FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:景気後退懸念から米長期金利低下を好感

NYダウは337.12ドル高の31836.74ドル、ナスダックは246.51ポイント高の11199.12ポイントで取引を終了した。予想を下回った住宅関連指標を受け景気後退懸念が強まり、寄り付き後は下落した。その後発表された10月消費者信頼感指数も悪化したため長期金利が大幅に低下すると買いが強まり、上昇に転じた。金利低下に加えてドル安、さらに、決算への期待を受けてハイテク株も強く、相場全体を押し上げ、引けにかけて上げ幅を拡大して終了した。米主要企業の四半期決算を巡り、『投資家が警戒したほど悪くない』との見方が広がったことも買いを促した。VIX指数は29.85から28.46へ低下した。

 

NY外国為替市場:不調の米経済指標を受け米長期金利低下でドル売り

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの観測が高まる中、米10年債利回りが一時4.05%台まで急低下すると全般ドル売りが先行した。8月米ケース・シラー住宅価格指数や10月米消費者信頼感指数、10月米リッチモンド連銀製造業景気指数など、この日発表の米経済指標が軒並み予想を下回ったこともドル売りを促し、一時147.52円と日通し安値を更新した。その後の戻りも148.15円付近にとどまった。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時110.76と約3週間ぶりの低水準を付けた。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の10月独Ifo企業景況感指数が予想を上回ったことでユーロ買い・ドル売りが先行した。米利上げ減速観測が高まる中、米長期金利の低下に伴うドル売りも優勢となり、一時0.9977ドルと日通し高値を更新した。ただ、1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)に乗せることは出来ず、NY午後に入ると0.9960ドルを挟んだもみ合いに終始した。 

 

ポンドは全面高となった。英国でスナク元財務相が新首相に就任し、『経済の安定と政治への信頼感を取り戻す』と確約したほか、組閣では債券市場の沈静化に貢献したハント財務相を再任した。英財政運営の安定を期待したポンド買いが優勢となった。ポンド/ドルは一時1.1499ドル、ポンド/円は169.95円まで値を上げたほか、ユーロ/ポンドは0.8665ポンドまでポンド高に振れた。

 

NY原油先物市場は反発:米長期金利の低下と株高を意識した買い優勢

NY原油先物市場は83.06ドル-86.03ドルのレンジ相場となった。米長期金利の低下や米経済指標のさえない結果を受けてドル安が進み、ドル建ての原油に割安感が生じたことが相場の支えとなった。ただ、米中の景気先行きへ懸念が強く、エネルギー需要見通しに対する警戒感が引き続き原油相場の重しとなり、上値は限られている。ロンドン市場で83.06ドルまで下落したが米長期金利の低下や株高を意識してニューヨーク市場の中盤にかけて86.03ドルまで戻した。ただ、その後はポジション調整的な売りが観測され、一時84.77ドル近辺まで弱含みとなり、通常取引終了後の時間外取引では主に85ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

NY金先物市場は小反発:米長期金利低下とドル安を意識した買い

NY金先物市場は1641.20-1666.80ドルのレンジ相場となった。米長期金利が大幅低下し、為替市場でドル安が進み、ドル建ての金は割安感から買いが優勢となった。ロンドン市場で1641.20ドルまで売られたが、米長期金利の低下を受けて金先物の買いが強まり、ニューヨーク市場の中盤にかけて1666.80ドルまで買われた。ただ、その後は米国株高を意識した利食い売りが観測されており、やや上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では1660ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場は反発:米FRBの利上げペース減速の思惑から買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)4.45%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.14%低い4.10%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの観測が高まる中、債券買いが優勢となった。この日発表の米経済指標が軒並み低調となったことも債券買いを誘った。

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