FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は大幅反発:米利上げの鈍化の思惑を好感した買い

NYダウは748.97ドル高の31082.56ドル、ナスダックは244.87ポイント高の10859.71ポイントで取引は終了した。10年債利回りが2007年来の高水準となる長期金利の上昇を警戒し寄り付き後は下落し、一時120ドル超下落した。その後、FRBの伝達手段の一つとしても知られるウォールストリート・ジャーナル紙が、FRBが11月FOMCで0.75%利上げ後、利上げペース減速を協議する可能性を報じたため、12月FOMCでの小幅幅利上げの思惑が強まり、金利が低下に転じると主要株式指数は上昇に転じた。サンフランシスコ連銀のデイリー総裁のより小幅な利上げを計画し始めるべきとの発言も手伝い引けにかけて上げ幅を拡大し終了した。VIX指数は29.98から29.69へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:米利上げ減速観測と円買い介入でドル急落

ドル/円は、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いがこの日も先行し、一時151.95円と1990年7月以来32年ぶりの高値を更新した。米10年債利回りが一時4.3354%前後と2007年11月以来の高水準を記録したことも相場の支援材料となった。
ただ、NY勢が本格参入する時間帯に入ると一転売りが優勢になった。米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は最新の投稿で『11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では通常の3倍にあたる0.75%の利上げを決め、12月に0.50%に利上げペースを落とすかどうかを議論する公算が大きい』『一部の当局者は過度な景気悪化を警戒し、利上げ減速や来年早々の利上げ停止を求めている』と指摘した。米利上げ減速観測が高まると、米金利が急低下しドル売りが広がった。23時30分頃からは円買いが活発化した。市場では政府・日銀による円買い介入観測が高まり、一時146.23円まで急速に値を下げた。日経新聞は関係者の話として『政府・日銀は為替介入に踏み切った』と報じた。市場では『WSJの記事で米利上げ減速観測が高まったのを見計らったかのような絶妙のタイミング』『週末のNY時間に介入はないだろうと予想していた投資家は多かった』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利が15年ぶりの高水準を更新したことを手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行し、一時0.9705ドルと日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢になった。WSJ記事をきっかけに米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの観測が高まると、米金利が急低下し一転ドル売りが進んだ。一時は120ドル超下落したNYダウが780ドル超上昇したこともリスク選好のドル売りを促し、0.9869ドルと日通し高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時111.70まで低下した。なお、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁はこの日、『利上げペースを緩める時期に近づいている可能性』などと発言した。タカ派とみられていたデイリー氏の姿勢がハト派に傾いたこともドル売りを誘った。

 

NY原油先物市場は上昇:米国株高に連れた買い優勢に

NY原油先物市場は83.15ドル-85.90ドルのレンジ相場となった。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを遅くするとの観測が広がると、米国株高とともに原油先物にも買いが強まった。ロンドン市場で83.15ドルまで下落したが、株高を意識してニューヨーク市場の序盤にかけて85.90ドルまで戻した。その後、週末前のポジション調整的な売りが観測され、一時84ドルを下回ったが、通常取引終了後の時間外取引では85ドルを挟んだ水準で推移し、下げ渋った。

 

NY金先物市場は続伸:ドル高一服から買い優勢に

NY金先物市場は1621.10-1663.10ドルのレンジ相場となった。米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者が『12月に0.50%に利上げペースを落とすかどうかを議論する公算が大きい』との記事を投稿したことで米長期金利の低下とドル売りが活発化した。ドルの代替資産とされる金に買いが入った。アジア市場の終盤にかけて1621.10ドルまで下落したが、ドル高が一服したことから、ニューヨーク市場の中盤にかけて買いが強まる展開となった。通常取引終了後の時間外取引で上げ幅は拡大し、1663.10ドルまで上昇した。

 

米国債券市場は反発:FRBの利上げペース減速観測で買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.10%低い(価格は上昇)4.50%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い4.22%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる中、債券売りが先行した。利回りは一時4.3354%前後と2007年11月以来の高水準を記録した。ただ、WSJ記事をきっかけにFRBが利上げペースを減速するとの観測が高まると、一転買い戻しが優勢となり持ち直した。利回りは一時4.19%台まで低下した。

 

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