FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:米FRBの大幅利上げ観測が強まり売り優勢に

NYダウは395.05ドル安の29643.67ドル、ナスダックは327.76ポイント安の10321.39ポイントで取引を終了した。ロシアのプーチン大統領がタカ派姿勢を弱める発言をしたため地政学的リスクが低下、また、英国のトラス首相が財務相を交代、法人税率引上げ凍結撤回を発表したため金融市場混乱への懸念も緩和し投資家心理改善で寄り付き後は上昇した。しかし、10月ミシガン大消費者信頼感指数、期待インフレ率が予想を上回ると連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げ観測がさらに強まり長期金利上昇とともに売りが再燃して下落に転じた。前日に大幅高となったあとだけに、週末でポジションを手仕舞う売りも散見され、引けにかけ下げ幅を拡大して終了した。VIX指数は31.94から32.02へ上昇した。

 

NY外国為替市場:期待インフレ率が予想を上回ったことで全般ドル買い

ドル/円は、前日の9月米消費者物価指数(CPI)が上振れたことで、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる中、円売り・ドル買いが先行した。米ミシガン大学が発表した10月消費者態度指数(速報値)が59.8と予想の59.0を上回ったほか、消費者の期待インフレ率が予想を上回ったことが伝わると、全般ドル買いが活発化した。節目の148.00円を上抜けて一時148.86円と1990年8月以来32年ぶりの高値を付けた。NY午後に入ると、若干伸び悩む場面もあった。市場では『円安の加速を受けて、政府・日銀が再び円買い介入に踏み切るとの警戒感が高まっている』との声が聞かれ、148.56円付近まで下押しした。日銀がこの日公表した当座預金残高が1兆円下振れたことで、『日銀が13日に円買い介入を実施したのではないか』との観測も浮上している。なお、鈴木俊一財務相は国際通貨金融委員会(IMFC)後に『日本は為替市場の高いボラティリティを極めて憂慮している』『為替動向が及ぼす影響は国際社会としても注視すべき』との声明を発表した。 

 

ユーロ/ドルは、プーチン露大統領が『ウクライナに対する大規模な攻撃は今のところ計画していない』『ウクライナ侵攻のための国民の動員がほぼ完了しつつある』と発言すると、ウクライナ情勢を巡る過度な警戒感が後退しユーロを買い戻し動きが先行し、一時0.9800ドル付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値0.9808ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。ミシガン期待インフレ率の上振れで米長期金利が上昇に転じたこともドル買いを促し、一時0.9708ドルと日通し安値を付けた。その後の戻りも0.9768ドル付近にとどまった。 

 

オセアニア通貨は軟調だった。一時は390ドル超上昇したダウ平均が失速し、420ドル超下落するとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが出た。豪ドル/米ドルは0.6194米ドル、NZドル/米ドルは0.5550米ドルまで値を下げたほか、豪ドル/円は92.11円、NZドル/円は82.57円と日通し安値を付けた。

 

NY原油先物市場は大幅に反落:世界経済の減速懸念強まる

NY原油先物市場は85.20ドル-89.73ドルのレンジ相場となった。13日に国際エネルギー機関(IEA)が発表した月報では、来年の世界原油需要に対する予想が従来見込みから下方修正された。これが材料視され時間外から売り戻しが優勢になった。NY勢の本格参入後に米長期金利の上昇が嫌気されて米株が売られると、リスク資産でもある原油も下げ足を速めた。一時85ドル前半まで下値を広げた。アジア市場で89.73ドルまで買われたが、世界経済の減速懸念、中国における需要低迷観測を受けてリスク回避の売りが活発となった。米国株安も嫌気され、85.20ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では85ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は3日続落:米金利上昇やドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1645.60-1677.80ドルのレンジ相場となった。米ミシガン大学10月消費者態度指数(速報値)が予想を上回り、期待インフレ率も上昇していたことが分かると米長期金利が上昇した。金利の付かない金の価値を相対的に押し下げた。また為替でドル高が進行したこともドル建て金の重しとなった。月初来の安値となる1646ドル台まで一時下げた。アジア市場で1677.80ドルまで買われたが、10月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値や1年期待インフレ率が予想を上回ったことを受けて売りが優勢となった。ドル高や米長期金利の上昇が観測されたことで通常取引終了後の時間外取引で1645.60ドルまで下落している。

 

米国債券市場は続落:英国債券の下落につれた売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)4.50%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%高い4.02%で終了した。英国債相場の下落につれた売りが出たほか、米ミシガン大学が発表した消費者の期待インフレ率が予想を上回ったことが相場の重しとなった。

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