FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:過剰な利上げによる景気後退懸念から売り優勢

NYダウは173.27ドル安の30961.82ドル、ナスダックは167.32ポイント安の11552.36ポイントで取引を終了した。小売売上高が予想を上回ったほか、先週分新規失業保険申請件数の減少で連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げを織り込む長期金利の上昇を警戒した売りに寄り付き後は下落した。一時、押し目買いが見られたものの、長期金利の上昇でハイテクが売られたほか、過剰な利上げによる景気後退懸念を受けた売りも強まり、主要株式指数は一段安となり終了した。VIX指数は26.16から26.27へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米経済指標が強弱入り混じる結果となり方向感出ず

ドル/円は、NY市場に限れば方向感に乏しく、もみ合いの展開となった。米連邦準備理事会(FRB)の一段の利上げと金融引き締めの長期化観測が高まる中、円売り・ドル買いが出た半面、政府・日銀による為替介入への警戒感が相場の上値を抑えた。NY時間の安値は143.14円、高値は143.72円でアジア時間のレンジ内(142.80-143.80円)での取引となった。なお、この日発表の8月米小売売上高や9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数は強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。

 

ユーロ/ドルは、前日の高値1.0023ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)を超えた水準では戻り売りなども出やすく、一時0.9982ドル付近まで押し戻された。もっとも、インフレ抑制のため欧州中央銀行(ECB)も積極的な金融引き締めを続ける姿勢を示しており、下押しは限定的だった。

 

カナダドルは軟調だった。WTI原油先物価格が4%超下落すると、産油国通貨であるカナダドルに売りが集まった。FRBの積極的な金融引き締めが継続するとの観測から米ドル買いが入った面もあり、米ドル/カナダドルは一時1.3240カナダドルと2020年11月以来のカナダドル安水準を付けた。対円では108.38円まで値を下げた。同じく産油国通貨とされるメキシコペソも軟調だった。対ドルでは一時20.0904ペソ、対円では7.14円までペソ安に振れた。

 

NY原油先物市場は大幅反落:景気減速懸念広がり上値を圧迫

NY原油先物市場は84.53ドル-89.15ドルのレンジ相場となった。主要国の積極的な金融引き締めにより、景気減速への懸念が強まっていることが原油相場の上値を圧迫した。また、米鉄道業界で約6万人の大規模なストライキが回避されたことも売りに拍車をかけた。アジア市場の取引開始後に89.15ドルまで買われた後はじり安となり、ロンドン市場の序盤で89.10ドルまで戻したが、ニューヨーク市場の中盤にかけて84.53ドルまで一段安となった。通常取引終了後の時間外取引では主に85ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

NY金先物市場は3日続落:米長期金利の高止まりを意識した売り

NY金先物市場は1668.90-1707.80ドルのレンジ相場となった。米長期金利の上昇が続くなか、金利を生まない資産である金は売りが優勢となった。節目の1700ドルを割り込み、ストップロスの売りも巻き込んで大幅安となった。中心限月の清算値の1700ドル割れは2021年3月以来となる。アジア市場の序盤で1707.80ドルまで買われたが、後半にかけて換金目的の売りが増えたことで1700ドルを下回った。ニューヨーク市場の序盤にかけて1701.40ドルまで戻したが、長期金利の高止まりを意識した売りが増えたことによって1668.90ドルまで一段安となった。通常取引終了後の時間外取引では1670.40ドルが下値となり、主に1673ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場は下落:FRBの金融引き締めの長期化観測から売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)3.87%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い3.45%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)の一段の利上げと金融引き締めの長期化観測が高まる中、債券売りが優勢となった。米金融政策の影響を受けやすい米2年債利回りは一時3.8710%前後と2007年11月以来の高水準を付けた。 

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