FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は米長期金利上昇から売り優勢に

NYダウは211.16ドル安の33536.70ドル、ナスダックは127.11ポイント安の11196.22ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事のタカ派発言を受けた金利上昇を警戒し、寄り付き後は下落した。その後、ブレイナード副議長が利上げ減速が間もなく適切となるとの見通しを示すと警戒感も緩和し、上昇に転じた。しかし、戻り高値からは長期金利上昇を嫌気した売り圧力が強く、終盤にかけ再び大きく下落して終了した。VIX指数は22.52から23.73へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米利上げペースが緩まるとの観測根強い

ドル/円は、週明け早朝取引に伝わったウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事のタカ派的な発言が意識されて円売り・ドル買いが先行し、一時140.80円と日通し高値を付けた。ただ、ブレイナードFRB副議長がイベントで『おそらく利上げペースを減速するのが間もなく適切になるだろう』と発言すると139.65円付近まで伸び悩んだ。米国のインフレがピークアウトしたとの期待から、FRBが利上げペースを緩めるとの観測は根強い。 

 

ユーロ/ドルは、パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事が『需給動向の不確実性から、どの程度の金融政策の調整が必要かについては慎重であり続ける必要がある』と発言するとユーロ売り・ドル買いが先行し、一時1.0272ドルと日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後はブレイナードFRB副議長の発言などを手掛かりに買い戻しが進み、1.0359ドル付近まで下げ渋った。 

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは下げ渋った。仮想通貨交換業最大手バイナンスのチャンポン・ジャオ最高経営責任者(CEO)が『FTXトレーディングの破綻の悪影響が連鎖することを抑えるため、業界の回復基金設立に動く』と表明すると、対ドルで一時1万7146ドル前後、対円で240万円台まで買い戻される場面があった。

 

NY原油先物市場は3営業日ぶりに大幅反落:世界石油需要の下方修正を嫌気

NY原油先物市場は85.16ドル-89.84ドルのレンジ相場となった。先週後半は、中国のコロナ関連規制緩和のニュースを受け、需要持ち直しの期待から買われた。しかし、中国の需要持ち直しを確信してよいが不透明な部分もあり反落。石油輸出国機構(OPEC)月報で、今年と来年の世界石油需要の見通しをそれぞれ日量10万バレルずつ下方修正したことも追い打ちをかけた。アジア市場の序盤で89.84ドルまで買われたが、ドル安を意識した買いは一巡し、ニューヨーク市場の終盤にかけて85.16ドルまで反落。85ドル台では押し目買い興味も観測された。通常取引終了後の時間外取引では主に85ドル台で推移し、上値の重い状態が続いた。 

 

NY金先物市場は3日続伸:ユーロの底堅い動きを好感した買い

NY金先物市場は1755.80-1778.40ドルのレンジ相場となった。ドル相場や米金利水準の戻りが弱く、先週までのドル安・金利低下を支援とした金上昇の流れは転換しなかった。前営業日比マイナスで取引をスタートしたが、一時1778.4ドルと、先週末の高値1775.6ドルを上抜け、8月25日以来の水準で推移する場面があった。ロンドン市場で1755.80ドルまで下げたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて1778.40ドルまで戻している。長期金利は底堅い動きが続いているが、ユーロは下げ渋っており、通常取引終了後の時間外取引でも1775ドルを上回る水準で取引されている。

 

米国債券市場は反落:米金融政策展開期待が後退で売り

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.07%高い(価格は下落)4.39%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い3.85%で終了した。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が『FRBは次回会合で利上げペースの減速を検討する可能性があるが、インフレ抑制に向けた取り組みが弱まったと受け止めるべきではない』と発言すると、金融政策転換期待が後退し債券売りが出た。

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