★米国株式市場は続伸:米景気後退を回避できるとの期待感から買い
NYダウは417.06ドル高の31499.62ドル、ナスダックは92.90ポイント高の10952.61ポイントで取引を終了した。20日に辞意を表明したトラス英首相の後任にスナク元財務相が就任することが固まると、英国の財政運営が安定するとの期待から欧州株相場が軒並み上昇した。また、国内経済が深刻な景気後退を回避できるとの期待感に寄り付き後は上昇した。さらに、今週控えている主要ハイテク企業決算の順調な結果を期待した買いも加わり、終日堅調に推移した。また、連邦準備制度理事会(FRB)が今後、利上げペースを減速するとの思惑も根強く、引けにかけては上げ幅を一段と拡大し終了した。VIX指数は29.69から29.85へ上昇した。
★NY外国為替市場:NY時間帯では149円を挟んでもみ合い
ドル/円は、政府・日銀による円買い介入への警戒感が高まる中、東京時間に一時145.56円、欧州時間に148.29円まで急落したものの、いずれの場合もすぐに反発した。日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いが出たほか、本邦実需勢の買いが観測された。ただ、NY勢が本格参入する時間帯に入ると149.00円を挟んだもみ合いに終始した。なお、複数のメディアが報じたところによると、『政府・日銀が21日に実施した円買い介入の規模は5.5兆円に達した可能性がある』とのこと。9月22日に実施した2.8兆円を大幅に上回り、過去最大となった可能性がある。また、イエレン米財務長官はこの日、日本政府が為替市場に再び介入しているとの報道についてはコメントを拒否し、『日本からは通知を受け取っていない』と述べた。
ユーロ/ドルは、欧州市場では10月ユーロ圏製造業・サービス部門PMI速報値が下振れたことで、ユーロ圏の景気後退懸念が強まり一時0.9807ドルまで売られた。ただ、NY市場に入ると買い戻しが優勢になった。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの観測がユーロ買い・ドル売りを誘ったほか、10月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回ったことが相場の支援材料となり一時0.9893ドル付近まで値を上げた。もっとも、アジア時間に付けた日通し高値0.9899ドルを上抜けることは出来なかった。
★NY原油先物市場は反落:中国の需要低迷懸念が重しに
NY原油先物市場は82.63ドル-85.92ドルのレンジ相場となった。習中国国家主席への権力集中で、中国経済の先行きへの懸念が強まったことや、中国9月貿易統計で原油の輸入が減少し、需要の低迷が続いていることが確認されたことが重しとなった。ロンドン市場で82.63ドルまで下落したが、株高を意識してニューヨーク市場の中盤にかけて85.92ドルまで戻した。ただ、その後はポジション調整的な売りが観測され、一時84ドル近辺まで弱含みとなり、通常取引終了後の時間外取引では主に84ドル台で推移した。
★NY金先物市場は反落:米長期金利上昇と米株高を嫌気した売り
NY金先物市場は1648.00-1675.50ドルのレンジ相場となった。時間外取引で低下気味だった米長期金利が上昇したことや、米株の大幅高が金の上値を圧迫した。ただ、来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、値動きは限られた。アジア市場の序盤に1675.50ドルまで買われたが、米長期金利の下げ渋りを受けて金先物の上値は重くなり、ニューヨーク市場の中盤にかけて1648.00ドルまで売られた。ただ、その後は押し目買いが入り、1657.00ドルまで戻しており、通常取引終了後の時間外取引では1652ドルを上回る水準で推移した。
★米国債券市場はまちまち:重要イベント控え神経質な動き
米国債券市場で中期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)4.48%で終了した。また、長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)4.24%で終了した。今週予定されている2・5・7年債入札や来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)など、重要イベントを控えて神経質な動きとなった。
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