FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反発:利上げ減速観測が強まり買い優勢に

NYダウは737.24ドル高の34589.77ドル、ナスダックは484.22ポイント高の11468.00ポイントで終了した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で『利上げペースを緩めることは理にかなっている』『利上げペースを緩める時期は早ければ12月となる可能性』と発言すると、利上げ減速観測が強まり株式への買いが膨らんだ。『利上げによる経済の急降下は望まない』『ソフトランディングの可能性は十分にある』と述べたことも投資家心理の改善につながり、NYダウは268ドル安から737ドル高まで一転上昇した。VIX指数は21.89から20.58へ低下した。

 

NY外国為替市場:パウエル米FRB議長のハト派発言受けドル売り強まる

ドル/円は、11月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が12.7万人増と予想の20.0万人増を下回ったことが分かると全般ドル売りが先行したものの、その後発表の7-9月期米国内総生産(GDP)改定値や個人消費、コアPCEが予想を上回ったことが伝わると、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢になった。市場では『月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測された』との声も聞かれ、一時139.89円と日通し高値を更新した。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演で『利上げペースを緩めることは理にかなっている』『利上げペースを緩める時期は早ければ12月となる可能性』と発言すると、一転ドル売りが優勢になった。米長期金利が急低下したことも相場の重しとなり、一時137.65円と日通し安値を更新した。なお、パウエル氏は12月の利上げ減速を示唆した一方で、『インフレとの闘いは終了からほど遠い』『金利は一段と上昇し、景気抑制的な水準に当面とどまる』と注意を促した。また、『ターミナルレート(利上げの最終到達点)は9月時点の予測よりもやや高くなる可能性が高い』と述べた。 

 

ユーロ/ドルは、低調なADP全米雇用報告をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行すると、1.0400ドルまで値を上げたものの、その後失速した。予想を上回る7-9月期米GDP改定値や月末のロンドン・フィキシングに絡んだドル買いが入り、一時1.0291ドルと日通し安値を更新した。市場では『パウエル氏が講演でタカ派的な姿勢を打ち出す』との観測もあった。ただ、パウエル氏の講演を受けて米利上げ減速観測が強まると一転ドル売りが優勢になり、一時1.0429ドルと日通し高値を更新した。 

 

NY原油先物市場は3日続伸:中国の需要回復期待から買い優勢

NY原油先物市場は78.40ドル-81.38ドルのレンジ相場となった。中国が『ゼロコロナ』政策を緩和するとの期待が高まり、エネルギー消費大国の中国の需要が回復するとの楽観的な見方を背景に買いが優勢となった。また、米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計で原油在庫が大幅減少したことや、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受けてドル安が進んだことも支えとなった。アジア市場で78.40ドルまで売られたが、ニューヨーク市場では中国株高を意識して81.38ドルまで買われた。ただ、利益確定を狙った売りも観測されており、米長期金利は低下したものの、通常取引終了後の時間外取引では上げ渋り、80ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は小反落:米長期金利低下とドル安で買い戻し

NY金先物市場は1758.20-1783.20ドルのレンジ相場となった。米長期金利の上昇や為替相場でのドル買いを眺めながら売りに押された。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が12月にも利上げペースを緩める可能性を指摘したことを受けてドルが下落し、ドル建ての金に買いが入り、通常取引終了後には上昇に転じている。ロンドン市場では1780ドル手前で上げ渋っており、ニューヨーク市場の後半にかけて一時1758.20ドルまで下落。しかしながら、米長期金利の低下を受けて1783.20ドルまで反発。通常取引終了後の時間外取引では主に1780ドルを上回る水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:米利上げ減速観測強まり買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.13%低い(価格は上昇)4.33%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.13%低い3.61%で終了した。予想を上回る7-9月期米国内総生産(GDP)改定値などを受けて売りが先行したものの、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演で米利上げ減速観測が強まると一転買いが膨らんだ。利回りは3.79%台から3.59%台まで急低下した。 


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