FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反発:低調な経済指標の結果受け米長期金利低下を好感

NYダウは765.38ドル高の29490.89ドル、ナスダックは239.81ポイント高の10815.43ポイントで取引を終了した。英国のトラス政権が最高所得税率引き下げを撤回したため世界金融市場混乱への不安が緩和し買戻しが先行し、寄り付き後は上昇した。9月ISM製造業景況指数や8月建設支出が予想下回り、パンデミックによる経済封鎖直後の2020年来の低水準に落ち込む低調な経済指標の結果を受け連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース加速懸念が後退、長期金利低下に伴う買いが強まり、一段高となった。前週末に2020年11月以来の安値を更新したあとだけに短期的な戻りを期待した買いも入った。VIX指数は31.62から30.10へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が低下したことでドル売り活発化

ドル/円は、東京市場や欧州市場では145円台に乗せる場面もあったが、政府・日銀による円買い介入への警戒感が根強い中、上値は重かった。NYの取引時間帯に入ると、9月米ISM製造業景気指数が50.9と予想の52.2を下回ったことが伝わり、米10年債利回りが前営業日比0.2631%低い3.5655%前後まで大幅に低下した。全般ドル売りが活発化し、前週末安値144.21円を下抜けて一時144.16円まで値を下げた。ただ、引けにかけてはクロス円の上昇につれた買いが入り、144.79円付近まで下げ渋った。

 

ユーロ/ドルは、予想を下回る米ISM製造業景気指数を受けて、米長期金利が急低下すると全般ドル売りが進行した。米国株相場の大幅上昇につれて欧州株が持ち直したこともユーロの支援材料となり、一時0.9844ドルと日通し高値を更新した。その後の下押しも0.9789ドル付近にとどまった。 

 

オセアニア通貨は堅調だった。ダウ平均が一時920ドル超上昇するなど、米株式相場が底堅く推移するとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に買いが集まった。豪ドル/米ドルは0.6522米ドル、NZドル/米ドルは0.5731米ドルまで値を上げたほか、豪ドル/円は94.36円、NZドル/円は82.82円と日通し高値を更新した。

 

NY原油先物市場は3営業日ぶりに反発:産油国の追加減産への思惑から買い

NY原油先物市場は80.87ドル-84.56ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)加盟国や他の主要産油国による枠組みOPECプラスによる追加減産へ向けた動きが押し上げ要因となった。一時84ドル台と、9月22日以来の水準まで上昇した。アジア市場の序盤に80.87ドルまで売られたが、株高を意識した買いが入ったことでニューヨーク市場の序盤にかけて84.56ドルまで上昇した。その後、82ドル台前半まで下げる場面があったが、通常取引終了後の時間外取引では83ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は大幅続伸:米長期金利低下を好感した買い優勢

NY金先物市場は1666.50-1710.40ドルのレンジ相場となった。9月15日以来、約半月ぶりに1700ドル台を回復。米金利低下やドル安が支援となった。金利低下により、金利が付かない資産である金の相対的な価値が高まった。ドル安がドル建て金相場の換算値を押し上げたり、ドルの代替資産とされることもある金の投資妙味を高めたりしたことも、押し上げ要因となった。ロンドン市場で1666.50ドルまで下げたが、米長期金利の低下やユーロ安が一服したことから、ニューヨーク市場の中盤にかけて1700ドル台を回復した。米国株高を意識してやや上げ渋ったが、通常取引終了後の時間外取引で1710.40ドルまで買われた。 

 

米国債券市場は大幅反発:欧州債相場の上昇や弱い経済指標受け買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは大幅反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.17%低い(価格は上昇)4.10%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.19%低い3.64%で終了した。英政府が『所得税の最高税率を引き下げる案を撤回する』と表明し、同国の財務悪化に対する懸念が和らぐと欧州債相場が上昇した。米国債にも買いが波及した。9月米ISM製造業景気指数が予想を下回ったことも買いを促し、利回りは一時3.5655%前後まで低下した。

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