FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は大幅反発:買い戻しの動きが加速し反発

NYダウは827.87ドル高の30038.72ドル、ナスダックは232.05ポイント高の10649.15ポイントで取引を終了した。9月消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったため、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース加速観測が強まり金利高を警戒した売りに寄り付き後は大幅安となった。その後、CPIのピーク感が広がり長期金利が低下に転じたほか、ドル高も一段落したため買戻しが加速し大きく上昇に転じた。引けにかけて、明日に予定されている銀行決算を期待した買いも強まり、大幅高で終了した。VIX指数は33.57から31.94へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドル/円は介入警戒感強まると一転下落

ドル/円は、注目の9月米消費者物価指数(CPI)が総合/コアともに予想を上回ったことが伝わると、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まり、米長期金利の上昇とともドル買いが活発化した。上値の目処として意識されていた1998年8月の高値147.66円を上抜けて一時147.67円と90年8月以来の高値を付けた。ただ、32年ぶりの高値を付けたことで、政府・日銀による円買い介入への警戒感が強まると一転下落した。高値更新から約1分で146.50円の本日安値まで売り込まれた。もっとも、日米金融政策の方向性の違いから押し目買い意欲も旺盛で、そのあとは147.51円付近まで持ち直した。米国株相場の持ち直しに伴うクロス円の上昇もドル円のサポートとなった。 

 

ユーロ/ドルは、予想を上回る米インフレ指標をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行すると一時0.9633ドルと日通し安値を付けたものの、米長期金利の上昇が一服すると再び強含む展開になった。一時は540ドル超下落したNYダウが上げに転じ、950ドル超上昇すると為替市場ではリスク選好のドル売りが加速し、一時0.9806ドルと日通し高値を更新した。なお、米10年債利回りは一時4.0754%前後と2008年10月以来14年ぶりの高水準を付けたものの、そのあとは3.89%台まで低下する場面があった。

 

ポンド/円は急伸した。『英当局者らはトラス首相の減税計画を方向転換する作業を進めている』との一部報道が伝わると、英財政悪化への懸念が和らぎ全般ポンド買いが進行した。米国株相場の持ち直しに伴う円売り・ポンド買いも出て一時167.29円まで値を上げた。日本時間夕刻に付けた日通し安値162.32円から約5円の上昇となった。

 

NY原油先物は4日ぶりに反発:米国株高を意識した買い優勢に

NY原油先物市場は85.56ドル-89.66ドルのレンジ相場となった。9月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回り、金利先高観の強まりを嫌気して米株が下げると、リスク資産でもある原油にも売りが強まった。一時85ドル半ばまで下値を広げている。ただその後に米株主要指数が大きく切り返すと原油先物も急ピッチで値を上げ、安値から4ドル超高い水準まで買われる場面があった。米インフレ進行を警戒して85.56ドルまで下げたが、米国株式の反発を好感した買いが入ったことで89.66ドルまで上昇した。その後は利食い売りも観測されており、上昇一服となった。通常取引終了後の時間外取引では主に89ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は小幅続落:ドル高を嫌気した売り優勢に

NY金先物市場は1648.30-1688.90ドルのレンジ相場となった。9月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ると米金利が急上昇し、為替はドル買いが強まった。これらを嫌気して金には売り圧力が強まり、一時1648ドル台と約2週間ぶりの安値を記録した。ただその後に米金利の上昇が一服し、ドル売り戻しも進んだため、金先物は下げ幅を縮小して終えた。ロンドン市場で1688.90ドルまで反発したが、米インフレ指標が予想を上回ったことを受けて一時1648.30ドルまで下落した。しかしながら、ユーロ安が一服したことから、自律反発狙いの買いが入っており、通常取引終了後の時間外取引では主に1670ドルを上回る水準で推移した。

 

米国債券市場は反落:FRBによる金融引き締め継続との思惑から売り広がる

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.18%高い(価格は下落)4.46%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い3.95%で終了した。9月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方が強まると債券売りが広がった。利回りは一時4.0754%前後と2008年10月以来14年ぶりの高水準を付けた。ただ、売り一巡後は値ごろ感から押し目買いが入り上げに転じる場面もあった。市場では『4%を超える利回りは投資家にとって魅力的』との声が聞かれた。

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