FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:米経済指標受け長期金利の上昇を警戒した売り

NYダウは305.02ドル安の33476.46ドル、ナスダックは77.39ポイント安の11004.62ポイントで取引を終了した。11月生産者物価指数(PPI)が予想を上回ったため一部の市場関係者の間で浮上していた来年の利下げ観測が後退し、寄り付き後は下落した。12月ミシガン大1年期待インフレ率が予想外に低下したため主要株式指数は一時プラス圏を回復も、長期金利の上昇を警戒した売りに押され、再び下落した。終盤に入り、来週発表される生産者物価指数(CPI)への警戒感も強まり、下げ幅を拡大し終了した。VIX指数は22.29から22.83へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:金融引き締めの長期化が意識されドル買い優勢に

ドル/円は、米10年債利回りが低下したことで円買い・ドル売りが先行し、一時135.61円と日通し安値を付けた。ただ、11月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が改めて意識されると、米10年債利回りの上昇とともにドル買いが優勢になった。12月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、一時136.90円と日通し高値を付けた。もっとも、そのあとは徐々に値動きが鈍った。週末前に加えて、来週の11月米消費者物価指数(CPI)や米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要イベントを前に積極的な売買は手控えられた。 

 

ユーロ/ドルは、欧州序盤に一時1.0588ドルと日通し高値を付けたものの、5日に付けた6月28日以来の高値1.0595ドルがレジスタンスとして働くと失速した。予想を上回る米PPIを受けてドル買いが強まると、一時1.0507ドルと日通し安値を更新した。市場では『来週のFOMCや欧州中央銀行(ECB)理事会など重要イベントを前に、ポジション調整目的のユーロ売り・ドル買いが出た』との声も聞かれた。

 

NY原油先物市場は6日続落:エネルギー需要見通しへの警戒感から売り

NY原油先物市場は70.08ドル-72.92ドルのレンジ相場となった。昨日まで5日続落し、連日1年ぶりの安値更新の動きが続いていることもあり、安値拾いの買いが先行するも、世界的な景気先行き不安が広がる中でエネルギー需要見通しへの警戒感も根強く、結局戻り局面では再び売りに押され続落して取引を終えた。ニューヨーク市場の序盤に72.92ドルまで戻したが、世界経済の減速懸念は消えていないことから、買い戻しが一巡した後は戻り売りが強まり、一時70.08ドルまで下落した。ただ、自律反発を狙った買いも観測されており、通常取引終了後の時間外取引では主に71ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は4日続伸:中国の金準備高増加が下支え

NY金先物市場は1800.10-1819.00ドルのレンジ相場となった。11月末時点での中国の金準備高が約3年ぶりの増加となったことも金相場の支えとなっている。ただ、来週に米欧英などで政策金利の発表を控えていることもあり、様子見ムードも強く、方向感は限られた。アジア市場の序盤で1800.10ドルまで下げたが、世界経済の減速懸念は消えていないことや地政学的リスクの高まりが警戒されていることから、ニューヨーク市場の序盤にかけて1819.00ドルまで買われた。ただ、その後は米長期金利の上昇を受けて利食い売りが優勢となり、通常取引終了後の時間外取引では1810ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:金融引き締めの長期化が意識され売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)4.35%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.10%高い3.58%で終了した。11月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が改めて意識されると債券売りが広がった。 

 

米11月PPIの上方サプライズで利上げの長期化の可能性

米労働省が発表した11月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.3%と伸びは予想+0.2%を上回った。10月分も+0.3%と、+0.2%から上方修正された。前年比では+7.4%と、伸びは5カ月連続で鈍化も、予想程鈍化せず。さらに、10月分も+8.1%へ、+8.0%から上方修正。燃料と食料を除いたコア指数は前月比+0.4%と、10月+0.1%から予想以上に伸びは拡大し8月来で最大。前年比では+6.2%と、10月+6.8%から伸び鈍化も予想を上回った。PPIが予想を上回り、インフレが根強いことが証明され米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが長期化する可能性が示唆された。

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