★米国株式市場は続落:FRBが金融引き締め継続観測を嫌気した売り優勢
NYダウは93.91ドル安の29202.88ドル、ナスダックは110.30ポイント安の10542.10ポイントで取引を終了した。売られ過ぎ感などから押し目買いが先行し、寄り付き後は上昇した。しかし、シカゴ連銀のエバンス総裁のタカ派発言を受け、11月連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げ観測が一段と強まり売りが再燃し下落に転じた。さらに、高インフレを受けた主要企業の低調な四半期企業決算を警戒した売りや、ロシアがウクライナのキーウなどへの都市攻撃を再び激化させたことによる地政学的リスク上昇も更なる売り圧力となり、一段安となった。引けにかけて、ブレイナードFRB副議長が引き締めの必要性と同時に、市場や世界経済に不透明性が強まった場合の政策修正の可能性などに言及したため安心感から買戻しが優勢となり、下げ幅を縮小して終了した。VIX指数は31.36から32.45へ上昇した。
★NY外国為替市場:FRBが積極的な金融引き締め継続との見方からドル買い継続
ドル/円は、前週末の9月米雇用統計を受けて、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方から、この日もドル買いが続いた。ウクライナ情勢激化への懸念からリスク回避のドル買いも優勢となり、一時145.80円まで値を上げた。ただ、9月22日に付けた年初来高値145.90円がレジスタンスとして意識されると伸び悩む場面もあった。政府・日銀による円買い介入への警戒感もある。なお、ブレイナードFRB副議長は講演で『インフレが時間とともに目標に戻ることを確実にするため、金融政策はしばらくの間制限的になるだろう』『不透明性は依然高く、見通しの変化や世界的なリスク双方を注視している』などと述べた。
ユーロ/ドルは、『ドイツはエネルギー危機対応でEU共同債を支持する』との一部報道が伝わると、独長期金利の上昇とともにユーロ買いが先行し、一時0.9745ドル付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値0.9753ドルが目先レジスタンスとして意識されると0.9685ドル付近まで押し戻された。なお、独政府関係者はこの報道を否定している。
ポンド/ドルは頭が重かった。英中銀(BOE)はこの日、国債市場安定化策の長期国債買い入れ措置が今週末に終了するのを前に、買い入れ上限を倍増するなど、市場が再び混乱することを防ぐための措置を発表した。ただ、国債購入は予定通り14日に終了する予定であることを改めて強調された。英国債市場が再び不安定化することを警戒したポンド売りが優勢となり、一時1.1020ドルと日通し安値を更新した。
★NY原油先物市場は反落:減産を想定した買いは一巡
NY原油先物市場は90.56ドル-93.64ドルのレンジ相場となった。序盤には8月末以来の高値となる93.60ドル台まで一気に上昇。ただ、先週一週間を通して大幅に上昇した反動で一巡後は利益確定売りが優勢となった。米国の積極的な金融引き締めは継続されると見込まれるなか、リセッションへの根強い警戒感も原油相場の重しとなった。ニューヨーク市場の序盤にかけて93.64ドルまで買われたが、その後は減産を想定した買いは一巡したことやドル高が嫌気されたことで利食い売りが増えた。通常取引終了後の時間外取引で一時90.56ドルまで下げている。
★NY金先物市場は大幅に続落:ドル高を嫌気した売り優勢に
NY金先物市場は1672.50-1707.40ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル高が進行し、ドル建ての金に割高感が生じて売りが強まった。先週発表された9月米雇用統計を受けて米国の積極的な利上げ観測が高まったことも、金利が付かない金には依然として重しとなった。アジア市場の序盤で1707.40ドルまで買われた後はじり安となり、ニューヨーク市場の序盤にかけて1672.50ドルまで下落。安全逃避的なドル買いが優勢となり、換金目的の売りが観測された。ただ、押し目買いが入ったことで金先物は下げ止まり、一時1678.70ドルまで戻した。通常取引終了後の時間外取引では主に1675ドルをやや上回る水準で推移した。
★米国債券市場は休場
10日の米国債券市場はコロンブスデーのため休場
7日終値:米2年物国債利回りは4.308%、米10年物国債利回りは3.888%
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