FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:イベント控え持ち高調整の売りが優勢に

NYダウは194.76ドル安の34395.01ドル、ナスダックは14.45ポイント高の11482.45ポイントで取引を終了した。前日に737ドル高と大幅に上昇し、2日に発表される11月の米雇用統計を控えて利益確定や持ち高調整の売りが優勢になった。前日夕の決算発表を受けて顧客情報管理のセールスフォースが大幅安となったことも、NYダウの重荷だった。前日の講演で米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が12月にも利上げ幅を縮小すると示唆し、株買いが勢いづいた。しかし、1日の市場では、まだ利上げ自体は続く見通しで景気や企業業績の悪化懸念がくすぶるなか、前日の株高は行き過ぎとの声が聞かれた。VIX指数は20.58から19.84へ低下した。

 

NY外国為替市場:米利上げ減速観測が強まり全般ドル売り

ドル/円は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が前日の講演で『早ければ12月にも利上げ幅を縮小する可能性がある』と指摘すると、米利上げ減速観測が強まり全般ドル売りが進行した。この日もドル売りの流れが続いた。11月米ISM製造業景気指数が49.0と予想の49.8を下回ったことも相場の重しとなり、一時135.21円と8月18日以来の安値を更新した。米10年債利回りが一時3.5012%前後と9月22日以来の低水準を記録したことも円買い・ドル売りを誘った。なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁はインタビューで『インフレは依然として高すぎる』『物価上昇圧力を抑えるためには追加利上げが必要』との考えを改めて強調した。また、ボウマンFRB理事はイベントで『利上げペース減速は適切』としながらも、『インフレ抑制のため、政策金利は当面十分に制約的である必要がある』との見解を示した。 

 

ユーロ/ドルは、FRBが利上げペースを減速するとの見方が強まる中、ドル全面安となった流れに沿った。24時過ぎに一時1.0533ドルと6月29日以来の高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.66と8月11日以来の低水準を付けた。 

 

NY原油先物市場は続伸:ドル安などを意識した買いが優勢に

NY原油先物市場は、79.93ドル-83.34ドルのレンジ相場となった。引き続き中国が『ゼロコロナ』政策を緩和するとの期待が相場の支えとなるなか、為替市場でドルが対ユーロで大幅安となり、ドル建ての原油に割安感が生じたことも原油の買いを後押した。また、関係者の話として、欧州連合(EU)加盟国はロシア産原油の上限価格を60ドルで合意に近づいていると伝わった。アジア市場で79.93ドルまで下げたが、ドル安と米長期金利の低下を受けた買いが強まり、ニューヨーク市場で83.34ドルまで一段高となった。通常取引終了後の時間外取引ではやや上げ渋り、81ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は大幅反発:ドル安と米長期金利の低下を好感した買い

NY金先物市場は1782.90-1818.40ドルのレンジ相場となった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が昨日、12月にも利上げペースを緩める可能性を指摘したことを受けて昨日通常取引終了後の時間外取引から買いが優勢となった。本日も米長期金利の低下とドル売りが続くなか、2月限は中心限月として8月中旬以来の1800ドル台を回復した。アジア市場の序盤で1782.90ドルまで下げたが、ロンドン市場ではドル安と米長期金利の低下を意識した買いが入った。ニューヨーク市場で一時1818.40ドルまで一段高となり、通常取引終了後の時間外取引でもおおむね1815ドルを上回る水準で推移した。

 

米国債券市場は続伸:米利上げ減速観測が強まり買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.11%低い(価格は上昇)4.22%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.1%低い3.51%で終了した。前日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言で米利上げ減速観測が強まったことから、この日も債券買いが優勢となった。11月米ISM製造業景気指数が予想を下回ったことも債券買いを促し、利回りは一時3.5012%前後と9月22日以来の低水準を記録した。

 

ISM製造業指数は2年半ぶりに50割れ:インフレ圧力が緩和

米サプライマネジメント協会(ISM)が1日発表した11月の米製造業景況感指数は前月から49.0となり、好不況の節目である50を下回った。50割れは2020年5月以来、2年半ぶりとなる。仕入れ価格の水準を示す価格指数も43.0と2年半ぶりの水準に低下しており、モノのインフレ圧力の緩和が示された。6日に発表される11月の米ISM非製造業指数は53.7と10月の54.7から鈍化する見込み。価格上昇圧力や労働市場の緩和が示されるか注目されれば、米国のインフレ懸念は和らぐ可能性が高まる。

 

11月雇用時計のNFPは17万5000人増に減速:ゴールドマン

ゴールドマン・サックスは1日付のリポートで『非農業部門の新規雇用者数(NFP)をコンセンサスを下回る17万5000人増と予想する。オンライン求人数の継続的な減少と、ビッグデータ雇用指標の弱さを反映した』との見解を示した。リポートではプラス材料として病院利用率の上昇と労働力不足を背景に医療従事者が増加すると指摘した一方、企業の増加が通常のペースに戻っていることがマイナスの要因とみていた。平均時給はコンセンサスと同じ0.3%増と見込んだ。

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