FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:英国発の金融市場混乱への警戒感強まり売り優勢

NYダウは36.31ドル高の29239.19ドル、ナスダックは115.91ポイント安の10426.19ポイントで取引を終了した。 国際通貨基金(IMF)が世界国内総生産見通しを下方修正したほか、重要インフレ指標の発表を控え長期金利が最近の高水準付近に再び近づき警戒感から売りが先行し、寄り付き後は下落した。その後、NY連銀の9月1年期待インフレ率の低下で大幅利上げ観測が緩和し、買戻しが強まり一時上昇に転じた。しかし、引けにかけ、英中銀のベイリー総裁が市場機能回復のために実施していた緊急国債購入を計画通り今週で終了することを表明すると金融市場混乱への警戒感に伴う売りが再燃し、上げ幅を縮小した。ハイテクは下落で終了した。VIX指数は32.45から33.63へ上昇した。

 

NY外国為替市場:英中銀総裁の発言をきっかけにドル買い優勢

ドル/円は、米ニューヨーク連銀が発表した9月の消費者期待調査で、1年先のインフレ期待が5.4%と前回の5.7%から低下し、1年ぶりの低水準を記録すると、米10年債利回りが3.86%台まで低下した。全般ドル売りが優勢となり、一時145.43円と日通し安値を付けた。安く始まった米国株が持ち直したこともリスク回避の巻き戻しによるドル売りを誘った。ただ、ベイリー英中銀(BOE)総裁の発言をきっかけに米国株が失速し、米10年債利回りが上昇に転じると一転ドル買いが優勢になり、一時145.90円と9月22日に付けた24年ぶりの高値に面合わせした。

 

ポンド/ドルは行って来いの展開となった。BOEはこの日、緊急措置として導入した一時的な超長期の国債買い入れに加えて、物価連動国債も買い入れ対象に加えると発表した。英国債相場の下落(金利は上昇)が一服したことを手掛かりに全般ポンドを買い戻す動きが広がり、一時1.1180ドルまで値を上げた。ただ、ベイリーBOE総裁が『市場への介入は一時的なもの、週末までに我々は手を引く』『(年金基金に対し)残されているのはあと3日』と述べ、国債購入は予定通り14日に終了するとの見通しを改めて表明すると、失望売りが膨らんだ。5時過ぎには1.0953ドルまで値を下げた。年金基金からは少なくとも今月末までの延長が求められていた。

 

ユーロ/ドルは、NY連銀が発表した1年先のインフレ期待が1年ぶりの低水準を付けたことが分かると、米長期金利の低下にとともにドル売りが先行した。前日の高値0.9753ドルを上抜けて一時0.9775ドルまで上値を伸ばした。ただ、ポンドドルの急落をきっかけに全般ドル買いが優勢になると0.9694ドル付近まで下押しした。 

 

NY原油先物市場は続落:需要減への懸念が高まり売り優勢に

NY原油先物市場は87.91ドル-91.35ドルのレンジ相場となった。世界的な景気減速への警戒感が根強く残るなかエネルギー需要減への懸念が高まり、昨日からの売りの流れが継続した。国際通貨基金(IMF)は世界経済見通しを発表し、2023年の世界成長率予測を前回2.9%から2.7%に引き下げた。またエネルギー消費大国の中国も成長率鈍化が見込まれている。アジア市場で91.35ドルまで買われたが、ドル高などを意識してじり安となり、ニューヨーク市場の終盤にかけて87.91ドルまで一段安となった。88ドル近辺では押し目買いが観測されており、原油先物の下げ幅はやや縮小。通常取引終了後の時間外取引では主に88ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は3日ぶりに反発:時間外取引で売り強まる

NY金先物市場は1667.50-1691.30ドルのレンジ相場となった。為替相場のドル高を背景に時間外では上値の重い展開が続いた。ただNY勢の本格参入後からは下値を切り上げる展開になった。為替がドル安に振れ、割安感が生じたドル建て金には買い戻しが強まった。ショートカバーを巻き込みながら一時1691ドル台まで上値を伸ばした。ロンドン市場で1667.50ドルまで下げた後、ニューヨーク市場で1691.30ドルまで反発したが、終盤にかけて売りが再び強まる展開となった。通常取引終了後の時間外取引では主に1675ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:米インフレ指標発表を控え上値の重い展開

米国債券市場で中期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)4.29%で終了した。また、長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.07%高い(価格は下落)3.95%で終了した。米NY連銀が発表した1年先のインフレ期待が1年ぶりの低水準を付けたことで債券買いが強まる場面もあったが、上値は重かった。12日の9月米卸売物価指数(PPI)や13日の9月米消費者物価指数(CPI)を控える中、売りが出やすい地合いとなった。 

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