FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:個別企業決算内容に振れる展開

NYダウは194.17ドル高の32033.28ドル、ナスダックは178.32ポイント安の10792.68ポイントで取引を終了した。7-9月期国内総生産(GDP)速報値で3四半期ぶりプラス成長に回復したためリセッション懸念が後退し、寄り付き後は上昇した。重機メーカーのキャタピラー(CAT)など良好な主要企業決算を好感した買いや連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ減速期待も根強く、長期金利が低下したことも相場を支援、NYダウは終日堅調に推移した。一方、昨日引け後に発表されたソーシャルネットワークプラットフォームを提供するフェイスブック(FB)運営のメタプラットフォームズ(META)の低調な決算を受けた株価の下落がナスダック総合指数を押し下げた。VIX指数は27.28から27.39へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:ECBの決定がハト派的な内容だったことで全般ユーロ売り

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日開いた理事会で、市場予想通り政策金利を0.75%引き上げることを決めたと発表した。声明では『インフレ率がタイムリーに2%に回帰するよう、追加の利上げを想定する』と表明した。また、ラガルドECB総裁は理事会後の会見で『インフレ見通しに対するリスクは主に上方』『経済見通しのリスクは明らかに下方向』『今会合では意図的に量的引き締め(QT)について議論しなかった』などと述べた。市場ではECBの決定が想定よりもハト派的な内容だったと受け止められ、ユーロ圏国債利回りの低下とともに全般ユーロ売りが進み、一時0.9958ドルと日通し安値を更新した。なお、ユーロ/豪ドルは一時1.5392豪ドル、ユーロ/NZドルは1.7038NZドル、ユーロ/ポンドは0.8609ポンド、ユーロ/カナダドルは1.3498カナダドルまで値を下げた。 

 

ドル/円は、アジア時間には145.11円と7日以来の安値を付けたものの、欧州市場に入ると買い戻しが優勢になった。対ユーロ中心にドル買いが進んだ影響もあり、一時146.93円と日通し高値を更新した。ただ、NYの取引時間帯に入ると再び上値が重くなった。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの観測が高まる中、米10年債利回りが3.89%台まで低下すると円買い・ドル売りが優勢となり、145.67円付近まで下押しした。なお、7-9月期米国内総生産(GDP)速報値や個人消費は予想を上回った一方、9月米耐久財受注額は予想を下回るなど強弱入り混じる結果となった。

 

NY原油先物市場は3日続伸:需要の先行き楽観的な見方から買い優勢に

NY原油先物市場は87.33ドル-89.79ドルのレンジ相場となった。エネルギー需要の先行きに楽観的な見方を背景に買いが継続した。米7-9月期GDPが前期比で市場予想を上回る+2.6%となり、リセッション懸念が緩んだのも原油の買いを後押した。ロンドン市場で87.33ドルまで下落したが、米長期金利の低下を意識して89.79ドルまで買われた。その後はポジション調整的な売りも観測され、通常取引終了後の時間外取引では主に89ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

NY金先物市場は3日ぶりに反落:ユーロ安を受け売り優勢に

NY金先物市場は1658.50-1674.80ドルのレンジ相場となった。米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが減速するとの観測が強いなか、米長期金利の低下に伴い、金利を生まない金は底堅い動きも、欧州中央銀行(ECB)政策イベントを受けてドル高・ユーロ安が進み、ドル建ての金は割高感から売りに押された。アジア市場で1674.80ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて1658.50ドルまでじり安となった。ユーロ買いが縮小したことなどが意識された。ただ、米長期金利の低下を受けて1669.70ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では主に1665ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続伸:欧州債の買いに連れた買いが優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.13%低い(価格は上昇)4.28%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%低い3.92%で終了した。欧州債や英国債の上昇を受けて米国債にも買いが先行した。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの観測も引き続き相場の支援材料となった。 

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