FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反発:年末高の思惑から持ち高を増やす展開

NYダウは199.37ドル高の33745.69ドル、ナスダックは1.10ポイント高の11146.06ポイント取引を終了した。小売り企業などが発表した決算が市場予想を上回り、投資家心理の改善につながった。半面、石油株やハイテク株の売りを受けてNYダウは下げる場面もあった。市場では、経験則的に年末にかけて株価が上昇しやすくなるのを見越し、機関投資家が持ち高を増やし始めているとの指摘もあった。昼過ぎには上値が重くなり、小幅安に転じる場面もあった。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが米景気後退を招くとの警戒感が相場の重荷だった。NY原油相場が下落し、シェブロンなど石油株が売られた。米長期金利が前日の3.7%台半ばから3.8%台前半に水準を切り上げ、相対的な割高感から顧客情報管理のセールスフォースなど高PERのハイテク株の一角も下げた。VIX指数は23.93から23.12へ低下した。

 

NY外国為替市場:FRB高官によるタカ派発言でドルは強含み

ドル/円は、コリンズ米ボストン連銀総裁が『追加利上げは必要』『景気抑制スタンスはしばらくの間維持する必要』『0.75%の利上げは依然として検討されている』などと発言すると、このところ強まっていた米利上げペースの減速観測が後退した。米長期金利の上昇とともにドル買いが進み、一時140.42円付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値140.50円を上抜けることは出来なかった。

 

ユーロ/ドルは、コリンズ氏の発言が伝わると米10年債利回りが3.82%台まで上昇し、ユーロ売り・ドル買いを誘い、一時1.0314ドルと日通し安値を更新した。なお、前日にはブラード米セントルイス連銀総裁が『現行の政策金利は十分に制約的な水準を下回っている』『少なくとも5%程度まで金利を引き上げる必要があり、より厳格な仮定では7%以上への利上げが推奨される』などと発言した。金融引き締めに積極的な『タカ派』姿勢を示していた。 

 

NY原油先物市場は3日続落:中国の需要鈍化懸念から売り優勢に

NY原油先物市場は77.59ドル-82.43ドルのレンジ相場となった。中国での新型コロナウイルス感染再拡大が、中国の需要鈍化につながるとの見方となった。米国などの金利上昇が景気を圧迫し、エネルギー需要を抑制するとの観測も、原油相場の重しとなった。アジア市場で82.43ドルまで買われたが、その後はじり安となり、ニューヨーク市場の序盤に節目の80ドルを下回った。ポジション調整的な売りが活発となり、一時77.59ドルまで下落した。ただ、80ドル以下では押し目買いも観測されており、通常取引終了後の時間外取引で80.33ドルまで戻している。 

 

NY金先物市場は4日続落:米金利上昇とドル高を嫌気した売り優勢に

NY金先物市場は1749.20-1769.90ドルのレンジ相場となった。米金利上昇や底堅いドルの動きが金相場を重くした。米10年債利回りが3.82%台へ上昇し、金利がつかない資産である金の相対的な投資妙味が低下した。ドルが買われるとドル建て金価格の割高感につながり、相場を押し下げた。ロンドン市場で1769.90ドルまで買われた後は売りが強まり、ニューヨーク市場の後半にかけて1749.20ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では1750ドルを挟んだ水準で取引された。

 

米国債券市場は続落:利上げペースの減速観測が後退で売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)4.51%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い3.82%で終了した。コリンズ米ボストン連銀総裁が講演で一段の利上げに前向きな姿勢を示すと、このところ強まっていた利上げペースの減速観測が後退し債券売りが広がった。 

 

英トラス・ショックによる打撃は軽微:英保険会社L&G

英保険会社L&Gは18日、トラス前政権の財政計画を受けて英国債市場が急落した『トラス・ショック』による打撃は軽微との見通しを示した。9月末から10月にかけての英国債利回りの急上昇で、ライアビリティー・ドリブン・インベストメント(LDI、債務主導投資)の運用戦略を取っていた年金基金が苦境に追い込まれた。

L&GはLDI運用で英国でブラックロックなどに並ぶ大手。18日の営業報告によると、LDI戦略の破綻で顧客が担保の追加差し入れをするために手数料がより高い商品を売却した結果、確定給付年金資産管理部門の2022年収入と利益が約1000万ポンド減少する見込み。ただし総利益の見通しは維持。LDIが利益に占める割合は21年と同じく2%程度と予想した。

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