★NY株式市場は反発:地政学リスクの高まりから上げ幅縮小
NYダウは56.22ドル高の33592.92ドル、ナスダックは162.19ポイント高の11358.41ポイントで取引を終了した。10月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの見方が強まる中、株買い先行し、一時450ドル超上昇した。ただ、先週の大幅高を受けた利益確定目的の売りが出ると下げに転じる場面があった。『ロシアのミサイルが北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランドに着弾し、死者が出た』との報道を受けて、地政学リスクの高まりが意識されると一時210ドル超下落した。VIX指数は23.73から24.54へ上昇した。
★NY外国為替市場:ドル売り先行後に米長期金利の低下幅縮小で買い戻し
ユーロ/ドルは、欧州時間発表の11月独ZEW景況感指数が予想を上回ったことを受けて、NY市場に入ってもユーロ買い・ドル売りが進行した。10月米卸売物価指数(PPI)が前月比0.2%/前年同月比8.0%と予想の前月比0.4%/前年同月比8.3%を下回り、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比横ばい/前年同月比6.7%と予想の前月比0.3%/前年同月比7.2%より弱い数字となったことが分かるとドル売りがさらに進み、一時1.0479ドルと7月1日以来の高値を付けた。ただ、ユーロの上値は重かった。『ロシアのミサイルが北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランドに着弾し、死者が出た』との報道が伝わると、ウクライナ情勢の一段の悪化が懸念されてユーロ売りが優勢になった。アジア時間の安値1.0312ドルを下抜けると一時1.0280ドルまで下げ足を速めた。
ドル/円は、米PPIの下振れを受けて米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの見方が強まると一時137.68円と8月29日以来の安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢になった。米長期金利が低下幅を縮めたことなどが相場を下支えして、139.69円付近まで下げ渋った。クックFRB理事やバーFRB副議長が『インフレは高すぎる』との見解を示したことも買い戻しを誘った。
★NY原油先物市場は反発:需要減少を想定した売り一巡で買い戻し
NY原油先物市場は84.06ドル-88.68ドルのレンジ相場となった。中国の需要の行方が不透明なことや、石油輸出国機構(OPEC)の需要見通し下方修正を嫌気した前日来の流れが先行した。一時84.06ドルと、10月25日以来の84ドル割れに迫った。しかし、そこからは弱い米卸売物価指数(PPI)を受けた米金利低下をにらみ、米国株高とともに原油相場にもリスク選好を意識した買い戻しが入った。その後、ロシアのミサイルがポーランドに着弾とのニュースがリスク回避の米国株下振れを誘ったが、エネルギー供給の行方に関する不透明感が原油相場の下支え要因となった。需要減少を想定した売りはロンドン市場の中盤で一巡し、84.06ドルまで下げた後、ニューヨーク市場の終盤にかけて88.68ドルまで戻す展開となった。通常取引終了後の時間外取引では主に87ドルを挟んだ水準で推移した。
★NY金先物市場は4営業日ぶりに小反落:利益確定売り強まる
NY金先物市場は1770.20-1791.80ドルのレンジ相場となった。米金利が低下するなか、金利のつかない資産である金を買う動きが先行し一時1791.8ドルと8月17日以来、約3カ月ぶりの高値へ上振れた。しかし、同水準で上昇はいったん頭打ち。3営業日続伸後の利益確定売りが強まり、前日比マイナスの水準へ沈んで引けた。ただ、引け近辺にロシアのミサイルがポーランドに着弾とのニュースが伝わり、時間外取引で安全資産の金は買われた。アジア市場で1770.20ドルまで下げたが、ユーロが下げ渋っていることを受けて反転し、ニューヨーク市場の序盤にかけて1791.80ドルまで買われた。ただ、この水準では利食い売りも観測されており、1771.00ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では1780ドルを挟んだ水準で取引されている。
★米国債券市場は反発:10月PPIが予想を下回ったことで買い優勢に
米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)4.33%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%低い3.77%で終了した。10月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの見方が強まり債券買いが先行した。『ロシアのミサイルがポーランドに着弾した』と伝わったことも債券買いを促した。
★FTX破綻の影響で米ブロックファイも破産申請を準備か:WSJ報道
暗号資産(仮想通貨)の買い付けを手掛ける米ブロックファイが破産申請に向けた準備を進めている。米紙WSJ電子版が15日に報じた。日本の民事再生法に相当する連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請した仮想通貨交換業大手FTXトレーディングに対し『大きなエクスポージャー(投融資残高)』があると認めているという。報道によると、ブロックファイは先週、FTXを巡る不確実性を理由に通常営業ができないとして顧客の出金を停止した。関係者の話では同社は従業員の一部を一時解雇(レイオフ)する計画で、チャプター11の適用を受ける可能性があり準備を進めているという。
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