FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:短縮取引で調整的な売買交錯

NYダウは152.97ドル高の34347.03ドル、ナスダックは58.96ポイント安の11226.36ポイントで取引を終了した。感謝祭祭日後のブラックフライデーで年末商戦入りから期待感に買われ、寄り付き後は上昇した。株式や債券市場は短縮取引となり調整も見られたが、季節的な要因などから年末に向けた買いも目立ち相場を押し上げた。一方で、ハイテクは携帯端末アップル(AAPL)の下落が牽引したほか根強い金利先高観に売られ、ナスダック総合指数は下落で終了し、まちまちの展開になった。アップルのスマートフォン『iPhone』を製造する中国の工場ではボーナス支払いを巡る労使トラブルも起き、生産が大幅に遅れると伝わった。VIX指数は20.42から20.50へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米感謝祭で短縮取引だったため方向感出ず

ドル/円は、米10年債利回りが3.75%台まで上昇したことなどを手掛かりに円売り・ドル買いが進行した。週末を控える中、足もとで進んでいた円高に対するポジション調整目的の買いも入り、一時139.60円まで値を上げた。ただ、前日の高値139.64円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重しになった。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行した。前日の安値1.0382ドルを下抜けて、一時1.0355ドルまで値を下げた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、1.0414ドル付近まで下げ渋った。米長期金利が低下に転じたことも相場を下支えした。本日は米感謝祭翌日で米債券・株式・商品市場が短縮取引となったため、取引参加者が少なく市場流動性が低下した。相場は方向感が出なかった。 

 

NY原油先物市場は続落:世界経済の減速観測が重しに

NY原油先物市場は76.22ドルー79.90ドルのレンジ相場となった。中国で新型コロナウイルスの感染拡大が進み、同国経済の悪化による原油需要の減少を懸念した売りが出た。ロンドン市場で79.90ドルまで買われたが、世界経済の減速観測は後退していないことから、ニューヨーク市場で売りが強まり、通常取引終了後の時間外取引で76.22ドルまで下落した。

 

NY金先物市場は3日続伸:米長期金利の低下を意識した買い

NY金先物市場は1745.90-1761.20ドルのレンジ相場となった。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの思惑が広がるなか、金利を生まない資産である金には買いが入った。アジア市場で1761.20ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて1745.90ドルまで下落したが、米長期金利の低下を意識した買いが入ったことで、通常取引終了後の時間外取引で1756.60ドルまで戻した。

 

米国債券市場はまちまち:短縮取引で参加者少なく方向感出ず

米国債券市場で中期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)4.46%で終了した。また、長期ゾーンは横ばいで終了した。米10年物国債利回りは前営業日比変わらずの3.69%で終了した。米経済指標の発表がなかったうえ、感謝祭翌日で短縮取引となったため、取引参加者が少なく大きな方向感は出なかった。

 

28日週の米国市場:11月雇用統計など重要経済指標に注目

来週は、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演に注目が集まる。そのほか、11月消費者信頼感指数、7-9月期国内総生産(GDP)確定値、全米の製造業活動を示す11月ISM製造業景況指数、11月雇用統計などの重要経済指標に加えFRBがインフレ指標として注視しているPCEコアデフレーターの発表を控える。また、FRBは12月連邦公開市場委員会(FOMC)金融政策決定の材料となるベージュブック(地区連銀景況報告)の発表を予定しており注目となる。
FRBは11月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の中で、かなり多数のメンバーが利上げ減速が適切となる可能性が高いと判断したことが明らかになりドル売りに繋がった。雇用やコアデフレーターの結果や議長の発言が利上げ減速を後押しする内容になるかどうかに焦点が集まる。雇用統計は労働市場が依然ひっ迫している証拠が予想され、FRBの利上げ継続を後押しすると見られる。 

 

 

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