★米国株式市場は下落:中国の経済減速懸念が株価の重しに
NYダウは497.57ドル安の33849.46ドル、ナスダックは176.86ポイント安の11049.50ポイントで取引を終了した。中国のゼロコロナ政策に対する大規模な抗議運動についてのニュースが週末からメディアで取り上げられており、関連ハイテク企業への影響や、同国経済減速懸念が高まり株価の重しになった。また、昼過ぎにタカ派で知られるセントルイス連銀のブラード総裁が、ターミナルレートは5-7%のレンジ下限に達する必要性を再度強調し、市場が過度に楽観的になっていると指摘すると金利が上昇し、株価は下げ足を強めた。ブラード総裁の他にも複数の連銀メンバーから利上げ幅緩和に対する市場の期待の高さを警戒する発言が重しになった。ほぼ全面安となったが、セクターでは不動産が下落、朝から引けにかけて徐々に下げ幅を拡大した。VIX指数は20.50から22.21へ上昇した。
★NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い戻し
ドル/円は、米10年債利回りが時間外取引で3.61%台まで低下すると円買い・ドル売りが進行した。欧州序盤に一時137.50円と日通し安値を付けた。ただ、NY市場に入ると買い戻しが目立った。米10年債利回りが上昇に転じたことで円売り・ドル買いが出たほか、米連邦準備理事会(FRB)高官らのタカ派的な発言が相場を下支えし、一時139.01円付近まで値を上げた。なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は『中銀はインフレ抑制のため一段の行動を取る必要』『追加利上げは経済のバランス回復に役立つ』などと述べたほか、ブラード米セントルイス連銀総裁は『市場はFOMCがより積極的になる可能性があるリスクを過小評価』『(政策金利が)経済に制約的になる道のりはまだ長い』などと語った。
ユーロ/ドルは、米長期金利の低下をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.0497ドルと6月29日以来約3カ月ぶりの高値を付けた。ただ、1.05ドルの大台乗せに失敗すると失速した。米長期金利が上昇に転じたこともユーロ売り・ドル買いを促し、一時1.0331ドルと日通し安値を更新した。NYダウが一時540ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移したこともリスク回避のドル買いを誘った。なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は『決定は会合ごとの評価に従う。データ次第』『ユーロ圏のインフレはピークに達しておらず、追加利上げ実施の可能性』などと述べた。
★NY原油先物市場は3日ぶりに反発:供給削減を検討との報道で買い優勢に
NY原油先物市場は73.60ドル-77.84ドルのレンジ相場となった。中国のコロナ関連の動きに対する警戒感で売りが先行した。ただ、売りが一服すると、欧州連合(EU)はロシア産石油の価格上限設定をめぐり合意に至ってないことや、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する『OPECプラス』が12月4日の会合でより大幅な供給削減を検討するとの一部報道も手がかりに反発した。中国情勢を警戒してアジア市場で73.60ドルまで売られたが、ニューヨーク市場ではポジション調整的な買いが増えたことで77.84ドルまで反発し、通常取引終了後の時間外取引では主に77ドルを挟んだ水準で推移した。
★NY金先物市場は4日ぶりに反落:米長期金利上昇とドル高を嫌気した売り
NY金先物市場は1753.30-1778.50ドルのレンジ相場となった。中国のコロナ感染拡大やその対策をめぐり、投資家のリスク回避志向が高まり、時間外取引から安全資産とされる金は買いが先行した。ただ、ニューヨーク市場に入り、為替市場でドル高・ユーロ安が進み、米長期金利が上昇に転じると金先物は売りに押され、反落して取引を終えた。ロンドン市場で1778.50ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の後半にかけて換金目的の売りが強まり、1753.30ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に1755ドルを挟んだ水準で推移した。
★米国債券市場は 上昇:米国株の下落から買い先行後に売りに転じる
米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)4.42%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い3.68%で終了した。米国株相場の下落を受けて債券買いが先行したものの、米連邦準備理事会(FRB)高官らのタカ派的な発言が伝わると一転売りが優勢となり下げに転じる場面もあった。
★米サイバーマンデーの売上高は過去最高の見通し:アドビ
アドビ・アナリティクスによると、米感謝祭後に展開されるインターネット通販の大規模セール『サイバーマンデー』に当たる28日、米国のオンライン支出額は前年から5.2%増加し、過去最高の112億ドルに達する見通しと、ロイター通信が伝えた。
昨年2021年のサイバーマンデー売上高は前年比1.4%減少した。品不足を背景に、小売り各社がセールを10月初旬から開始したことが響いた。今年は根強い高インフレの中、消費者はさらなる割引を求め、買い物を感謝祭後まで待つ動きになっているという。アドビによると、年末商戦の幕開けとなるブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜日)の25日の米オンライン消費額は前年比2.3%増加し、過去最高の91億2000万ドルに上った。
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