FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:大幅な利上げ継続観測の緩和で買い優勢に

NYダウは825.436ドル高の30316.32ドル、ナスダックは360.97ポイント高の11176.41ポイントで取引を終了した。債務健全性への懐疑的見方に株式が売られていた金融のクレディスイス株が持ち直したため市場混乱への警戒感が後退し欧州からの流れを継いだ買いに、寄り付き後は上昇した。その後、8月JOLT求人件数が予想を下回り7月から大幅に減少した結果を受け労働市場の需要鈍化を見込み大幅利上げ継続観測が緩和された。長期金利が一段と低下すると、さらなる上昇に繋がった。VIX指数は30.10から29.07へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利の低下でドル売りやや優勢に

ドル/円は、欧州株高に伴うクロス円の上昇につれた円売り・ドル買いが先行すると、一時144.93円と日通し高値を付けたものの、政府・日銀による円買い介入への警戒感から節目の145円には届かなかった。米労働省が発表した8月の雇用動態調査(JOLTS)では、求人件数が1005.3万件と前回の1117.0万件から大幅に減少し、予想の1108.8万件を下回った。週末の9月米雇用統計に注目が集まる中、米労働市場の軟化が示されたことで、米長期金利の低下とともにドル売りが優勢となった。米金利低下で米国株相場が上げ幅を拡大したこともリスク・オンのドル売りを促し、一時143.90円と日通し安値を更新した。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の8月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)が過去最高を記録したことでユーロ買いが先行した。予想を下回る米労働指標をきっかけに、ひっ迫した状況が続いていた米労働市場の軟化が示されたとの見方から、米利上げ減速観測が高まったこともドル売りを誘い、一時0.9999ドルと9月20日以来の高値を付けた。 

 

NY原油先物市場は続伸:産油国の大幅減産観測で買い優勢

NY原油先物市場は83.22ドル-86.98ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)加盟国や他の主要産油国による枠組みOPECプラスが『閣僚級会合で最大日量200万バレルの減産を検討』と、これまで伝わっていた100万バレルを上回る減産について一部通信社が報じた。大幅減産の観測が押し上げ要因となり一時86.98ドルと、9月15日以来の87ドル回復に迫った。アジア市場の序盤に83.22ドルまで売られたが、欧米株高やユーロ高を意識した買いが入ったことでニューヨーク市場の序盤にかけて86.98ドルまで一段高となった。その後は上げ渋ったが、通常取引終了後の時間外取引でも86ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は3日続伸:米長期金利低下でユーロ高を意識した買い優勢

NY金先物市場は1704.00-1738.70ドルのレンジ相場となった。週末に米雇用統計の発表を控えるなか、予想を下回る8月米雇用動態調査(JOLTS)を受けた米金利低下・ドル売りが進行した。金利が付かない資産であり、ドルの代替資産とみなされることもある金の相対的な投資妙味が高まった。ドル安はドル建て金価格の換算値の切り上がりにもつながり一時1738.70ドルと、9月13日以来の高値をつけた。アジア市場で1704.00ドルまで下げたが、ユーロ高を受けた買いが入ったことでまもなく反転し、ロンドン市場で1721.80ドルまで買われた。ニューヨーク市場の序盤で一時1715.00ドルまで反落したが、米長期金利の低下やユーロ高を意識した買いが強まり、ニューヨーク市場の後半にかけて1738.70ドルまで一段高となった。米国株の続伸を意識して多少上げ渋ったものの、通常取引終了後の時間外取引でも1730ドル台で推移した。 

 

米国債券市場は続伸:主要中銀が利上げペースを緩めるとの思惑から買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは小幅続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)4.09%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い3.63%で終了した。金融市場の不安定化リスクに配慮して主要中銀が利上げペースを緩めるとの思惑が浮上する中、世界的に債券買いが進んだ流れに沿った。8月雇用動態調査(JOLTS)が予想を下回ったことも相場を下支えした。

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