FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:FRBのタカ派姿勢を警戒した売り継続

NYダウは、643.13ドル安の33063.61ドル、ナスダックは323.64ポイント安の12381.57ポイントで取引を終了した。ジャクソンホール会合を控え連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派姿勢を警戒した売りが継続し、寄り付き後は下落した。長期金利が1カ月ぶり高水準で推移したため、ハイテク株も売られ、更なる売り圧力となった。引けにかけ主要株式指数は下げ幅を拡大した。株式の相対的な割高感が意識されて売りが広がった。VIX指数は20.60から23.80へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い優勢に

ユーロ/ドルは、欧州の天然ガス先物価格が20%超急騰するなど、エネルギー供給の先行き不透明感が根強い中、ユーロ圏景気の悪化を懸念したユーロ売り・ドル買いが優勢となった。7月14日の安値0.9952ドルを下抜けると一時0.9926ドルと2002年12月以来の安値を更新した。ロシア国営の天然ガス会社ガスプロムは前週末、欧州に天然ガスを送る主要パイプライン『ノルドストリーム1』について、8月31日から9月2日までの3日間、点検のためガス供給を停止すると発表した。ただ、市場では『メンテナンス作業後もサービスが計画通りに復旧しないのではないか』との懸念が強まっている。

 

ドル/円は、欧州市場では一時136.70円まで値を下げたものの、NY市場では底堅く推移した。対ユーロ中心にドル高が進んだ流れに沿って円売り・ドル買いが出たほか、米10年債利回りが3.0386%前後と7月21日以来約1カ月ぶりの高水準を付けたことがドル買いを促し、一時137.65円と7月22日以来1カ月ぶりの高値を更新した。今週26日には米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演する。市場では『タカ派的なスタンスが改めて示される』の見方が広がっており、ドル買いを誘った面もある。 

 

NY原油先物市場は4営業日ぶりに小反落:景気減速が需要を弱めるとの見方

NY原油先物市場は86.28ドル-91.03ドルのレンジ相場となった。先週の米連邦準備理事会(FRB)高官によるタカ派な発言が金融引き締め継続の思惑を強め、景気を圧迫してエネルギー需要を弱めるとの見方につながっている。米金利上昇にドル高もドル建て価格の割高感を意識させ、投資意欲を後退させて、先週末比で一時4ドル以上も下落した。ただ、サウジアラビア・エネルギー相の『市場安定のために原油生産を引き締める必要』との発言が伝わったこともあり、下落幅を縮小した。ロンドン市場で91.03ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて86.28ドルまで反落。ただ、需給ひっ迫の可能性が残されており、通常取引終了後の時間外取引で90.76ドルまで戻している。

 

NY金先物市場は6営業日続落:米金利上昇とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1740.20-1762.10ドルのレンジ相場となった。先週、米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派な発言が相次いだ流れを受けた米金利上昇・ドル高が重しとなった。金利上昇は金利が付かない資産である金の相対的な価値低下を意識させた。ドル高は、ドル建て金価格の割高感につながり、売りを誘った。アジア市場で1762.10ドルまで買われたが、ドル高や米長期金利の上昇を意識した売りが強まり、ニューヨーク市場の序盤に1740.20ドルまで下落した。その後、1753.10ドルまで戻したが、戻り売りの興味も残されており、通常取引終了後の時間外取引では主に1750ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:FRBによるタカ派的なスタンスを警戒した売り

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.09%高い(価格は下落)3.31%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い3.01%で終了した。26日のジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演に注目が集まる中、市場では『タカ派的なスタンスが改めて示される』との見方が広がっており、債券売りを誘った。利回りは一時3.0386%前後と7月21日以来約1カ月ぶりの高水準を付けた。

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