FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:今週発表のインフレ指標への警戒感から上値重い展開

NYダウは29.07ドル高の32832.54ドル、ナスダックは13.09ポイント安の12644.46ポイントで取引を終了した。強い7月雇用統計を受けた景気後退懸念緩和に伴う買戻しが続き、寄り付き後は上昇した。高値からは今週半ばに発表が予定されている重要インフレ指標を警戒した売りに抑制され、上昇も限定的となった。上院がインフレ削減法案を可決し成立する見込みが強まったことも一部プラス材料となり、NYダウはかろうじてプラス圏を維持した。ナスダック総合指数は半導体メーカーのエヌビディア(NVDA)の下落に押され、小幅安で終了した。VIX指数は21.44から21.29へ低下した。

 

NY外国為替市場:新規の手掛かり材料難から方向感出ず

ドル/円は、米10年債利回りが2.73%台まで低下したことを受けて円買い・ドル売りが先行した。週明け早朝取引で付けた安値134.86円を下抜けて、一時134.36円と日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げて、135.11円付近まで持ち直す場面があった。本日は主要な米経済指標の発表もなく、新規の手掛かり材料に乏しかったため大きな方向感が出なかった。市場では『今週10日に発表される7月米消費者物価指数(CPI)を前に動きづらい展開だった』との指摘もあった。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下に伴うドル売りが先行すると、欧州時間の高値1.0215ドルを上抜けて一時1.0222ドルと日通し高値を付けた。ただ、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。欧州経済の減速懸念が根強い中、5日の米雇用統計発表前の水準である1.0230ドル台手前で失速した。ユーロ/スイスフランなどユーロクロスの下落につれた売りも相場の重しとなり、1.0185ドル付近まで下押しする場面があった。 

 

NY原油先物市場は続伸:過度な景気減速への警戒感後退で買い優勢

NY原油先物市場は87.22ドル-90.89ドルのレンジ相場となった。NY朝方は売りが強まるも、87ドル台で下値を固めると一転し買い戻し優勢となった。過度な景気減速への警戒感が後退したことなどを支えに、引け間際には90ドル後半まで上値を伸ばした。米ゴールドマン・サックスが2022,23年の石油供給見通しを下方修正したことにも後押しされた。ロンドン市場の中盤にかけて87.22ドルまで下げたが、ニューヨーク市場の中盤までに需要増加の思惑が浮上したことから、90ドル台を回復した。米国株式は伸び悩んだものの、90.89ドルまで値を上げており、通常取引終了後の時間外取引でも90ドル台を維持した。

 

NY金先物市場は反発:ドル安と米長期金利低下を好感した買い

NY金先物市場は1786.90-1806.40ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが売り戻され、ドル建ての金は割安感から買いが強まった。また、米金利が先週末の上昇幅を削ったことも金利を生まない金の支えとなった。5日の米雇用統計後の下げ幅をほぼ取り戻して終えた。アジア市場で1786.90ドルまで下げたが、ロンドン市場の前半までに利食い売りは一巡し、1800ドル台に戻した。ニューヨーク市場の序盤に1796.70ドルまで売られたが、まもなく1800ドル台を回復し、通常取引終了後の時間外取引では主に1805ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:ポジション調整の買い優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)3.20%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%低い2.75%で終了した。前週末に大幅下落した反動で持ち高調整目的の買いが優勢となった。市場では『10日の7月米消費者物価指数(CPI)を前にポジション調整目的の買いが入った』との声が聞かれた。

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