FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:値ごろ感からの買いで下げ幅縮小

NYダウは125.82ドル安の29134.99ドル、ナスダックは26.58ポイント高の10829.50ポイントで取引は終了した。シカゴ連銀のエバンス総裁が『利上げが経済に浸透するには時間がかかる』ため行き過ぎた利上げに懸念を表明し金利が低下、安心感から買戻しが優勢となり、寄り付き後は上昇した。新築住宅販売件数や消費者信頼感指数が予想を上回る強い結果を好感し一時買いが先行したが、長期金利が大幅上昇に転じると、警戒感から売られ下落に転じた。引けにかけ、ハイテク株が値ごろ感から買われ下げ止まると、NYダウも下げ幅を縮小し終了した。VIX指数は32.26から32.60へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利の上昇でドルは底堅く推移

ドル/円は、8月米新築住宅販売件数や9月米消費者信頼感指数など、この日発表の米経済指標が軒並み予想を上回ったことが分かると全般ドル買いが先行した。米5年債入札が『低調』と伝わり、米10年債利回りが3.9901%前後と2010年4月以来の高水準を更新するとドル買いが活発化し、一時144.90円と日通し高値を付けた。ただ、政府・日銀による円買い介入への警戒感から節目の145円には届かなかった。市場では『22日の円買い介入が行われた145円台が防衛ラインとして意識されている』との声も聞かれる。

 

ユーロ/ドルは、イタリアで極右主導の新政権が誕生する見通しのほか、ウクライナに侵攻するロシアが強硬姿勢を強めるとの警戒感からユーロ売り・ドル買いが出やすかった。この日発表の米経済指標が軒並み予想を上回ったことが分かると、全般ドル買いが優勢となり一時0.9569ドルと日通し安値を付けた。ただ、前日に付けた約20年ぶりの安値0.9554ドルがサポートとして働くと徐々に買い戻しが進み、0.9601ドル付近まで下げ渋った。 

 

ポンド/ドルは頭が重かった。英政権の大型減税策が国債増発による需給悪化やインフレ懸念を強めており、この日も英国債が大幅に下落(利回りは急騰)した。英株やポンドにも売りが出やすい地合いとなり、一時1.0659ドル付近まで下押しした。なお、英30年債利回りは節目の5%を突破し、一時5.018%前後と02年以来の高水準を付けたほか、英10年債利回りも4.537%前後と08年11月以来の高水準を記録した。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反発:供給不安から買い優勢に

NY原油先物市場は76.42ドル-79.51ドルのレンジ相場となった。石油生産施設のあるメキシコ湾近辺にハリケーン・イアンが迫っていることで、供給不安から原油先物価格は堅調に推移した。一部通信社が『ロシアは次回の石油輸出国機構(OPEC)プラス会合で100万バレルの減産を提案する』との報道が流れると79ドル半ばまで上昇する場面もあった。アジア市場の序盤に76.42ドルまで下げたが、ドル高や米長期金利の上昇などを嫌気した調整売りは一巡し、アジア市場の中盤にかけて78ドル台を回復した。ロンドン市場では伸び悩んだが、ニューヨーク市場の序盤にかけて79.51ドルまで上昇した。通常取引終了後の時間外取引では78ドル台で推移した。 

 

NY金先物市場は3日ぶりに反発:自律反発狙いの買い

NY金先物市場は1628.70-1650.10ドルのレンジ相場となった。昨日大幅に上昇した米金利が低下していたことで、一時1650ドルを上回り金先物価格は上昇した。しかし、米経済指標(9月米消費者信頼感指数、9月米リッチモンド連銀製造業景気指数、8月米新築住宅販売件数)が強い結果となると、米金利が再び上昇したこともあり、金先物は引けにかけては上げ幅をほぼ吐き出して小幅高で引けた。アジア市場の序盤で1628.70ドルまで下げたが、ロンドン市場で1650.10ドルまで戻した。米長期金利の上昇を意識した売りが観測されたが、自律反発狙いの買いが入ったことやユーロ安は一服しつつあることから、金先物は下げ渋った。取引終了後の時間外取引では主に1640ドルを下回る水準で推移した。 

 

米国債券市場はまちまち:英国債の大幅安が米国債相場の重し

米国債券市場で中期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)4.28%で終了した。また、長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)3.94%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの観測を背景に売りが先行した。英国債相場がこの日も大幅安となったことも相場の重しになった。米5年債入札が低調だったことが分かると売りが加速し、利回りは一時3.9901%前後と2010年4月以来の高水準を付けた。 

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