FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:インフレがピークに達した兆候を好感した買い

NYダウは823.32ドル高の31500.68ドル、ナスダックは375.43ポイント高の11607.62ポイントで取引を終了した。セントルイス連銀のブラード総裁が成長拡大が始まったばかりとし、景気後退の可能性を否定したため、寄り付き後は上昇した。また、連邦準備制度理事会(FRB)のストレステストの結果を受けて金融セクターに買戻しが広がり、さらなる相場の上昇をけん引した。6月ミシガン大消費者信頼感指数確定値の長期期待インフレ率が14年ぶり高水準から下方修正され、インフレがピークに達した兆候が示されたため投資家心理が一段と改善した。大幅な利上げが回避されるとの期待も買い材料となり、引けにかけて上げ幅を拡大した。VIX指数は29.05から27.23へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国株高と米長期金利上昇でドル買い戻し優勢

ドル/円は、米ミシガン大学が発表した6月消費者態度指数(確報値)が過去最低を記録したほか、1年後と5年後の期待インフレ率が速報値から下方修正され、予想を下回ったことが分かると米利上げ加速への過度な警戒が後退した。全般ドル売りが先行し、134.72円付近まで下押しした。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢になった。米国株相場が大幅に上昇し、米長期金利が上昇に転じたため円売り・ドル買いが進んだ。米国株高を背景にクロス円が上昇したことも相場の支援材料となり、一時135.40円と日通し高値を更新した。 

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の6月独Ifo企業景況感指数が予想を下回ったことを受けてユーロ売り・ドル買いが進行し、一時1.0514ドル付近まで値を下げた。独政府が前日に供給不足の懸念が高まっている天然ガスを巡り、『非常警報』を発令したことも引き続き意識された。ただ、アジア時間に付けた日通し安値1.0512ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが進んだ。ミシガン大期待インフレ率確報値が予想を下回ったこともユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.0571ドルと日通し高値を更新した。もっとも、米長期金利が上昇に転じたこともあって、戻りは限定的だった。 

 

NY原油先物市場は3日ぶり反発:需給ひっ迫への警戒感根強い

NY原油先物市場は103.64ドル-108.58ドルのレンジ相場となった。30日に予定されている石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する『OPECプラス』会合で小幅増産方針が維持されるとの見方が強く、需給ひっ迫への警戒感が根強く、買い戻しが入った。OPEC加盟国のリビアで政局の混乱が続き、産油量が大きく落ち込んでいることも買いを後押した。アジア市場で103.64ドルまで下げた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて108.58ドルまで反発した。株高などが好感されたようだ。需要減少の思惑は消えていないことから、106.30ドルまで下げたが、通常取引終了後の時間外取引では主に107ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は5日ぶりに反発:景気後退懸念が支え

NY金先物市場は1817.70-1833.70ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロで重い動きになったことや、各国中銀の引き締めによる景気後退懸念が支えとなった。ただ、米国株が大幅高となり、米長期金利が上昇するなか、金の上値は限られた。アジア市場の終盤にかけて1833.70ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では株高や長期金利の反発を意識して1817.70ドルまで下げる場面があった。その後。1833.20ドルまで戻したが、株高を意識して上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では1830ドルを下回る水準で推移した。 

 

米国債券市場は反落:米国株高でリスク選好の債券売り

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.05%高い3.07%で取引を終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い3.13%で取引を終了した。米ミシガン大学が発表した6月消費者態度指数(確報値)や期待インフレ率が予想を下回ったことで買いが先行したものの、米国株の大幅高を受けて次第に売りが強まった。 

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