FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続落:米国の金利先高観を警戒した売り優勢に

NYダウは500.10ドル安の28725.51ドル、ナスダックは161.89ポイント安の10575.62ポイントで取引を終了した。9月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)やミシガン大学消費者信頼感指数確報値が予想を下回る低調な結果で景気減速懸念を受けた売りに、寄り付き後は下落した。長期金利の低下に伴い一時上昇に転じるが、連邦準備制度理事会(FRB)の高官が講演やイベントで時期尚早の利上げ終了を警告したため金利先高観を受けた売りに押された。ロシアのプーチン大統領がウクライナ4州の併合を宣言、英米が追加対ロ制裁を発表し、地政学的リスクもさらなる売り圧力となり、引けにかけ下げ幅を拡大し終了した。また、6-8月期決算で収益性懸念が強まったナイキが大きく下落し、1銘柄でNYダウを70ドルほど押し下げた。VIX指数は31.84から31.62へ低下した。

 

NY外国為替市場:米金利上昇でドルは底堅く推移

ユーロ/ドルは、日本時間夕刻に一時144.21円と日通し安値を付けたものの、前日の安値144.07円が目先サポートとして働くと買い戻しが進んだ。日米金融政策の方向性の違いから押し目買い意欲も旺盛で、一時144.81円と日通し高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している8月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが前年比4.9%上昇と予想の4.7%上昇を上回ったことも相場の支援材料となった。米10年債利回りは取引終盤に3.83%台まで上昇した。ただ、政府・日銀による円買い介入への警戒感から節目の145円には届かなかった。市場では22日の円買い介入が行われた145円台が防衛ラインとして意識されている。

 

ユーロ/ドルは、高インフレと主要中銀の大幅利上げ長期化がユーロ圏景気の後退懸念を強めており、ユーロ売り・ドル買いが出やすく一時0.9735ドルと日通し安値を更新した。ただ、9月米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)や9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値が予想を下回ったことが分かるとドル売りで反応し、0.9818ドル付近まで下げ渋る場面があった。市場では『月末・四半期末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測された』との声も聞かれた。

 

オセアニア通貨は軟調だった。一時は130ドル超上昇したNYダウが500ドル超下落するなど、米株式相場が軟調に推移するとリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが出た。豪ドル米ドルは0.6392米ドル、NZドル米ドルは0.5591米ドルまで売られたほか、豪ドル円は92.52円、NZドル円は80.95円まで値を下げた。

 

NY原油先物市場は続落:ドル高と米国株安を嫌気した売り優勢に

NY原油先物市場は79.14ドル-82.56ドルのレンジ相場となった。ハリケーン『イアン』がサウスカロライナ州に上陸したことや、石油輸出国機構(OPEC)が来週追加減産について話し合いが持たれるとの報道で、原油先物は強含む場面もあった。しかしながら、アジア時間や欧州時間に軟調な動きを見せていたドルが買い戻されたことや、米株が徐々に下げ幅を広げたことなどを嫌気し原油先物は続落して引けた。ロンドン市場の序盤に82.56ドルまで買われたが、株安などを嫌気してニューヨーク市場の序盤にかけて79.14ドルまで反落した。その後、一時81ドル台まで戻す場面があったが、通常取引終了後の時間外取引では79ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は反発:ドル高と米長期金利上昇で上値の重い展開

NY金先物市場は1667.50-1684.40ドルのレンジ相場となった。米債利回りが低下したことで金先物は一時1680ドル台まで上昇した。しかしながら、徐々にドルに買い戻しが入ると、ドルで取引される金先物は割高感から上値が重くなり上げ幅を大きく縮小して引けた。アジア市場で1667.50ドルまで下げた後、ロンドン市場で1680ドル台を回復した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1670ドル近辺まで売られたが、米国株安を意識して一時1684.40ドルまで買われた。ただ、米長期金利の上昇を受けて通常取引終了後の時間外取引では1670ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:米金融引き締め長期化観測から売り強まる

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)4.27%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い3.83%で終了した。月末・期末の機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが先行したものの、NY午後に失速した。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締め長期化観測を背景に、引けにかけて売りが強まった。 

 

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