FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反発:中国のゼロコロナ政策緩和期待から買い

NYダウは401.97ドル高の32403.22ドル、ナスダックは132.31ポイント高の10475.25ポイントで取引を終了した。中国当局の『ゼロコロナ』政策緩和期待に寄り付き後は大幅上昇した。10月雇用統計では依然健全な労働市場が証明されたものの同時に失業率が上昇するなど一部弱まる兆候も見られ、さらに一部連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言を受け利上げ減速観測も再燃し長期金利が一時低下すると一段高となった。その後、長期金利が再び上昇すると相場は失速した。引けにかけて再び大きく上昇する変動の激しい展開となり終了した。VIX指数は25.30から24.55へ低下した。

 

NY外国為替市場:米シカゴ連銀総裁の利上げペースの減速発言でドル売り

ドル/円は、米雇用統計の発表直後に148.19円付近まで上昇したものの、その後は米長期金利の低下とともに進んだドル売りの流れに沿って146.56円まで反落した。米金利の低下が一服すると147.34円近辺まで切り返す場面もあったが、週末を控えた持ち高調整の動きも進む中で戻りは限られた。エバンズ米シカゴ連銀総裁から利上げペースの減速について言及があったことも重しとなり、引けにかけては再び安値圏まで押し戻された。なお、この日発表された10月米雇用統計は強弱まちまちな内容となった。非農業部門雇用者数変化は26.1万人増と市場予想(20.0万人増)を上回った一方、失業率は3.7%と予想(3.6%)より弱い結果となった。

 

ユーロ/ドルは、全般にドル安が進んだ流れに沿った。米雇用統計の公表後は一時的に0.9753ドル付近まで弱含む場面も見られたが、すぐに買い戻しが優勢になった。欧米株高を背景にしたリスク選好の買いも進み、一時0.9966ドルまで上値を伸ばした。 

 

NY原油先物市場は急反発:中国の需要拡大期待から買い優勢に

NY原油先物市場は87.82ドル-92.87ドルのレンジ相場となった。中国が『ゼロコロナ政策』の緩和を検討との報道を受け、経済活性化からエネルギー需要拡大が期待されてアジア時間から買いが強まっていた。NY勢の本格参入後もリスク選好地合いにも後押しされて上値を試す展開になった。引けにかけて92ドル後半まで一段高となり、約1カ月ぶりの高値を更新した。アジア市場の序盤に87.82ドルまで下げたが、中盤にかけて90ドル台に上昇した。ニューヨーク市場の後半にかけて92.87ドルまで一段高となった。通常取引終了後の時間外取引でも主に92ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は大幅反発:ドル安進行を好感した買い

NY金先物市場は1631.10-1686.40ドルのレンジ相場となった。中国が『ゼロコロナ政策』の緩和に動くとの期待感から商品市場全般に買いが優勢となるなか、金先物も時間外から1650ドル台を回復していた。注目された10月米雇用統計はまちまちな結果ではあったものの失業率が予想より悪化した。結果を受けて為替市場ではドル安が進行し、それを追い風にドル建て金も上値を伸ばした。アジア市場の序盤で1631.10ドルまで売られたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の終盤にかけて1686.40ドルまで一段高となった。ドル安を意識した買いが観測されたが、米失業率の上昇も意識された。通常取引終了後の時間外取引では、主に1680ドルを上回る水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:米雇用統計結果受け売買が交錯

米国債券市場で中期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)4.68%で終了した。また、長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)4.16%で終了した。10月米雇用統計が強弱まちまちな結果となったことを受け、その後の債券相場は売買が交錯した。10年物国債利回りも上下に振れたが、総じて方向感は出なかった。 

 

 

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