FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

日経平均株価は続伸:11月FOMC議事要旨でハト派的な内容を好感

NYダウは95.96ドル高の34194.06ドル、ナスダックは110.91ポイント高の11285.32ポイントで取引を終了した。週次新規失業保険申請件数が予想以上に増え、11月製造業PMI速報値が予想外に活動縮小域に悪化したため長期金利が低下、これに伴う買いに、寄り付き後は上昇した。その後、感謝祭祭日を控えた手仕舞い売りにNYダウは一時下落に転じた。しかし、午後に連邦準備制度理事会(FRB)が公表した11月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の中で参加者による利上げ減速支持が明らかになり、金利先高観の後退でハイテク主導で再び買われた。主要株式指数はプラス圏で終了した。VIX指数は21.29から20.35へ低下した。

 

NY外国為替市場:弱い米経済指標を受け長期金利低下でドル売り優勢に

ドル/円は、前週分の米新規失業保険申請件数や11月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想より弱い結果となったことを受けて、米長期金利が低下すると全般ドル売りが優勢となった。一目均衡表雲の下限140.83円や節目の140.00円など重要なサポートを下抜けたことで売りが強まった面もある。米連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11月1-2日分)で『ほとんどの当局者は利上げペースの減速が近く適切になると認識』『当局者らは急速な利上げによるリスク増大を認識』との見解が示されたこともドル売りを促し、一時139.17円まで値を下げた。なお、明日24日は米国が感謝祭の祝日で休場、25日も実質休場となることから取引参加者が減少。市場では『連休とサッカーのワールドカップが重なったことで、市場流動性が低下した。薄商いとなる中、値が振れやすい面もあった』との指摘があった。 

 

ユーロ/ドルは、低調な米経済指標が相次いだことをきっかけに米10年債利回りが3.68%台まで低下するとユーロ買い・ドル売りが先行した。FOMC議事要旨公表後に全般ドル売りが加速すると、一時1.0405ドルまで上値を伸ばした。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.03まで低下した。市場では『次回FOMCでは利上げ幅が0.75%から0.50%に縮小され、近く利上げは停止されるだろう』との声も聞かれた。

 

NY原油先物市場は大幅反落:EUがロシア産原油価格に上限設定を検討を嫌気

NY原油先物市場は76.83ドル-81.95ドルのレンジ相場となった。『欧州連合(EU)がロシア産原油価格に65-70ドルの上限を設けることを検討』と報じられたことが材料視された。一時は76.83ドルと5%超の大幅安となる場面も見られた。ロンドン市場の序盤に81.95ドルまで買われたが、世界経済の減速観測が強まり、需給ひっ迫の思惑は後退したことから、ニューヨーク市場で76.83ドルまで反落した。その後は下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に77ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は続伸:米長期金利低下とドル安を好感した買い

NY金先物市場は1719.00-1754.90ドルのレンジ相場となった。外国為替市場でドル売りが進んだことに伴い、ドル建てで取引される金相場の割安感が意識されて買いが入った。ニューヨーク市場の序盤にかけて1719.00ドルまで下落したが、為替相場がドル安方向に振れたことや米長期金利の低下を受けて買いが強まり、通常取引終了後の時間外取引で1754.90ドルまで上昇した。

 

米国債券市場は続伸:低調な米経済指標が相次ぎ買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)4.46%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い3.69%で終了した。低調な米経済指標が相次いだことを手掛かりに債券買いが入ったほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で『ほとんどの参加者が利上げ減速を支持』と伝わったことが相場の支援材料となった。

 

ターミナル・レートの引き上げの可能性を市場はまだ過小評価:ノムラ

米連連邦準備理事会(FRB)が23日、米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(ミニッツ、11月1~2日分)を発表した。この中では、大多数の参加者が『近いうちに利上げペースを減速することが適切になる可能性が高い』との見解が示され、株高・債券高の展開となった。ノムラ・セキュリティーズは23日付のリポートで『全体として、11月のミニッツの大部分は、パウエル議長が記者会見で議論したか、あるいは会合後のFRB高官発言で取り上げられたものだった。12月に50bpの利上げに減速する可能性は高いが、利上げ局面の最終的なFF金利の到達水準であるターミナル・レートの引き上げの可能性を市場がまだ過小評価しているとみている』との見解を示した。リポートでは、同社のターミナル・レート予想(23年5月時点で5.50%~5.75%)を維持しつつ、12月13~14日のFOMCを前に同月3日からブラックアウト期間に入ることを踏まえ、『市場の関心は、11月30日の東部時間13時30分にブルッキングス研究所で行われるパウエル議長の経済と労働市場の見通しに関する講演に移るだろう』とみていた。

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