この日も買いが先行した。カナダと米中西部を結ぶ主要パイプラインの油漏れ事故が想定より深刻とされ、供給懸念の高まりも相場の支援材料になった。米インフレ鈍化を背景とした為替のドル安もドル建てで取引される原油先物に割安感を生じさせ、上値を試すきっかけとなった。ロンドン市場で73.21ドルまで下げたが、11月米消費者物価指数の発表後に買いが強まり、一時76.37ドルまで上昇した。米ドル安や長期金利の低下が材料視された。通常取引終了後の時間外取引では主に75ドル台で底堅く推移した。

 

NY金先物市場は大幅に反発:米金利低下と米ドル安を好感した買い

NY金先物市場は1791.80-1836.90ドルのレンジ相場となった。11月米消費者物価指数(CPI)が予想以上に鈍化したことを受けて米金利が低下すると、金利が付かない金への投資妙味が高まった。また為替ではドルが大きく売られ、ドル建て金に割安感が生じたことも買いの強さに繋がった。アジア市場で1791.80ドルまで売られたが、米国金利の先高観は後退したことから、ニューヨーク市場の前半に1836.90ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では主に1820ドルを上回る水準で推移した。 

 

米国債券市場は反発:11月米CPI結果受け債券買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.16%低い(価格は上昇)4.21%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.11%低い3.50%で終了した。11月米消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが鈍化するとの観測が強まると債券買いが膨らんだ。

 

2月の50bp利上げのリスク低下:ゴールドマン

ゴールドマン・サックスは13日付のリポートで『コアCPIは2ヵ月連続で予想を下回り、前年同月比では6.0%上昇に鈍化した。ただ、その構成はより複雑で、シェルター(住居費)のカテゴリーが反発した一方、航空運賃が3%下落したことがインフレ鈍化に寄与した。』との見解を示した。リポートでは、中古車価格が3%下落したことを当社の予想通りで、今後もさらなる下落が予想されるとも指摘した。一方、13~14日の米FOMCに関しては四半期経済見通し(SEP)の23年末のFF金利見通しのドット・プロットの中央値が5.00%~5.25%へ引き上げられるか、小幅ながら4.75~5.00%への引き上げにとどまるかで拮抗しそうだとしながら、『23年の25bpの追加利上げは引き続き3回行こなわれるだろうとの予想を維持するが、今回の11月CPIを受けて23年2月の50bp利上げのリスクは低下した』とみていた。

 

来年は金利上昇とインフレが家計圧迫:英中銀報告書

英中銀は、最新の金融安定報告書を公表し、インフレと借入コストの上昇が家計と企業を『大きく圧力』すると警告した。ただ、回復力は2008年の世界金融危機以前よりも高まっていると述べている。中銀は『実質所得の減少、住宅ローン費用の増加、失業率の上昇が家計に大きな圧力をかけるだろう』との見通しを示した。

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