FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:米長期金利の上昇を嫌気した売り優勢に

NYダウは99.99ドル安の30423.81ドル、ナスダックは91.89ポイント安の10680.51ポイントで取引を終了した。米10年債利回りが一時4.1335%前後と2008年7月以来の高水準を更新すると、株式の相対的な割高感が意識されて売りが広がった。一時300ドル近く下落した。ただ、好決算を発表した銘柄には買いが入ったため、指数は上げに転じる場面もあった。引けにかけて金利が一段と上昇すると、主要株式指数も一段安となり終了した。VIX指数は30.50から30.76へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い優勢に

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる一方、日銀は大規模な金融緩和策を維持しており、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いがこの日も続いた。米20年債入札が『低調』と伝わると、米10年債利回りが一時4.1377%前後と2008年7月以来の高水準を記録した。全般ドル買いが優勢となり、一時149.91円と1990年8月以来32年ぶりの高値を更新した。ただ、心理的節目である150円に迫る中、政府・日銀による為替介入への警戒感も根強く、一本調子で上昇する展開にはならなかった。 

 

ポンド/ドルは軟調だった。英財政への懸念が薄らぐ一方、英中銀(BOE)の金融政策運営やトラス英首相の政権担当能力など、先行き不透明感が増しており一時1.1186ドルと日通し安値を付けた。ポンド/円も一時167.64円まで値を下げた。なお、英国では政局不安が高まっている。ブレイバーマン英内相はこの日、大型減税など経済対策の撤回に追い込まれ、逆風が強まっているトラス首相を暗に批判した形で辞任した。14日に財務相を解任されたクワーテング氏に続き、トラス氏は主要閣僚2人を失った。市場では『短期間での重要閣僚の交代は、求心力が下がっているトラス政権にさらなる打撃となるだろう』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の大幅上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て、一時0.9757ドルと日通し安値を更新した。安く始まった米国株が上げに転じた場面ではリスク・オフのドル買いが後退したため、ユーロ/ドルは0.98ドル台前半まで下げ渋ったが、米国株が失速するとリスク回避のドル買いが再び強まった。 

 

NY原油先物市場は4日ぶりに反発:需給ひっ迫懸念から買い優勢

NY原油先物市場は81.72ドル-85.02ドルのレンジ相場となった。週間在庫統計で原油在庫が大幅に減少したことを受けて需給ひっ迫懸念から買いが強まった。なお、バイデン米大統領はこの日、米国の戦略石油備蓄を1500万バレル追加放出すると発表した。ロンドン市場の序盤にかけて81.72ドルまで売られたが、ポジション調整的な売りはニューヨーク市場の中盤までに一巡した。需給悪化の思惑は後退し、通常取引終了後の時間外取引で一時85.02ドルまで買われる場面があった。 

 

NY金先物市場は続落:米長期金利の大幅上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1632.20-1659.80ドルのレンジ相場となった。米長期金利が大幅に上昇したため、金利を生まずドル建てで取引される金は売りが優勢となった。アジア市場で1659.80ドルまで買われたものの、上値の重さは払しょくされず、米長期金利の上昇を意識した売りが観測された。通常取引終了後の時間外取引で1632.20ドルまで下落した。

 

米国債券市場は下落:米FRBの大幅利上げ継続懸念から売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.11%高い(価格は下落)4.55%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.12%高い4.13%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる中、債券売りが優勢となった。米20年債入札が『低調』だったことも相場の重しとなり、利回りは一時4.1377%前後と2008年7月以来の高水準を更新した。 

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