FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は大幅反落:景気後退懸念が再燃して売り強まる

NYダウは458.13ドル安の29225.61ドル、ナスダックは314.13ポイント安の10737.51ポイントで取引は終了した。4-6月期価格指数確定値が1981年以来で最高となったほか、週次新規失業保険申請件数が予想外に減少したため大幅利上げを織り込む長期金利の上昇で、寄り付き後は下落した。一部企業が売り上げに悲観的見通しを示したため景気後退懸念も再燃しさらなる売り圧力となり終日軟調に推移した。携帯端末のアップル(AAPL)の下落も相場を一段と押し下げ、引けにかけて一段安となった。アナリストが投資判断を引き下げたスマートフォンのアップルは5%超下げた。VIX指数は30.18から31.84へ上昇した。

 

NY外国為替市場:月末・四半期末に絡んだユーロ・ポンド買いフロー

ユーロ/ドルは、『ドイツ連立政権はガス価格の上限設定で合意』との報道が伝わるとユーロ買いが先行した。月末・四半期末が接近する中、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測されると、ユーロはポンド以外の通貨に対して上昇した。フィキシング通過後も堅調に推移し、取引終了間際に一時0.9816ドルと日通し高値を更新した。 

 

ポンドは全面高となった。対ドルでは一時1.1120ドル、対ユーロでは0.8819ポンド、対円では160.60円まで値を上げた。市場では『月末・四半期末を控える中、ポンド買いのフローが断続的に観測された』との指摘があった。

 

22日の政府・日銀による円買い介入が行われた145円台が『防衛ライン』として意識される中、しばらくは144円台後半でのもみ合いが続いたが、NY勢が本格参入する時間帯に入ると徐々に上値が重くなった。ポンドやユーロに対してドル安が進んだ影響を受けたほか、米10年債利回りが一時3.71%台まで低下したことが相場の重しとなり144.26円付近まで下押しした。その後の戻りも144.64円付近にとどまった。なお、ブラード米セントルイス連銀総裁は『米連邦準備理事会(FRB)の迅速な利上げによりインフレを抑制することを望む』『市場は最新のドットプロットでメッセージを理解している』と述べたほか、『英国の情勢が米見通しに影響を及ぼすことはない』との見方を示した。

 

NY原油先物市場は反落:世界的な景気減速懸念から売り優勢に

NY原油先物市場は80.34ドル-82.94ドルのレンジ相場となった。一日を通して方向感のない値動きが続いたが、引けにかけては売りが優勢になったことで反落して引けた。メキシコ湾に大型のハリケーンが上陸していることや、ドルが欧州通貨を中心に売りが入ると、ドルで取引される原油先物は割安感から前日比でプラス圏に入る場面もあった。しかし、引けにかけて米国株が下げ幅を広げたことで、世界的な景気減速懸念の高まりを嫌気した売りが頭を抑えた。ロンドン市場の序盤に80.34ドルまで下落した。その後、ユーロ高を意識して82.94ドルまで戻したが、米国株安が嫌気された。通常取引終了後の時間外取引では主に81ドル台で推移。

 

NY金先物市場は反落:米長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1649.30-1673.10ドルのレンジ相場となった。昨日大幅に低下した米長期金利が上昇したことで、金利のつかない金先物は売りが優勢だった。しかしながら、月末を前にロンドンフィキシング絡みで欧州通貨に対してドル売りが入ると、ドルで取引される金先物は割安感から買い戻しが入り下げ幅を縮小して引けた。ニューヨーク市場の中盤にかけて米国株安を意識した買いが入っており、一時1673.10ドルまで戻したが、長期金利の上昇を受けて伸び悩んだ。取引終了後の時間外取引では主に1670ドルを下回る水準で推移。

 

米国債券市場は反落:英国債売りに連れた売りが優勢に

米国債券市場で中長期は反落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)4.21%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い3.78%で終了した。前日は英中銀(BOE)が一時的に長期債を買い入れると発表したことを受けて、英国債相場が大幅反発(金利は低下)したものの、1日で流れが反転し、この日の英国債相場は下落した。米国債にも売りが波及した。 

 

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