FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続落:FRB高官のタカ派発言で売り優勢に

NYダウは7.51ドル安の33546.32ドル、ナスダックは38.70ポイント安の11144.96ポイントで終了した。米連邦準備理事会(FRB)高官が金融引き締めに積極的な『タカ派』姿勢を示した。米長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感を意識した売りが優勢になった。もっとも、好決算を発表した銘柄などが上昇し、取引終了にかけて下げを縮小した。セントルイス連銀のブラード総裁が講演で、今の政策金利について『まだ十分に景気に制限的な水準に達していない』と述べ、一段の利上げの必要性を主張した。米長期金利が一時は3.8%と前日終値から上昇し、NYダウは一時300ドル超下落する場面もあった。VIX指数は24.11から23.93へ低下した。

 

NY外国為替市場:FRB要人のタカ派発言受けドル買い強まる

ドル/円は、欧州序盤に138.88円と日通し安値を付けたものの、前日の安値138.74円が目先サポートとして意識されるとじりじりと下値を切り上げる展開となった。ブラード米セントルイス連銀総裁はこの日、『現行の政策金利は十分に制約的な水準を下回っている』『少なくとも5%程度まで金利を引き上げる必要があり、より厳格な仮定では7%以上への利上げが推奨される』などと発言した。米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となり、前日の高値140.29円を上抜けて一時140.74円まで上値を伸ばした。なお、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁はイベントで『政策金利をどこまで引き上げなければならないかはまだ分からない』などと語った。

 

ユーロ/ドルは、ブラード氏が金融引き締めに積極的な『タカ派姿勢』を示したことで、このところ強まっていた利上げペースの減速観測が後退した。米長期金利が上昇しドル買いが進んだ。前日の安値1.0331ドルを下抜けて、23時過ぎに一時1.0305ドルと日通し安値を付けた。ただ、16日の安値1.0280ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。ユーロ/豪ドルやユーロ/ポンドなど一部ユーロクロスが上昇したことも相場を下支えした。 

 

NY原油先物市場は大幅続落:中国の感染再拡大による景気減速懸念から売り

NY原油先物市場は81.19ドル-84.98ドルのレンジ相場となった。中国本土において新型コロナウイルス新規感染者数が連日で2万人を超えており、感染再拡大による景気減速が原油ほかエネルギー需要の後退につながるとの観測が重しになった。ポーランドに着弾したミサイルがロシアの直接攻撃によるものではないとの見方も、地政学的な懸念を多少和らげ、エネルギー供給網に関する不安を幾分緩めた。アジア市場の序盤で84.98ドルまで買われたが、その後はじり安となり、ニューヨーク市場の序盤に83ドル台前半まで下落した。その後、84.28ドルまで戻したが、需給ひっ迫に対する警戒感は一段と低下し、ニューヨーク市場の後半にかけて81.19ドルまで一段安となった。通常取引終了後の時間外取引では主に82ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

NY金先物市場は3日続落:米金利上昇とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1756.60-1777.60ドルのレンジ相場となった。米金利の上昇やドル高が重しになった。米10年債利回りが一時3.8%台へ上昇するなか、ユーロなど主要通貨に対してドル買いが先行した。金利がつかない資産である金の相対的な投資妙味の低下が意識されたほか、ドル高がドル建て金価格の割高感につながり、NY金先物を重くした。アジア市場で1777.60ドルまで買われたが、ロンドン市場では米長期金利の反発やドル高を意識した売りが優勢となり、1770ドルを下回った。その後も伸び悩み、ニューヨーク市場で一時1756.60ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では1765ドルを下回る水準で取引された。 

 

米国債券市場は下落:FRB要人のタカ派発言で売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.1%高い(価格は下落)4.45%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%高い3.76%で終了した。ブラード米セントルイス連銀総裁が金融引き締めに積極的な『タカ派』姿勢を示したことで、このところ強まっていた利上げペースの減速観測が後退し債券売りが広がった。

 

FTX破綻で仮想通貨で不安共振:ジェネシス引き出し停止

暗号資産(仮想通貨)交換業者FTXトレーディングの経営破綻の影響が広がってきた。仮想通貨の貸し付けなどを手掛ける米ジェネシス・グローバル・トレーディングは16日、顧客の出金を停止した。同業のブロックファイも破産法の適用申請の準備を始めていると米紙が報じた。いずれもFTXとの取引関係がある会社である。

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