FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

NY外国為替市場:米市場休場で積極的な売買手控え

ドル/円は、米国・カナダ市場がレーバーデーの祝日で休場だったことから、取引参加者が少なく、米経済指標の発表などもなかったことから、積極的な売買は手控えられた。一時111.17円まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値111.19円の上抜けに失敗すると上値が重い展開となった。市場参加者の減少から目先は様子見ムードが意識され、大きな動きにはならなかった。ユーロ/ドルは、トルコ中銀が9月の政策決定会合で金融スタンスの調整を行うと発表した。トルコへの融資が多い欧州の銀行にも好影響が及ぶとの見方からユーロに買いが入り、一時1.1628ドルと日通し高値を付けた。ただ、米株、米債市場が休場で市場で参加者が大幅に減少していたため、積極的に上値を試す展開にはならなかった。

 

トルコ中銀の金融政策変更報道で一時トルコリラ買い

トルコ中銀は『インフレ見通しを巡る最近の展開は物価安定に対する大きなリスクを示唆している。中央銀行は物価安定を支えるために必要な措置を講じる』という声明を発表した。従って、先の発表の通り『金融政策スタンスを9月13日の金融政策委員会で、最新の展開に合わせて調整する』としている。報道直後トルコリラは、一時対円17円近辺まで上昇、対ドルでも6.5230TRYまでリラ高となった。

 

今週の米経済指標注目:下振れ懸念も

米国の経済指標では、前週までに減速や頭打ちが目立っている。通商摩擦懸念や中国など新興国の減速、ドル高、金利上昇などが重石となっている。今週も4日のISM製造業景況指数、6日のISM非製造業指数と製造業受注などで下振れが警戒される。一方で、7日の雇用統計と失業率、平均賃金については、米国の内需の底堅さが支援材料になる。トランプ大統領は8月30日に『米国の経済は現在、米国史上で最高』と自画自賛した。11月の中間選挙に向けた政権成果の表出という点でも、米国の雇用指標の結果が注目される。

 

米長期債-超長期債の金利差に微妙な変化が

米国債券市場での10年債金利は、低下や上げ渋りの圧力が根強い(債券価格が底堅い)展開となっている。根強い新興国不安や通商摩擦懸念などが安全資産の米10年債にシフトしている。米国債の先物市場で10年債ポジションは過去最高のショート(売り持ち)に膨張している。ポジション整理の残存余地が米国債金利低下とドル安の先行きリスクを高めている。一方で、より長期の米30年債と10年債の金利差は、7月12日に直近最小として2017年9月以降の金利差縮小基調に歯止めがかかってきた。より長期の米成長期待やインフレ期待の微妙な高まりや、先行きの財政赤字懸念の漸増を示唆する。

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