FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反発:英国発の世界金融市場混乱へのリスク緩和を好感

NYダウは550.99ドル高の30185.82ドル、ナスダックは354.41ポイント高の10675.80ポイントで取引を終了した。英国の財政刺激策の撤回で同国の財政悪化をきっかけにした世界金融市場混乱へのリスク警戒感が緩和し、寄り付き後は上昇した。バンク・オブ・アメリカの四半期決算が予想を上回ったことで、米企業業績悪化への懸念が和らぎ買いが優勢となったほか、長期金利の低下も手伝い、終日堅調に推移した。VIX指数は32.02から31.37へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドル/円は32年ぶりの高値更新

ユーロ/ドルは、英トラス政権が9月に打ち出した大規模減税策のほぼ全てを撤回すると表明したことで、英金融市場の混乱が収束に向かうとの期待が高まり欧州株相場が上昇した。米国株相場も堅調に推移したため、為替市場ではリスク選好のドル売りが優勢となった。10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が▲9.1と予想の▲4.0を下回ったこともドル売りを促し、前週末の高値0.9808ドルを上抜けて一時0.9852ドルまで上値を伸ばした。

 

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる一方、日銀は大規模な金融緩和策を維持しており、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いが優勢となった。前週末の高値148.86円を上抜けて一時149.09円と1990年8月以来32年ぶりの高値を付けた。ただ、欧米株価の上昇に伴うリスク選好のドル売りも出たため、上昇のスピードは緩やかだった。 

 

NY原油先物市場は続落:需要の先行き警戒感から売り優勢に

NY原油先物市場は83.70ドル-86.18ドルのレンジ相場となった。エネルギー需要の先行き警戒感から84.61ドルまで売られる場面があった。もっとも、対ユーロでドル安が進んだため、ドル建てで取引される原油の割安感が生じた。ニューヨーク市場の序盤にかけて83.70ドルまで下げたものの、まもなく86.18ドルまで買われた。株高を好感した買いが入った。ただ、世界経済の減速懸念、中国における需要低迷の懸念は消えていないことから、84.06ドルまで反落し、通常取引終了後の時間外取引では84ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は4営業日ぶりに反発:ドル安や米長期金利低下を好感

NY金先物市場は1649.10-1674.30ドルのレンジ相場となった。相場続落に対する反動から押し目買いが入ったほか、対ユーロでのドル安や米長期金利の低下が支援材料となった。アジア市場の序盤で1649.10ドルまで下げた後、自律反発狙いの買いが入ったことでニューヨーク市場の序盤にかけて1674.30ドルまで買われた。ただ、その後は株高を意識した利食い売りが観測されており、上げ幅は縮小。通常取引終了後の時間外取引で1652.50ドルまで下げている。

 

米国債券市場は反発:英国債相場の急伸に連れた買いが波及

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)4.44%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い4.01%で終了した。英トラス政権が9月に打ち出した大規模減税策のほぼ全てを撤回すると表明したことで、英財政悪化への懸念が後退すると英国債相場が急伸した。米国債にも買いが波及した。ただ、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる中、債券売りも出やすく上値は限定的だった。 

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